2015年山羊座の上半期の占い

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「全体のイメージ」
以前、ある僧侶の方が、こんなことを話されました。
「修行僧の頃は、自分が拝まれたり、お布施をもらったりするのが、どういうことだろう、と思いました」
たしかに、自分自身が拝まれたり、仏様に供えるようにお金を頂いたりするというのは、その立場に立って見なければわからない気持ちだろうと思います。少なくとも普段、宗教を仕事にしていない人なら、拝まれたり、報酬ではないお金をもらったりすることはなさそうです。私たちはお正月など寺院に出向き「お賽銭」を投げます。あれも、報酬なのか、なんなのか、よくわからないお金です。

ある関わりの中で、何か大切な気持ちがあって、その気持ちのために、お金や労力を注ぎ、あるいは誰かを助けたり、犠牲を払ったりする、ということは、日常生活の中ではあまり目立ちませんが、よく見るとけっこう、どこにでもあります。もちろん、お賽銭を投げるのは「それで願いが叶いますように!」という、取引のような意味合いもあるかもしれませんが、そういうことではなく、たとえば、誰かを応援したいと思ったり、守りたいと思ったりしたうえで、何の見返りも期待せずに力を貸すのは、珍しいことではないと思います。

2015年上半期、山羊座の人の世界では、そうしたやりとりが大きなテーマとなるかもしれません。ある深い人間的な思いがあって、そこに、力の貸し借りが行われるわけです。この「深い人間的な思い」は、「歴史」や「記憶の積み重ね」にも置き換えられるかもしれません。たとえば、誰かが引き継いできた歴史を、今度はあなた自身が担うことになるわけです。あるいは逆に、あなたが今まで担ってきた歴史的なバトンを、次の世代に引き継ぐためのアクションを起こすことになる可能性もあると思います。

私たちは生活を重ねる上で、知らず知らずのうちに自分自身の歴史や文化を創り上げます。慣れ親しんだもの、馴染んだやり方、「こうやればうまくいくのだ」というノウハウ、自分の人生はこのためにあるのだ、という使命感。そんな「時間をかけて培った自分固有のもの」を、有形無形に持ち合わせています。
2015年上半期、あなたはそれを手放す決意をすることになるかもしれません。「こうすればいいのだ」「これが自分のテーマだ」としてきたものを、すうっと解除するのです。それを手放さなければ誰かが引き継いでくれるものが受け取れないのかもしれません。または、それをすることで後続が大事なテーマを活かすことができる、ということなのかもしれません。

この時期「自分のやり方」「自分の使命」「自分の培ったもの」にこだわっていると、なかなか上手く行かないところが出てくるのではないかと思うのです。たとえば、冒頭の例でいう「僧侶」が「自分」にこだわり抜いていたとしたら、お賽銭やお布施を支払うのはためらわれるかもしれません。また、両手いっぱいに古い荷物を抱えていたら、誰かが手渡してくれるギフトを受けとることは難しいでしょう。「受けとるもの」のために「リリースするもの」がある、というしくみ全体が、この上半期のテーマなのです。

2010年頃から、あなたの生命力はどんどん大きくなっています。自分が以前より貪欲になり、自分のもとめるものに正直になっているのを感じている人も少なくないと思います。あるいは、自分の内なるエネルギーに振り回されているような状態の人もいるかもしれません。この状態は、いままでの小さな植木鉢にはもはや、根っこがおさまらなくなったような状態、と言えるかもしれません。もっと大きな植木鉢か、あるいは自由な大地に自分自身を植え替えなければならない状態なのです。
この「植え替え」の作業を、2011年頃から断続的に行ってきた人も多いと思います。植え替えに当たっては、古くから自分を守ってくれていた土から離れなければなりませんし、小さな根を切らなければならないかもしれません。そうした「分離」の作業のピークが、2015年3月に置かれています。新しい場所に自分自身を「植え替え終える」ようなタイミングが、2015年3月から4月という時期なのです。

