石井ゆかりの星読み

「全体を眺める総論」
「旅」に出るとき、どんな方法で行き先を決めるでしょうか。
もちろん、季節や予算、参加メンバーなど、さまざまな制約条件を勘案して、「ここしかない」と決まるケースもあるでしょう。
ですが、本来「どこに行こうと自由」なのが、旅の本質ではないでしょうか。ビジネスでの出張や何らかの目的のための旅ではなく、本当に自由に、できれば一人で旅に出るとしたら、行き先の候補は無限に出てきます。
私自身、一人で旅に出ることはよくあります。
どこに行こうかな、と思ったとき、最初に浮かぶのは、「海か山か」という二択です。街に行きたいときであっても、海沿いか内陸かということは、大事なポイントです。
というのも、私はなぜか、疲れていてぼうっと弛緩したいときは海に行きたくなり、自分を鍛えたり静けさの中で何かを考えたいときは山に行きたくなるのです。
でも、私にはその「理由」は、よくわかっていません。

「どこに旅に出るのか」と同じように、「何を学ぶのか」「何を専門とするのか」といったことも、本質的な理由は、本人にはわからないことも多いのではないでしょうか。
「なぜそれを選んだのですか？」と聞かれて、もっともらしい理由が浮かぶ場合もあるかもしれませんが、それでも、根っこの根っこをたどっていったなら、「なぜかわからないけれど、そうなるしかなかった」という地平にたどり着いてしまうのではないかと思います。
２０１５年下半期、山羊座の人は、長旅に出ることになるかもしれません。あるいは、自分の学ぶべきテーマを見つけたり、専門分野と呼べるフィールドを探し当てたりするかもしれません。
なぜそれを選ぶのか、という理由は、少なくともここでは、よくわからないかもしれません。もしかすると２０２０年頃に「ああ、こういうわけでこの道を選んだのか！」という納得が得られるかもしれませんが、とにかくその道を進んでみなければ、その道を選んだ本当の理由はわからない、というのが、この時期の面白さだと思うのです。

一般に、「適正」とか「才能」というものは、「プラスの部分」「突出した部分」と考えられています。でも、もしかすると、「才能」「適正」は、大きな、限りなくマイナスの「穴」のようなものではないか、という気もするのです。そこにどんどん、何かを注ぎ込まずにいられないような「穴」こそが、「才能」「適正」につながる場合があります。

問題意識や苦手なこと、コンプレックス、怒りや悲しみなど、私たちの中には「ネガティブなもの」と分類される何事かが、たくさん詰まっています。ネガティブなものたちを、努力によって何とか克服したい、という思いを、多くの人が抱いています。
でも、その一方で、「ネガティブなもの」こそが、他ならぬその人の個性やアイデンティティを形成する、大切な柱となっている場合も、多々あります。たとえば『赤毛のアン』という小説がありますが、アンのアイデンティティは、「赤毛」という容姿のコンプレックスを除いて語ることができません。
「ネガティブなもの」は、前述の「適正」「才能」を作る「大きな穴」と重なるところがあります。「いいもの」とは思えないような心の中の何事かがあってこそ、その人は気高い勉学や深い思索にいざなわれるのではないかと思うのです。
また、人を冒険の旅に誘うのも、空疎さや疲労、物足りなさなど、一般にはマイナスとされる心のうずきなのかもしれません。
２０１５年下半期、山羊座の人はそうした旅や勉学の世界へと、一歩踏み出すことになると思います。そこでは、今までマイナスだとしか思えなかったことが、くるりと反転し、大切な動機として輝き出すはずです。

「自分自身のこと(心、身体、夢、成長)」
２００８年頃から今に至るまで、時間をかけた「再生」のプロセスが進行中です。自分が手に入れた力の大きさに振り回されているような気持ちの人もいれば、手の中にあるものの大きさに気づかず、まだ半分もそれを用いることができずにいる人もいるかもしれません。「ある固定観念を打ち破って、次の部屋に進む」という試みを、何段階にもわたって経験し続けているのが、今の山羊座の人の状況なのではないかと思います。
この「再生」のプロセスはまだまだ進んでいきますが、この２０１５年下半期からは、その動きがごく精神的な、深い所へと移行していくように見えます。これは、ただ頭の中でぐるぐる考えることになる、ということではありません。今まで踏み込んだことのない「隠し部屋」へと入っていくような、知的なアドベンチャーがスタートする、というイメージの変化だと思います。

特に、２０１２年頃からは、いろいろな人が玉石(ぎょくせき)混淆(こんこう)のアドバイスをくれるため、そのアドバイスに沿って複雑なルートをたどってきた感じがあったかもしれません。
２０１５年下半期からは、そうした「外気に晒されすぎるゆえの迷走」は収まっていきます。かわって、あなた自身の胸にある問題意識からの研究、勉強をもっと信じられるようになってゆきます。

