2016年魚座の下半期の占い

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男女が交わって、子どもが生まれます。
今では科学技術が進み、必ずしも性交をしなくとも、出産は可能ですが、クローン技術のようなものを用いない限り、やはりある意味で「他者同士が交わって、新たな存在が生まれる」という条件は、出産という行為の中に、いまだ含まれていると考えられます。
ですが、哲学者のプラトンは、著書「饗宴」の中で、人と人とが愛し合って起こる「出産」は、子どもに限ったことではない、と説きます。
私たちの精神はもともと、懐妊したような状態にあって、しかるべき相手に出会って愛し合ったとき、そこには精神的な「出産」が起こり得るのだ、というのです。
男女の交わりに限らず、肉体の交わりに限らず、愛による交わりのもとには、必ず「生まれるもの」があるのだ、と言うのです。

この「愛」をごく広く捉えるなら、私たちは日常的に、この「出産」をちゃんと体験しているように思われます。
誰かとの出会いによって、自分の中に新しい体験や思想、価値観が生まれます。
私たちの人生はすべて、出会いと、それによって生まれた新しい自分の積み重ねだ、と言うこともできるのではないでしょうか。
2016年下半期、非常に広い意味で、魚座の人々は「他者との交わり」と、「それによって生み出されるもの」の世界を生きることになります。
人と人とが、あるいは人と「場」が交わって、お互いにはらんでいた何事かが、新たに人生に加わることになるのです。

魚座の人にとって、2016年は年頭から、どんな大きな出来事が起こってもちっともおかしくないような、壮大な「転機」だったと言えます。
この「転機」は、短く言って9月まで、もう少し広やかな目で見ると2017年いっぱいくらいまで続く時間帯です。
特に2015年後半からこの9月までの時間は、いくつかの重要な条件が絡まり合って、これまでの環境や人間関係から脱出し、まるで新しい立場を獲得するような、熱く激しいターニングポイントとなるだろうと思うのです。
この転機はあなた個人だけのものではなく、むしろ、周囲の人々の転機に巻き込まれるようにして自分の人生も変化した、という人も少なくないかもしれません。
社会的立場を賭けたような「勝負」であっても、自分の望みでやっているというよりは、周囲の人々の人生を引き受け、いくつもの命を背負って戦っている、という意識が強かったのではないでしょうか。
9月いっぱいくらいまで、そうした熱い転機・勝負が続いていき、10月からはもっと別な世界が見えてきます。

10月以降は、肩に入っていた力が緩み、今までの「戦い」が、実は他者や世界、「場」との「交わり」だったことが解るのです。
そして、その交わりによってできた子供のような何事かを、「産み落とす」ことになるのではないかと思います。
たとえば、誰かと共同事業を始めて、その最初の利益を得る、というような展開もあるでしょう。
また、誰かと熱い対話を重ねた果てに、斬新なアイデアを得て活動を始める、という人もいるかもしれません。
第三者の紹介を通してパートナーに出会う、という場合も、自分と第三者の交わりが、パートナーを「生んだ」と考えることができます。
しばしば、芸術家にインスピレーションを与える「ミューズ」がいるように、自分自身になにかを生み出させる「誰か」に出会えるのかもしれません。
あらゆるかたちで、誰かとの出会いと「交わり」が、有形無形の素晴らしい出産に繋がっていくのです。

「時期について」
7月は遠出する人が多そうです。満を持して「本当に行きたかった場所」に行けるかもしれません。年明けから何とか行こうと試みてきた場所にやっと到達する、という人もいるでしょう。

8月から9月は、人間関係も、仕事も、そのほかの活動も、非常にドラマティックで忙しい時期となっています。特に「外の世界・他者」に向かって行く活動において、汗をかくことになるようです。かつてとは違ったアプローチを試みて、新しい成功を収められるでしょう。「自分は自分、相手は相手」と切り離してしまわない勇気が、ここでは力に変わります。

10月から11月上旬は、少しリラックスして活動できそうです。秋口までの張り詰めるようなプレッシャーから解放され、未来の事をじっくり考えられるでしょう。仲間との交流も大きく広がります。

