2012年牡羊座の下半期の占い

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「なにか質問はありませんか」。
面接や講義の最後に、決まって添えられる言葉です。
私自身、星占いの講座などを開いたときは、時間が許す範囲で必ず、聴講者にこの言葉を発します。
さっと、複数の方から手が挙がることもあれば、だれも手を挙げないまま、「では、ご質問もないようですので、おわりにします」となることもあります。

質問が発せられるときは、その内容が多少、的外れだったとしても「ああ、熱心に聞いてもらえたんだな」という気がして、うれしくなります。
もちろん、質問の出ないときでも、とても懸命に聞いて頂けていることは、講義の最中に、皆さんの表情から伝わってくるのですがさらに、質問という形で、一歩こちらに踏み込んでもらえたときは、こちらも一層真剣に、その期待に応えたい!という気持ちが湧いてきます。

本でも、誰かの話でも、人と関わる時でも「繰り返すほど、理解が深まるものだ」と考えがちですがもしかすると、読めば読むほど、つきあえばつきあうほど、だんだん、解らないことが増えていくのが本当の「理解」なのかもしれません。
よく理解した人ほど、鋭い質問を発しますし、映画や小説でも、その作品を愛好していればいるほど内容の誤謬や不快な部分にも、精通しているものです。
ですから、愛着が深いほど手厳しくなったり、よく知っている話ほど、たくさんの疑問を発する、ということになるのだろうと思います。

2012年の牡羊座の世界では、ちょうど、そのようなプロセスが展開していきます。
なにかを、あるいは誰かを、深く理解し、心の真ん中に受け止めていくのですが、そこでは自然に、疑問や反対する態度も生まれます。
その一方で、誰よりもその対象を肯定したり、無二の理解者として味方になったりすることができます。
解れば解るほど、受け入れがたいところと、完全に受け入れられるところとが見えてきて、その両方に、ストレートに力強く、反応していくことになるわけです。
通常、反対意見は否定で、賛成意見が肯定です。
でも、この時期のあなたの世界では、反対意見も、賛成意見も、すべて「受け止めている」「受け入れている」という意味で、同じものとして分類されるのです。

時期的なことをすこし申しますと、まず6月から、とてもフットワークが良くなってきます。
旅や出張など、外に出る機会が増えるでしょうし、引っ越しのように大きめな「移動」の可能性もあります。
この動きは、2013年の中程まで続いていく、すこし長めのプロセスです。
頼まれ事や用事がたくさんあって、それを忙しくバリバリ捌いていくような、アクティブな時期となるでしょう。
7月から8月は、人間関係に「熱さ」が出てきます。
刺激的な出会いがあったり、誰かと情熱的に関わり合ったり、あるいは、軽い摩擦が発生する気配もあります。
ここは思い切って、あなたのまっすぐな情熱をぶつけた方が最終的には、良い結果が生まれそうです。
ただし「絶交」「別れる」などのラストワードは、最後までとっておくようにするほうがよいでしょう。
一時的な勢いだけで失ってしまうには惜しいものがそこに、ちゃんとあるように見えます。
9月は「魅惑」の時期です。
いろいろなものに心惹かれるでしょうし、なにかに魅了されてしまう人も多いかもしれません。
10月から11月は、遠く旅をすることになりそうです。
この時期の旅行や出張は長期的なものとなりやすく、留学に出たりする人も少なくないでしょう。
11月半ばから12月は、社会的な立場が大きく変化したり、目標やチャンスに向かって全力投球したりする、かなり多忙な時期となりそうです。
また、6月から10月のあいだに、ガツンと人生が変化するような、ドラスティックな「転機」を迎える人もいるだろうと思います。

愛情関係については、2010年頃から、内なる孤独感やパートナーシップの難しさをなんとか受け止めようとして努力してきた人が多かったのではないかと思います。
そんな険しい道のりが、この10月に、収束します。
今までの努力を認められたり、お互いがすこしずつ変化してきた結果、受け入れ合う強さやおおらかさが「結実」するのかもしれません。
とはいえ、7月から8月のあいだには、そんな着地点に近づくための、激しいぶつかり合いも発生するかもしれません。
前述の通り、恋愛においても「別れる」「もうやめる」などのラストワードは簡単に発しないほうが良いと思います。
この時期はコミュニケーションが非常にゆたかに発生する時期で、「語り合う」時間を多く体験できると思います。
「こんなこと、言わなくていいのでは」とか「弱みを見せたくない」「格好悪い」などの遠慮はものごとをややこしくしてしまうことになりかねません。
相手が知りたいと思ってくれている気持ちを受け入れて、自分の弱さも怯えも見せていくことのほうが真に「勇敢」な振る舞いなのではないかと思います。
恋愛に追い風が吹くのは9月、11月、そして12月後半です。

受け止めれば受け止めるほど、自然に自分の中から、「発したい」「与えたい」という気持ちが湧いてきます。
相手が話している最中から「次に自分は何を言おうか」と考えてしまって、結局、相手が話していることの真意を分からずに流してしまうということもあるものです。
「誰かの話を虚心に、ほんとうに聞く」ということは、実は、かなり難しいことなのです。
でも、この「ほんとうに聞く」ことができると、あれこれ考えなくとも自然に自分の中から「言いたいこと」が生まれ、外に流れ出していきます。
「なにかを与えなければ」「自分から行動を起こさなくては」という気持ちをいったん、棚に上げて、他者の言うことやありかたを、どーんと全力で受け止めてみたとき、受け止めきったその後で、身体が勝手に適切な行動へと動き出す、そんな素敵な体験を、この下半期、何度も体験できるのではないかと思います。