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「全体を眺める総論」
従うこと、ついてゆくこと。
牡羊座の人にとっては、あまり馴染(なじ)まないキーワードかもしれません。でも、あなたを率いている人がもし、誰か赤の他人ではなかったらどうでしょうか。あるいは、「赤の他人」どころか、実は少し過去のあなた自身であるなら、どうでしょうか。
2015年下半期、あなたはあるキャラバンの一員として、誰かにその旅の道行きを任せながら、せっせと前に進むことになります。
もちろん、これはあなたが望まない旅ではなく、むしろみずから願い出て参加した旅であるはずです。
キャラバンを率いているのは、あなたが選んだ誰か、または少し過去のあなた自身、あるいは、少し未来のあなた自身です。さらには、このキャラバンにはリーダーなど存在しなくて、渡り鳥の群れが空を飛ぶように、それぞれの内なる時計と磁石に従って進んでいるうち、結果的に集団となっている、ということなのかもしれません。
運転席からは、運転に必要なものしか見えません。
たとえさまざまなものが視界に飛び込んできても、それに注意を向けることはできません。目新しいものに気を取られたら、事故を起こしていまいます。
一方、誰かが運転してくれる車に乗っていくなら、思う存分、窓の外の景色を眺めることができます。誰かに手綱を預けてしまわないと、周りの風景は、本当には見えてこないのです。
2015年下半期、牡羊座の人々には、「周りの風景」がとてもよく見えています。知識や情報、経験を、面的に、立体的に吸収できる状態になります。
旅では「どんな場所にたどり着くか」も確かに重要ですが、それ以上に「どんな道を歩いていくか」が大切な場合があります。この時期の牡羊座の旅は、まさに後者です。
前述の「旅」や「キャラバン」はもちろん、一つの比喩です。人生それ自体を旅になぞらえることがありますが、それにならって2015年下半期を旅に喩(たと)えたとき、牡羊座の人は
「誰かについていく」
「伴走する」
「周りに広がる風景を胸に刻み込む」
「先導者を横から覗き込んで技を盗む」
ような経験をすることになると思います。
これは、誰かに強制され、あるいは制限されてそうなるのではありません。あなた自身が選択した道が佳境に入り、自分で自分の立てた方針に素直に従いながら、着々と道を進んでいく、というイメージの時間帯なのです。
こう書くと、何だかつまらない時間が来るように思われるかもしれませんが、決してそうではあありません。それどころか、この時期のあなたほど忙しい人は、あまり見当たらないでしょう。
具体的にやるべきことが次々と見えてきて、それらを能動的に片付け、身につけ、自分のものにしていくプロセスが、めまぐるしく展開していくのです。
中には「師」と呼べる人物に巡りあい、その指導の下にあらゆることを習い覚える人もいるでしょう。一方、自らが「師」となり、誰かを一心に育てる中で、自分自身も大きく成長できるのかもしれません。
いずれにせよ、あなたはこの時期多くを学び、確固たる実力を身につけることになります。
これは、先頭に立って集団を率い、常に前方を睨んでいなければならない立場では、なかなかできないことです。
誰かに手綱を預けているからこそ、余所見(よそみ)ができますし、試行錯誤ができますし、寄り道や道草ができるようになります。
2015年、牡羊座の人は楽しく忙しくキャラバンを進めていきますが、それは決して、前進するだけの単調なものではありません。「従い」「ついていく」その先にあなたが得るのは、熟練の職人技のような「実力」です。
「自分自身のこと(心、身体、夢、成長)」
2010年頃から続けてきている「自己変革」が、もっとも重要な場面を迎えています。おそらく、思いきった選択とか、「こんなふうに変わっていきたい!」という意志決定などは、この時期より前に終えている人も多いと思います。2015年下半期は、ここまでに決断したことを迷わず実行する時間帯なのです。ゆえに、この時期「不安だけれど、後戻りはできない!」という気持ちをぎゅっと胸に抱きしめる場面もあるでしょう。あるいは、同じことばかりくり返して結果がなかなか見えない、という戸惑いを感じる人もいるかもしれません。でも、自分の変化が垣間見える瞬間は必ず巡ってきます。それは9月から10月です。
健康上の不安を抱えている人は、正面から対処することになるでしょう。自分のタフさを過大評価してオーバーワークになり、体調を崩す人もいるはずです。生活を根本的に見直すためのきっかけを得られるでしょう。ただ「死ぬほど健康になりたい」というように、「健康」という概念に病的に振り回される危険もあります。自分の身体や生活に本当に必要なものが何なのか、深く探究する必要がありそうです。
「他者のこと(人間関係、役割、ギフト」
人との関わりは総じて、正面からぶつかるような関わりではなく、「後をついていく」「世話をする」「横から手元を覗き込んで吸収する」といった立ち位置になりそうです。人から学べることが多く、何かを教えてもらう過程がそのまま、大事な人間関係の構築へとつながっていきます。
