2014年牡羊座の下半期の占い

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峻嶮な崖から、細い水の流れに切り出されるようにして
大きな石のかけらが、はがれ落ちました。
石は山の斜面を転がり落ちて、川にたどり着きます。
雪解け水を集める川の中で、他の石とともに揉まれ、
落ちてきた石は徐々に、丸く柔らかな姿へと変貌します。
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2014年の前半まで、牡羊座の人々は
この、流れの中で揉まれる石のように
「人々の中にある自分」を意識していたはずです。
川の石はどれも似通いながら、完全一致するものは皆無です。
私たちもそれと一緒で、みんな同じ人間として交わりながら、
全員がかならず、違っています。
家族や身近な人であっても、
あくまでお互いに違った者同士として交わり、揉み合ううちに、
お互いが影響を与え合い、河原の小石のように変化を遂げます。

私たちは他者と交わるとき、
自分の中に眠るものに気づかされることがあります。
たとえば、辛いことがあってしくしく泣いている人がいれば
自分の中の「泣きたい気持ち」を起動しないと
その人に適切な声をかけることができません。
嫌いな人に出会ったとき、
なぜ自分がその相手にイライラするのかを考えて
「自分にもおなじ欠点があった」
ことを認めさせられることがあります。
「自分は強い!」という意識で生きている人は
他者との交わりの中で自分の「弱さ」を発見することで
今までとは違った力を手に入れることができます。
「自分は優しくやわらかい」という自覚で生きていた人は
自分の内なる怒りや反抗心を発見すると
それまでよりも厚みのある生き方ができるようになります。
このような、他人との交わりで得られる力は
私たちが自分の中心的な個性として認識している「性格」とは
少しズレています。
甘いものに塩を加えたとき、甘みは逆に深みを増しますが、
それにも似て、
「自分らしさ」から少しズレた力こそが
「自分らしさ」の奥行きを深めてくれることがあるわけです。

そんな2014年前半までを経験して、
2014年後半、牡羊座の人々は、
一転して新しいプロセスへと踏み込みます。
それは、他者に揉まれる世界を超えたところにある、
「もう一度本来の自分になる」世界です。

「物心つく」「自我が芽生える」。
私たちが人生のはじまりの段階で
初めて「自分」というものに気がつく瞬間を
そんなふうに表現します。
周囲と自分は違うのだ。自分は自分で、世界は世界なのだ。
自分はこう思う、自分はこれが好き、といったように、
「自分」のアウトラインを意識にのぼらせたとき
私たちは様々な形で「自己主張」を始めます。

2014年の前半まで、「他者」の世界の中で
自分自身のアウトラインを見失っていた人は、
2014年下半期から「自分」を、キラキラと切り出していく作業に入るでしょう。
「家族」といえども、自分以外の人間であるという意味で「他者」です。
家族という他者の集まりの中で濃密な時間を過ごすとき、
「自分」というアイデンティティの境界線が溶けてしまい、
自分が誰だかわからなくなってしまうことがあります。
この現象は、冒頭のイメージのように、川の中で石と石とがこすれ合い、
お互いのアウトラインを文字通り変えていくのに似ています。
ゆえに、2014年下半期からもう一度、
見失いかけた「自分」の輪郭を、新たに発見することになるのです。

大人になってからも「自分」を見つける作業は終わりません。
「一皮むける」「自己実現」「自己改革」など、
何度も「新しい自分」や「本来の自分」を
発見する機会を得ていきます。
そう考えると、「これが自分の最終形だ!」と言える段階には
いくつになっても、至らないのかもしれません。
「これが自分だ」という手応え、
外界や他人とのアウトラインは、人生の随所で、
フレッシュに「更新」され続けていくものなのかもしれません。

時期的なことを少し申しますと、
7月は、かなり解放感の強い月となりそうです。
年の前半に交渉事や人間関係上の摩擦で悩んでいた人は、
ここでプレッシャーやストレスから解放されます。
「自分の時間」をここから、
今までよりも多く確保することができるでしょう。
8月は人との協力関係が強化されていきますが、
人に振り回されるような感じではなく、
ちゃんとハンドリングできるはずです。
遊びごころが弾ける、とても楽しい時期でもあります。
9月から10月にかけては、非常に強い追い風が吹きます。
人から支援を受けて大冒険に乗り出したり、
大きなチャンスを?んだりする人もいるでしょう。
突発的な出会いに「運命」を感じる場面もありそうです。
11月は、使わせてもらえる「他者の力」に
変化が発生しそうです。
今まで力を借りていた部分から独立したり、逆に、
これから必要な力を借りる約束ができたりするかもしれません。
12月は未来の展望がいきなり開けるかもしれません。
目指すべき目的地が定まったり、
開拓すべき専門分野が見つかったりしそうなタイミングです。

愛情関係については、12年に1度の「成長期」に入ります。
愛について大いに体験し、深く学べる、貴重な愛の季節です。
この時期、出会いもあれば愛の深まりもありますし、
結婚する人もいれば、子供を産む人もいるはずです。
子供はおもちゃを欲しがりますが、
大人になると、子供のときと同じおもちゃが欲しいとは
思わなくなるものです。
愛の世界もこれと同じく、幼い心は幼い愛を求め、
成長する心は成長した愛を求めます。
この時期の星回りは、幼い心には盛大におもちゃが与えられ、
成長しようとする人にはそれにふさわしく、
「成長できる愛」が与えられることを指し示しています。
2014年7月半ばから2015年8月半ばまで、
愛の追い風は牡羊座の人に向かって吹き続けます。
この間、あくまで具体的な「愛の体験」の中で、
今のあなたの心に真にふさわしい「愛の物語」が
展開していくだろうと思います。
前述の通り、この時期を通して愛はずっとあなたの味方ですが、
特にきらめきが強いのは、
8月半ばから9月上旬、10月、11月半ばから12月上旬です。

2014年後半から、牡羊座の人々は
「これこそが自分らしい自分だ!」
という実感を刷新していくことになります。
具体的には、創造的な活動に夢中に打ち込んだり、
ある対象にどっぷりと没入して、
深い愛の世界を体験することになるのかもしれません。
あるいは、今までどこか抑え気味だった「自己主張」を、
自ら「解禁」することになるのかもしれません。
頼られることによって開花する力もあれば、
頼られることによって覚醒する力もあるはずです。
いずれにせよ、そこで発見する「自分」は、
他の人がなんと言おうと変えようがない、
自らの中から湧き出る「自分」です。