古い自分から新しい自分になるために。新しいものを受けとって、古いものから離脱していくために。この時期、あなたの中で起こる「入れ換え」のスケールの大きさは、ハタから見てもよくわからないかもしれません。脱皮直前の蟹や海老の殻の中で何が起こっているのか、よくはわかりませんが、いざ、脱皮が起こると、それがはっきりわかるようになります。2015年上半期は、「脱皮するためにしなければならないこと」が、殻の中でどんどん進んで行くようなタイミングと言えると思います。

「仕事や勉強など、外向きな活動への取り組み」
キャリアや対外的な活動における、かなり印象的な「転機」が、4月上旬に置かれています。これまで積み重ねて来たことが一気に認められ、ちょっと意外なポジションに抜擢されるようなタイミングです。予想外の人から評価されるようなこともあるかもしれません。「ブレイク」するような節目です。

この時期「なぜかわからないけれども上手く行っている」という感覚があるかもしれません。その場合、どこかでだれかが密かにサポートしてくれている可能性があります。この時期は、「密かに支えてくれる」存在が、いろいろなところに配置されているようなのです。人が「力を貸そう」と申し出てくれたとき、「遠慮した方がラクだなあ」と思える場合もあるものですが、ここでは敢えて貸してもらえる力を受けとりつつ、確かに自分のものに変えていく勇気が必要となりそうです。
ビジネスの上では、資金の動きが大きなポイントとなるかもしれません。大きな借り入れを決意する人もいれば、人に力を貸すことになる人もいるでしょう。あくまで一般的な意味で、いずれもリスクは伴うわけですが、あなたが抱えている慢性的な問題や不安をそこで解決できるならば、今のあなたにふさわしい選択と言えるだろうと思います。

勉強については、1月後半から2月中旬にかけて、かなり熱心に打ち込んで結果を出せるタイミングとなっています。また、3月後半にも、考え方や勉強のやり方ががらっと変わるような、面白いチャンスを掴めるかもしれません。1月から3月のどこかで、時間をかけた勉強をスタートさせる人も少なくないでしょう。

少々フライングになりますが、勉強や研究、開発などの活動に関しては、2015年夏以降の一年間が「本番」です。その直前に当たるこの時期は、過去に遡って自分の弱いところを確かめたり、今抱えている問題点を整理したりするのにふさわしい時期と言えるかもしれません。目標を定めるために、敢えて過去に遡る作業をする人が少なくないだろうと思います。

「やりたいことが見つからないけれど、みつけたい!という場合」
友達や日ごろ関わっている人に、本や音楽メディアなど、なにか「貸してもらう」とよいかもしれません。人に「おもしろいことはない?」と聞いてみて、アドバイスに従うのも良さそうです。「自分の判断・好み」にこだわることから少しはなれて、人の考えに少しついていってみると、新しい自分に出会える気配があります。

一方、少々矛盾するようですが、「一人の時間」を持つことも大事だと思います。なにをするでもなく、一人きりでじっと考えること、安心して静かにしていられる時間を持つことは、あなたのエネルギーを回復させるのに大きな効果を発揮します。「瞑想」というほど大袈裟なものではないにせよ、「山ごもり」のように、誰も知っている人のいない場所に一人出向き、無言の時間を過ごすと、なにかが見えてくるかもしれません。

「人間関係について」
身近な人々や家族、地域コミュニティなどあなたをごく近くでとりまく人間関係において、これまで「ぶつかり続けて来た」感じがある人は、その衝突が3月に最終段階を迎えるかもしれません。粉砕してしまうことになるのか、それとも、新しい地平を構築できるのかは、あなたの意志と願望にかかっていると思いますが、いずれにしても、あなたの内なるエネルギーを受け止める「器」の原型が、この時期に出来上がる可能性が高いと思います。特に2月から4月頭にかけて、そのプロセスが一気に進むでしょう。