「他者のこと(人間関係、役割、ギフト」
過去２年ほど「他者と広く交わらなければならない」という意識が強かったかもしれません。人々との交流を、義務や責任のように感じていたこともあったかもしれません。２０１５年下半期からは、そうした義務感から解放されます。むしろ「人と関わらないからこそ生まれるもの」へと、眼差しがシフトしていきます。
とはいえ、これは孤独になるということではなく、「心から会いたいと思う人にだけ会いに行く」「師を探し、師事する」といった、もっと的を絞った関わりの世界に移動するということです。
２０１５年下半期から、あなたは言わば、一つの大切な「謎」を抱えます。この「謎」を解決するということに的を絞って、その的めがけて、人に会いに行くことになるのだと思います。
２０１４年半ばから２０１５年１０月上旬までの間に、あなたは誰かから非常に貴重なギフトを受けとることになっています。下半期が始まる段階で、すでに受けとり終えている人もいるかもしれませんが、いずれにせよ、受けとったものを「用いる」ことにも、意識を向ける必要がありそうです。
あるいは、この時期に受けとったギフトこそが、あなたの新しい旅や研究を可能にするのかもしれません。

「外の世界(仕事、勉強、社会的な活動、目標)」
仕事や対外的な活動においても、大いに活躍できるときです。あなたに合ったチャンスが巡ってきて、目立つ成果を挙げることができるでしょう。
ただ、ロングスパンで捉えると、この時期はハッキリした成果を出すことより、経験を通して物事を学び、内なる疑問に対する答えを見つけることが「軸」となっています。ゴールにたどり着くことよりも、迷うことのほうが重要なのです。

ごく広い意味で「旅の季節」に入るため、出張や留学、遠征や武者修行など、ハッキリした目的の伴う長い旅に出る人も少なくないはずです。
特に９月末から１１月前半は、かなり遠くまで行くことになるかもしれません。

「中の世界(居場所、身近な人々、所有、土台)」
２０１０年頃から、あなたの根深い願望や欲求が、家族や身近な人々と「衝突」することが多かったかもしれません。このぶつかり合いによるストレスが、かなり軽くなっていくと思います。もとい、矛盾する部分がすべてなくなるわけではないかもしれませんが、食い違う意向をただぶつけ合うのではなく、いままでより冷静に、建設的に語り合えるようになるでしょう。
２０１０年頃から今に至るまで、あなたは環境からの束縛を、何とか解消しようとしてきただろうと思うのです。ですがその一方で、対等かつ自由に交われる親友のような存在に、「常に側にいて欲しい」という思いをも、抱えてきたのではないでしょうか。この二つの願いは決して、矛盾しません。

２０１５年下半期は、特に９月に、あなたの求める環境や関わりを実現する機会がもたらされそうです。この「機会」は、ある特別なイベントを通して実現するのかもしれません。あるいは、特異な力を持った仲介者が、あなたの内なる望みを叶える手助けをしてくれるのかもしれません。

今のあなたにとって、身近にいる人々や家族は、あなたの経済力の土台でもあります。周りの人の支援や存在が、あなたの経済状態を上向きにしてくれていることころがあります。
この時期、そうした身近な人の支援を、もっと積極的に「用いよう」という覚悟が固まるようです。

「恋愛について」
１０月上旬まで、とても官能的な時間帯となっています。言葉では表現できないような、深く濃い愛の季節を生きる人が少なくないでしょう。
愛する人に何を与えていて、愛する人から何を受けとっているのか。それは、決して客観的に捉えることのできない「ギフト」です。だからこそ、そのことをお互いに、真剣に伝え合う必要もあるのかもしれません。
愛において、相手から「受けとれるもの」が非常に多い時期なのですが、あなたが何を受けとったのかを伝えない限り、相手は自分の存在や行動の意義に気づかないかもしれません。
私たちは、一般に、受けとったものを少なく、与えたものを大きく見積もる傾向があるそうです。
この時期は特に「受けとったもの」の大きさを考えることで、愛を大きく強くできるだろうと思います。

さらに、他に愛に追い風が吹くのは、１０月から１１月前半です。愛する人と共に旅に出ることになるかもしれません。
また、愛を探している人は、旅先で愛が見つかる可能性もあります。勉強や研究の場で、愛を見つける人もいるでしょう。

「タイミング」
６月末から８月上旬にかけ、人間関係がヒートアップする気配があります。刺激的な出会いもあれば、タフな交渉事も発生しそうです。

８月から９月にかけては、経済的にかなり上向きのうねりが生じるでしょう。この動きはあなただけのことではなく、パートナーや関係者との関わりの中で起こります。

１１月から１２月は、とても忙しくなります。仕事や対外的な活動の場で、大きなチャンスが巡ってくるかもしれません。年末は楽しい仲間と愉快に過ごせそうです。