11月中旬から12月は、ストレートに「嬉しい!」と思えるようなことが多いでしょう。その一方で、人からは見えない所での「静かな闘い」が起こるかもしれません。どうしても受け入れられなかったこと、許せなかったことと闘って、心の中のハードルを壊し、自らの手で自らを「解放」することができる時です。

年末年始は非常に忙しくなるでしょう。やりたいことがどんどん出てきますし、かつて諦めた夢が「復活」する気配もあります。

「恋愛・結婚について」
2015年秋から2016年秋にかけては、魚座の人にとって「結婚」の季節です。恋人やパートナーを得る人も多いでしょう。人と一対一で向き合う時、自分自身とも向きあうことになるため、人間的に大きな成長を遂げられる時期でもあります。

まだ出会っていない、と言う人も、この9月は、かなりドラマティックな出会いを経験することになるかもしれません。強い「縁」を感じるような出来事が起こりそうです。

9月以降は、お互いに何を与え合えるか、ということに焦点が移っていきます。関係の「中に入っていく」とき、そこでは「そこにしか起こらないこと」が起こります。恋愛や結婚は、外から見ているのと中に入ったのでは、景色が全く違うものですが、その「中に入るリアル」を経験できるのが9月以降です。
すでによく知っているつもりのパートナーが、全く違う顔を見せてくれる、といったことも起こるでしょう。逆にあなた自身が、今まで相手に見せたことのない自分を見せることになるのかもしれません。

愛に追い風が吹くのは7月前半、9月から10月中旬です。前述の通り、特に9月はピンポイントで「熱い」時期です。

「パートナーシップについて」
2015年秋から2016年9月、魚座の人にとってのメインテーマがこの「パートナーシップ」でした。公私ともに、誰をパートナーとし、パートナーとどう向き合うか、ということが大きな課題となっていたでしょう。
一対一の交わりは、人間にとってごく頼もしいものであると同時に、辛い部分も含んでいます。なぜなら、パートナーとともに動くということは、相手にあって自分にないものを
認めざるを得ないからです。すべてにおいて相手に立ち勝っていられるなら、パートナーとして動く必要はありません。なにかしら相手に頼らなければならない部分を認める、という意味で、この時期は苦い思いをした場面もあったかもしれませんが、その分、あなたはひとまわり大きくなったはずです。

2015年半ばから2016年秋にかけて、パートナーを得る人も少なくないはずです。また、すでにパートナーがいる人は、相手との関係を、より濃く大きなものに育てる事に成功したでしょう。あるいは、ゆがんだパートナーシップに苦しめられていた人は、ゆがみを解消したり、関係自体を見直したりすることで、新たな人間関係構築に望む力を得るはずです。このようなことに「こころあたりがない」という人も、この下半期に、そのような経験をすることになるだろうと思います。

特にパートナーシップにドラマが起こりそうなのは、8月から9月です。9月は特に、お互いに強い影響を与えあい、相手の存在を通して変容するような特別な時間となっています。パートナーがいない人も、電撃的な「出会い」があるかもしれません。

「子ども・家族について」
子どもとの関係については、かなりドラマティックな場面があるかもしれません。「忘れがたいシーン」が巡ってくるでしょう。子どもがいたからこそ触れられる世界、見えるもの、というのがあるものですが、特に9月、そうした「子どもの存在を通してだけ得られる、特別な経験」が出来るかもしれません。
7月前半、子どもとの関係がとても楽しく感じられるでしょう。

家族は「身内」ですが、一番身近な「他者」でもあります。この時期は「他者としての家族」を強く意識することになるようです。家族としてのポジションを通してではなく、生身の人間としての相手を理解することが必要になる場面があります。特に8月末から9月、そして12月に、人間としての個性を、家族の一人一人の中に見いだすことがテーマとなるでしょう。
家族の社会的・対外的な活動をサポートするに当たって、自分自身の社会的個性を見いだす、という人もいそうです。