自分がやりたいことより、他人から望まれることから出発する方が、結果的に、かえって自分に合った活動につながる気配があります。感受性と反応の良さがカギとなる時期です。
人と対等に関わることを望む傾向がある牡羊座の人々ですが、この時期は妙に「上下関係」を意識させられるかもしれません。それが窮屈に感じられる場面もありそうですが、この「上下関係」は、支配や勝ち負けではなく、水の流れを生み出すような意味を持っています。完全に平等でフラットだったら流れないような、知識や感情がそこにあるのかもしれません。敢えて人間関係の中に上下の段差を作ることで、思いがスムーズに流れ出すようです。
「外の世界(仕事、勉強、社会的な活動、目標)」
「世間」は狭いけれど、「世界」は広いものです。
ある一つのテーマを研究していくと、研究すればするほどそのテーマが大きく広がっていることがわかります。2015年下半期の牡羊座の人々は、自分が取り組んでいるテーマの大きさや可能性の広がりを見て取ることになります。自分の登っている山の本当の高さを知るような、そんな体験をすることになりそうなのです。ちょっと歩けばすぐにたどり着ける場所に向かうとき、私たちは気楽でいられます。でも、何年も進まなければたどり着けないような場所に向かうのは「やっぱりやめておこうかな」と尻込みしたくなるものです。この時期の牡羊座の人々も、そうした恐れやおっくうさ、たどり着けないのではないかという悲観を胸に抱くことになるかもしれませんが、それでも一歩を踏み出したとき、「やはり、この道を進むべきなのだ」という確信が湧いてくるでしょう。
「中の世界(居場所、身近な人々、所有、土台)」
2015年下半期、牡羊座の人の「日常生活」は、いつもよりずっと中身の詰まった、ボリュームの大きなものと感じられるだろうと思います。身近な人に割く時間、自分の生活のために割く時間が、単なる時計で量れる数量としてではない「長さ」で感じられるようになるのです。日々くり返されるルーティンの意味や価値が、煮詰められたように濃いのです。ありふれた日々の習慣が、あなたの人生の筋肉のようなものへと変わっていきます。自分のために自分を鍛えるというよりも、身近な人々や仲間、家族のためにその筋力を鍛えている、という意識が強いだろうと思います。
生活の仕方を変えたり、生活についての根本的な価値観を変えたりする人もいるでしょう。それは、あなた個人だけのものにとどまらず、身近な人たちとちゃんと共有されます。子どもや愛する人に割く時間と労力も、生活のリズムの中でしっかりと確保できるようになるはずです。
「恋愛について」
6月から10月頭まで、素晴らしい追い風が吹き続けています。2015年は上半期から秋口まで、牡羊座にとって「恋愛の当たり年」なのです。愛を探している人はきっかけを?めるでしょうし、愛ではないものを愛と見誤っていた人は、幻から目覚めて、本来の愛を模索することが可能になるでしょう。また、すでに愛を育てつつある人は、その愛が急激に大きく成長するかもしれません。
ただし、恋愛感情と密接に結びついている「官能」や経済的な問題とは、いつもより真剣に向き合わなければならなくなるかもしれません。愛の世界では、自分以外の存在と深く関わることになるため、「わからないこと」が出てきます。この「わからないこと」を、他の誰かとの経験から「男なんてこんなもの」「女とはこういうもの」というふうに、十把一絡げにして片付けてしまうこともあります。確かに、ある程度の「傾向」はあるのかもしれませんが、最終的には愛は十把一絡げのカテゴライズの外(●)側(●)にしか見つからないものです。愛に何を求めているのか、意識的な部分と無意識の部分の両方に目を向け、ひとつひとつ姿勢を決めていくことが必要になりそうです。
「タイミング」
7月から8月頭は「居場所」が大きく動くかもしれません。引っ越しや家族構成の変化など、物理的な変化の可能性もあります。あるいは「家にじっとしているヒマがない」ほど、あちこち飛び回る人もいるでしょう。「移動」自体が住処(すみか)となるわけです。また、身近な人や家族に対して、いつもより多くの時間を割くことになるかもしれません。
すでに6月から「愛の季節」ではなるのですが、8月から9月は特に、愛の魔法をさまざまな形で経験することになるでしょう。恋愛はもちろん、パートナーとの関係や他の人間関係についても、好意や親愛の情、相手に対する情熱が溢れるほどに膨らむ時期となっています。
10月から11月半ばは、非常に忙しい時期です、新しい役割を得たり、転職や異動で今まで経験したことのない任務を引き受けたりすることになるかもしれません。家族間での「役割分担」が変わるような時期でもあります。また、自分の健康について深く考え、生活を改善するためにアクションを起こす人もいるはずです。
11月から12月は、人間関係が大きく動く時期です。心躍る一方で、深みのあるドラマを経験する人も多いでしょう。一時的な刺激にとどまらない、あなたの人間的変化を後押しするような「関わり」に恵まれる時期です。
あるいは、タフな交渉事を経験したり、大事な契約を結ぶために奮闘したりする人もいるかもしれません。敢えて相手の懐に飛び込んで、思いきって自己主張していく必要がありそうです。
年末は素敵なギフトを受けとる人が少なくないでしょう。非常に官能的な雰囲気も漂っています。