対外的な人間関係については、「力の貸し借り」がじっくりと行われるかもしれません。今までよりも踏み込んだ形で助け合ったり、リソースを使わせてもらったりする中で、深い、いい意味での「恩義」が生まれるでしょう。無償の贈与が発生し、結び付きが強まる時と言えます。
5月から6月頭は、人間関係における嬉しい出来事の多そうな時期です。一方、人間関係に熱がこもるのは6月下旬から8月頭です。この時期はタフな交渉事や競争なども発生するかもしれません。正面から勝負して、望ましい結果を納めることができるでしょう。

人を助けたり、逆に助けられたり、という部分で、お互いに踏み込み合う場面が多くなりますので、「距離感」がいつもとちがうように感じられるかもしれません。そこから踏み込むべきか、踏み込ませるべきか、と判断に戸惑う場面こそ、相手との関わりを長期的な目で深く考えるきっかけとなります。本当に頼るべき相手は誰なのか、やっとわかるような場面もあるかもしれません。

「恋愛や愛情について」
とても官能的な時期です。恋愛関係における距離感がぐっと縮まり、人生における様々な問題をシェアし合えるようになるでしょう。距離が縮まる分、お互いの良いところも悪いところもはっきり見えやすくなります。
愛情関係は「いいところがあるからつきあう、悪いところがあれば切り捨てる」といったふうな、企業の面接のようなかたちでは作られません。大きな欠点に強烈に惹きつけられたり、完全にいい人なのにどうしても好きになれなかったり、等々、ややこしいことこの上ないのが恋愛です。この時期は特に、欠点や弱さ、一般にはマイナスの部分に、強いスポットライトが当たりそうです。恋愛の中で自分の弱さを痛感させられたり、相手の中にある脆さを見せつけられたりしたとき、新しい愛の階段を登ることになるのかもしれません。

3月半ばから5月半ばにかけて、愛の活性期となっています。特に4月の前半は、非常にドラマティックな追い風が吹いてくるでしょう。官能的な季節だけに、誘惑も多いかもしれませんが、大切にしたいものがある人は慎重な判断が必要だろうと思います。

「大まかな流れ、タイミング」
1月は経済的な動きが大きくなります。入る方も出る方も振り幅が大きくなりますし、1月下旬から2月上旬は、取引における遅延が生じたり、間違いが起こりやすいときとなっています。とはいえ、ここでの行き違いは、時間が解決してくれるでしょう。
1月半ばから2月中旬にかけて、外に出る機会が増えそうです。フットワーク勝負で動き回り、価値あるものを手に入れられるでしょう。

2月下旬から3月は「居場所」が動きそうな時期となっています。引越やリフォーム、模様替えなど、物理的に住処が変化する可能性があります。また、家族構成が変わったり、家族の誰かが人生の転機にさしかかって、それにともなってあなた自身の生活の形が変わるようなこともあるかもしれません。結婚や同棲などで「家族を得る」人もいるかもしれません。
一方、この時期は「旅を住処」とするかのごとく、家にじっとしている暇も無いほど動き回る、いう人もいるようです。物理的な場所にしばられず、バーチャルに「居場所」を開拓できるかもしれません。

3月半ばから5月半ばは、とても楽しい時期となっています。「自分の時間」をもつことができますし、やりたいことにとことん打ち込めるでしょう。恋愛や子育てにも素敵な追い風が吹いてきて、充実した時間をすごせそうです。
クリエイティブな活動に携わっている人は、良い結果を出せるでしょう。力を持った人物から引き立てを受けるようなこともあるかもしれません。

5月半ばから6月は、非常に忙しい時期となっていますが、「人」に恵まれる時でもあります。特に、5月下旬から6月上旬はややこしい作業が発生する気配もありますが、人の力を借りて、最終的には「かえってこれでよかったね!」と言えるような結果を出すことができるでしょう。
健康上の問題を抱えている人は、問題を根本解決できるかもしれません。普段から無理を重ねている人も、体調を崩しやすいときですが、それをきっかけとして生活をしっかり建て直すことができるでしょう。長く走り続けられる体勢を整えるために、アクションを起こせる時期です。