2011年牡羊座の下半期の占い

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テレビニュースを見ていたら、津波でどこまでも瓦礫だらけになった港で奥さんと二人、片付けをしていたおじさんがこんなことを言っていました。
「むかしから、『まなぐは臆病で、手は鬼』というんだよ。」
まなぐ、とは、東北の言葉で「眼(まなこ)」のことです。おじさんは続けて
「目でながめているときは、こわい、もうだめだ、っておもっても
手は、不可能なことを可能にする、鬼のように強い、ということだ」と説明しました。

眺めていて不可能なことでも、作業を始めてしまえば、思っていたより、大変じゃない。
手は、目よりも、勇敢で強い、というこの言葉が、胸にずしんと響きました。
果てもない瓦礫の山を前にして「手は鬼」という言葉は、太陽のようにあかるく、その風景を照らしました。

こんなにも大変なことでなくても、私たちの多くは「眼は臆病で、手は鬼」を体験しているのではないでしょうか。
例えば、引っ越しや大掃除などがそうです。あるいは、みんなで集まったパーティーの後の、台所に山と積まれた汚れた皿や
梅雨時に一週間以上もためこんでしまった洗濯物など、それを目の前にしたときは、一瞬、心がひるみます。
でも、思い切って着手してしまえば、なんとか、やりぬいてしまえます。
必ずいつかは、「作業の終わり」がやってきます。なるほど「手は鬼」です。

「鬼」は、昔話の中では、悪者の代表のような存在です。
ですが、「鬼神」「鬼才」などのように、善悪を含まず、ただ「不思議な力」という意味で用いられることもあります。
人間の思考や計算の範疇を超えて、すばらしい功(ルビ;いさおし)を成し遂げる力です。
私達の中には、そんなふうに、自分の思考や他人の予測を超えて働く力が、備わっているのかもしれません。

2011年下半期の牡羊座の世界は、ちょうどそんな「手は鬼」という言葉がぴったりです。
考えたよりもずっと大きな力を出す「手」に、強いスポットライトが当たっているのです。
スマートなスーツを着てあれこれ考えるより、汚れても平気な格好で現場を踏み、手で触り、匂いを嗅ぎ、五感をフルに生かしてそこから、座って考えていたのでは思いつかないアイデアをどんどん掴みだしていくことになります。
これらのアイデアは、とても大きな力となって、あなたを取り巻く世界全体を、ぐいぐい動かしていきます。
最初、小さな部分でしかなかったことが、そこに必死に取り組むうち、全体に波及していきます。小さなチームで始めたことが、いつのまにか大きな組織に成長します。
「自分の手では、とてもムリだろう」と思えた夢が、着手してしばらくすると、現実のものとなっていくのです。

時期的なことを少し申しますと、まず6月は、すこし清々した気分になるかもしれません。
年の前半、牡羊座の世界では星々が沸騰するかのようにわきかえり、変化とスタートを「これでもか!」という具合に促していたのです。激しい嵐の中、無我夢中で前進しているような気持ちの人も多かったのではないかと思います。そんな、牡羊座をガンガン後押ししていた星々がすうっと牡牛座に抜け、まずは一段落、嵐が落ち着く安堵感が巡ってくるでしょう。
6月下旬以降は、なにかと出歩くことが多くなるかもしれません。向学心も強くなり、セミナーや図書館に行ったり、友人知己とミーティングを重ねたりと知的な刺激を多く得る事になるでしょう。
8月から9月中旬までは、家族や家の事で変化が多い時期です。身近な人に割く時間が増えますし、この時期、引っ越しを計画する人も少なくなさそうです。
9月下旬から11月上旬までは、とてもクリエイティブで楽しい時期となっています。
そして11月下旬からしばらくの間、「日常」を変化させる流れが生じます。ルーティンワークが変化したり、異動や職種変更があったりと「毎日のこと」がグレードアップする気配があります。
年末から年明けにまたがって、このプロセスは続くでしょう。年末には、素敵なクリスマスカードを受け取れる気配があります。

この下半期を通じて、経済的な状況は好転する人が多いでしょう。
これをただ貯め込むのではなく、事業資金としたり、自分に投資したりと、「更に大きな力を得るために使う」傾向があります。
いい意味での外向きな貪欲さがあなたの中にあって、それが、あなただけでなく周囲の人たちをも牽引する力となります。あるいは、自分個人の資産ではなく、色々な人から力を「託される」人もいるだろうと思います。
人から預かった財や力をとりまとめて、それを使って、開拓したり、プロジェクトを立ち上げたりするという動きも生じそうです。

愛情関係については、あなたの中で「考えの変化」が起こっている時期です。
人との関わり方、自分の自立について、等々、「今まで通りの考え方で良いのだろうか?」という疑念が湧き、カップルもフリーの人も、恋愛やパートナーシップをとてもシビアかつ自由な眼差しで見つめているようです。
そんなクールな姿勢であっても、明るい追い風が吹くのが8月、そして、熱い情熱が流れ込んでくるのが、9月から11月上旬です。この時期は出会いのチャンスも多く、カップルも情熱的な時間が過ごせそうです。とはいえ、ここでも刹那的な興奮に支配されるのではなく、燃え上がった情熱を、いかに人間的で誠実な信頼関係とできるか、がベース音のように、大切なテーマとして響いているはずです。
特に、9月半ばから10月上旬までの期間は、大切な「約束」が結ばれる気配も濃厚です。

この時期のあなたの「手」は、なにかを創造する手であり、なにかを獲得する手でもあります。
生産し、製造し、手渡し、引き寄せます。「財」を引き寄せる人もいると思いますし、「手に職」をつける人もいるでしょう。それらは大方、目に見えるものだと思いますが、あなたの手は、目に見えないもうひとつの大切なものも作り出します。
それは「ゆたかさ」です。
ゆたかさそれ自体は、目には見えません。ものがたくさんあっても、心が貧しいこともあります。ゆたかさは、人の心に生まれる充足です。
この時期のあなたの手は魔法のように、あなた自身や、あなたの大切な人の心に「ゆたかさ」をつくりだすことができるのだと思います。