2011年魚座の下半期の占い

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「ペンは剣よりも強し」という言葉があります。
一本の剣が倒せる人数は限られていますが、ペン、つまり言葉は、多くの人を動かし、時には政府や権力のような巨大な力をも倒すことがある、という意味です。
そんなふうに多くの人を動かす言葉はもちろん、軽々しかったり、からっぽだったりするはずはありません。そこには、ぎゅっと「知恵」が詰まっているはずです。

子どもの頃、「勉強しなさい」と叱られるとき、「それが自分のためだよ」と言い添えられたものです。
たしかに、勉強することは成長したとき、自分の身を助けてくれるかもしれません。でも、勉強は本当に「自分のためにする」ものなのでしょうか。
「ペンは剣よりも強し」という言葉に込められた「知」の力は、自分だけのためのものではなく、その知恵を受けとる人々のためのもの、ではないでしょうか。

人が何かを学ぶと、自然に、仲間が増えます。いわゆる「同好の士」が得られます。
同じことに関心を持つ者同士は、共通言語を持ち、互いに考えをぶつけ合うことで知的好奇心を刺激しあい、仲間としての結びつきを確認し合うことができます。
社会的な問題でも、芸術や音楽に関することでも、何らかのテーマについて真剣に学び、考えるとき、そこには自然に、新しい人との結びつきが生まれたり、輪が広がっていったりします。
これはおそらく、人間が元々持っている、「共通点で結びつこうとする」傾向にもとづいているのかもしれません。

似ているところ、違っているところ。全ての人は個性を持っていて、他人とは異なっています。
でも、そんな他人の中に、私達は無意識に「共通点」を探し、それによって関わりを持とうとします。故郷も、育った文化も、話す言葉さえちがっていても、同じ植物が好きだ、ということだけで友情を感じることができたりします。
私達の「勉強」は、そんな、人との繋がりを紡ぐために行われるものなのかもしれません。

この下半期から年をまたいで、魚座の人は、自分の知と言葉を用いて、どんどん、人々との関係を拡げていきます。
この「関係」はあくまで、上記のように、さまざまな「共通点」によって結ばれた、友としての関係だろうと思います。組織や利害に基づくものではなく、同じ言葉を理解したり、同じものを愛したりする、精神的な友情がそこには、溢れているだろうと思います。

時期的なことを少し申しますと、すでに5月から、短い旅行や出張が多くなっていそうです。6月はその動きが更に加速し、フットワーク良く、色々なところに出向くことになるでしょう。この時期はスマートフォンやパソコンなど、通信に関する機器を新調したり、初めてのコミュニケーションツールを試してみる人も多そうです。
6月中旬から7月にかけて、家族や環境の事で変化が多いかもしれません。この時期に引っ越しやリフォームなどに着手し日常の風景ががらっと変わる可能性もあります。
8月から9月中旬は、とても楽しい時期となるでしょう。とはいえ8月中は少し、流れが悪い感じもあるかもしれません。焦らずゆっくり時間を使い、特に、「ムダかもしれない」と思えるようなことに労力を割くと意外な効果がありそうです。
9月下旬から11月上旬は、とても忙しい時期となるでしょう。役割や任務が変化したり、この時期、就労条件を変えるための転職を決める人もいそうです。日々のルーティンワークを再編成し、これから長く走っていくための体勢を整える時期となっています。日頃のスケジュールが詰まりすぎているなど、身体に負担がかかる生活パターンを続けていた人はここでドラスティックにそのパターンを変更できそうです。
11月中旬以降は、対人関係に熱がこもってきます。ここから年をまたいで2012年の初夏まで、誰かとの1対1の関係に力を注いでいくことになります。この時期、大切な出会いがある人もいるでしょうし、誰かとの「真剣勝負」をやっていく人もいると思います。これは、勝ち負けよりも、その人との距離をどのくらい縮められるか、というところにポイントがおかれているだろうと思います。
冒頭から述べてきたような、「誰かと関わっていくための知恵・言葉」というテーマがここで、大いに威力を持つはずです。

愛情関係については、7月に、なにかが始まる気配があります。フリーの人には、不思議な縁を感じる出会いがありそうですし、片思いの人は、ずっとあたためてきた思いが不意に、出口を見つけるかもしれません。
フリーの人も、カップルも、11月以降はとても熱い時期となるでしょう。正直に思いをガツンとぶつけあっていくような、ごまかしが全くきかないような、絆を情熱で鉄のように鍛え上げていける、そんな強い動きが生じるだろうと思います。
恋愛に追い風が吹くのは7月から9月半ば、そして8月下旬から9月半ばです。

挨拶やお天気の話など、日常的なおしゃべりはそれ自体は、ほとんど何の意味も持っていません。でも、そうしたコミュニケーションは実は、人の心や結びつきにおいて、絶大な威力を持っています。
あの大きな地震の翌朝、私がマンションの廊下を歩いているとすれ違う人たちはみんな、いつもより明らかに大きくハッキリした声で挨拶を交わしていました。恐怖や不安の中で、私達は人間との繋がりを探し、それに勇気を得て、自分の生活をいとなむことができます。
「声をかけ合う」ことを「何の役にも立たない」と軽んじる人もいます。でも、言葉は、言葉としての意味だけではなくそれが「発される」と言うこと自体で十分、力を持ちます。
この下半期以降、魚座の世界では「コミュニケーションの威力」が強調されています。特別な知識や経験がなくとも、伝えるべきことは、誰の胸にもあるのかもしれません。
あなたの声を受けとりたいと願っている人が、あなたの身近にも、少し離れた場所にも、この時期、たくさんいて、あなたの声を待っているのだろうと思います。