2011年双子座の下半期の占い

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「子どもたちのよろこぶ顔を見るのが、やりがいです」と、子どもにも食べやすい味の野菜を開発し生産する農家の方がインタビューに応えていました。
確かに、自分のやった仕事で誰かが喜んでくれるのは大きなやりがいであり、喜びです。
多分、そのにんじんを味わった子どもより、おいしかった!と言われた農家の方の方が、喜びのボリュームは、大きいのかもしれません。

でも、その一方で受取手の「よろこぶ顔」を見ることができない仕事もあります。
たとえば、病院、特に歯医者さんなどがそうです。歯医者さんに行くのが好き!という子どもも、わずかにはいるかもしれませんが、ごく少数派でしょう。注射や薬品の匂い、痛みや不快感、恐ろしい音、苦い味。
病院を出るときホッとした顔こそすれ、歯科医院で喜びに笑う子どもの顔は、あまり見られません。

相手の喜ばないことを、相手のために、敢えて、する。
子育て中の人は日々、そんなことをしているとも言えます。子どもが関心を持つライターや刃物を危ないと取り上げ、もっと食べたがるアイスクリームを1つだけよと言い、夜更かししたがるのを早めに床に入れ、朝寝坊を怒鳴って起こします。
子どもの喜ぶ顔を見たいのは誰だって同じです。でも、子どものために、子どもが嫌がることばかりしなければなりません。

相手が子どもでなくとも、そういう場面はいくらでもあります。
恋人に対して、後輩や部下に対して、友達に対して、喜ばれそうもないことを、相手のために引き受ける。そんな勇敢な愛情を発揮している人が、たくさんいます。
相手の自覚するニーズとは関係なく、相手が本当に必要としているものを洞察し、それに働きかけることはとても勇気が要ることです。
でも、そこには、根っこの深い、確固たる愛情がこもっています。「相手のために、できること」。ほんとうの愛情の、純粋な発露です。

2011年下半期、双子座はこんな愛の世界にいます。
もちろん、双子座の人はすべて好きな人に嫌がられるようなことをしなければならないというのではありません。
でも、少なくとも、「自分を好きになってもらうために、なにかをする」ということからは、離れていると思います。
「自分がどう思われるか」を完全に忘れた状態で、純粋に「相手のために、なにかできるか」を追求するのです。

犠牲を払う、という言葉があります。これは、何かを我慢したり、自分で自分を傷つけているようなそんなイメージの言葉です。
でも、実際に、真の意味で犠牲を払う人は、我慢もしていないし、ソンしたとも思っていません。むしろ、犠牲を払う前よりも豊かになった、と感じていることがほとんどです。
昨今非常に身近な、ボランティア活動や募金活動などはその一つです。犠牲を払っているわけですが、不愉快にはなりません。むしろ、「誰かのために、できることがあった」という不思議な充実感が、そこにはあります。
さらに、そうした行動は多くの場合、純粋な感謝と心の結びつきを生み出します。
どんなに叱っても切れない親子の絆や、厳しい教師や名医への固い信頼は「相手が気に入るようにする」ことを越えたところに生まれます。

この下半期、双子座の人はそんなふうに、誰かに深くコミットします。そして、固い絆と信頼を結ぶことができます。
自分が信頼されようとしてやったことではないからこそ、より深い信頼が得られるのは、不思議なことです。

時期的なことを少し申しますと6月はすうっと心が澄むような、それでいて静かな熱さを抱くような時期となるでしょう。この間、誰かとの不思議な繋がりを感じたり、奇跡のように物事が展開していく気配もあります。
6月下旬以降、8月頭まで、とても忙しい時期となっています。自分が中心となってプロジェクトを進めたり、独立して何かを動かしていくことになるかもしれません。
8月から9月中旬までは、経済的な動きがある時です。出るのも入るのも振り幅が大きくなりますので、果断さと慎重さの両方が必要になるでしょう。新しい収入の途を開拓する人も多そうです。その一方で、8月中は少々もどかしい感じもあるかもしれません。時間が解決してくれますので、焦りは禁物です。
9月下旬から11月頭は、フットワーク勝負の時期となっています。スピードを上げてガンガン進めるでしょう。
11月中旬以降、環境の変化が進みます。引っ越しや家族のメンバーの変化、実家からの独立など、何らかの形で生活環境が変わる人が多いと思います。この動きは年末を越えて、来年初夏まで続くプロセスです。

愛情関係については、「縁」ということを強く意識させられそうです。
初対面なのにとても懐かしく感じられる相手に出会ったり、ずっと知っているはずの人なのに全く違う関係がうまれたりと、印象的な出来事が多く起こりそうです。特に、6月と11月から12月、その気配が濃厚です。
冒頭から述べた「相手のために、できること」というテーマは愛情関係にももちろん、しっかり当てはまります。相手の気持ちを自分に惹きつけようとして行動したり、相手にして欲しいことで頭がいっぱいになったり、ということから、この時期は自由でいられるだろうと思います。「相手のために、何ができるか」を考えることは、自然にできることでも、感情としてわき上がるものでもなく、意識して考えなければならない、手間のかかる作業ですが、そこには「正解」がなく、自分だけの答えを出すことができます。
さらに、この「相手のために、何ができるか」というテーマは恋愛関係に長期的な命を吹きこんでくれることになるのです。
愛に優しい追い風が吹くのは6月から7月頭、そして9月半ばから10月頭です。

この時期、双子座の人は、不思議な経験をすると思います。
それは、一見後戻りのように思える出来事が人生を大きく前に押し出していく、という現象です。驚くような縁が、過去との間に結ばれます。修復、記憶、中古品、再生品、等々、およそ「前進!」とは似てもにつかないものが、先に進む勇気をくれたり、未来に出会う人との道筋を作ってくれたりします。
これもまた、「好きになってもらうためではない行為」が、かえって相手からの強い好意を勝ち得る仕組みに似ています。
お伽噺の中にも、悪魔は美しい姿で、天使は醜い姿で現れます。大きな葛籠よりも小さな葛籠に、大きな幸せが入っています。
真に大切なものに触れるための小さな勇気がこの時期、あなたの心に、燃え続けています。