「仕事について」
タフな闘いが続いています。ひたむきに勝負を挑み続ける人が多いでしょう。特に3月から5月、集中的に闘ってきたことについて、8月から9月に「決着をつける」ことになるかもしれません。
とはいえ、もっと長期的に見れば、2015年頃からの地道な闘いは静かに続いています。今年の3月から5月、8月から9月の「攻勢」は、その長期的な挑戦の、一つの山場であり、見せ場のようなところと言えるでしょう。非常に慎重に進んできた道のりだったと思うのですが、久々に「攻める」姿勢で臨めたことで、多少スッキリする部分もあるのではないかと思いますし、なにより、地道でどこか単調な努力の道筋の中でハデに暴れてみたことで、達成できていることとこれから達成すべきことが明確になったのではないかと思います。
2015年からの「地道な、しかし大スケールのプロセス」は、2017年いっぱいで収束します。その道筋の中で、8月から9月の挑戦は、貴重かつ重要なマイルストーンと言えるはずです。あるいは、2015年からの努力がここで「爆発」するような形で、ブレイクスルーを遂げる人もいるかもしれません。

7月半ばから8月上旬は、働きやすい環境を整えるためのきっかけをつかみやすいでしょう。願っていたポジションにするりと入り込むこともできそうです。気持ちよく成果を出せる時期です。
10月半ばから11月前半は、キラキラしたチャンスが巡ってきやすい時期となっています。褒められたり認められたりする場面も多いでしょう。

「勉強について」
年明けから貪欲な勉強を続けて来た人が多いでしょう。闘争心や競争心に突き動かされて学んできた人もいるかも知れません。この時期の勉強は確かに、あなたの「武器」となります。7月はその「熱い学習」を集大成できるときと言えるでしょう。8月以降は、培った知的パワーを「活かす」時間に入るようです。

2015年頃から、魚座の人々は様々な「危機感」を感じ続けているようです。その「危機感」が、あなたに行動したり、勉強させたりしている部分があるだろうと思います。2015年秋から2016年9月は、他人の知性と自分のそれを比較しがちだったかもしれず、その点に妙にこだわりすぎたり、つい優劣にばかり目が行ったりしていたかもしれませんが、そうした緊張感からふと、抜け出せるのがこの9月です。人との比較ではなく、あくまで自分自身の財産としての知、という感覚を取り戻せそうです。

他に、勉強に身が入りそうなのが9月末から10月半ばです。12月半ばから年明けにかけては、旧友やかつての恩師から学ぶ機会に恵まれるかもしれません。

「お金・買い物について」
この9月から2017年秋にかけて、いい「経済的循環」のシステムを作り出せるでしょう。自分の経済活動を、自分自身の範囲だけで完結させることなく、人間関係や家族関係全体の中で「回していく」ことに目を向けられるのです。かつてより大きなスケールでお金を動かしていくこともできます。
たとえば、自分のお金だけで生きてきた人が、初めてローンを組んだり、投資をしたりするのは、かなり勇気の要ることです。でも、思い切ってそちらに踏み出してみると、今まで全く見えなかった世界が見えてきます。「自分とは関係ない」と思っていた社会の諸条件や様々なニュースが、突然「我がこと」として感じられるようになるのです。この時期、魚座の人の経済活動は、そうした大きな広がりに向かっていく傾向があります。
特に9月に、その変化の分岐点が置かれています。ここを境に、自分の経済活動と、密接に関わる人々やパートナーの経済活動が、かつてよりもずっと強く連携し始めるでしょう。

「健康について」
少し疲れやすくなっているかもしれません。来年の初夏くらいまでは、オーバーワークにならないよう、普段より若干、自分の体調に気を遣うくらいの心構えが合っているようです。特に、周囲に対する責任感、何らかの結果を出さなければという重圧に苛まれている人は、過労になったときほど「休む」という選択肢から遠ざかりやすいので、注意が必要です。

7月半ばから8月上旬にかけて、体調や生活のあり方を整えるのに適した時期です。快い生活のための新しい習慣を取り入れることもできそうです。
人間関係からのプレッシャーで心身が疲れていた人は、9月を境に調子が上向くでしょう。ストレスそのものが「遠ざかって」くれるようです。
年末はエネルギーがみなぎり、気合いが入りますが、その分ムリしやすい時と言えます。身体の声を聞き逃さないよう、気をつけて。