2013年双子座の下半期の占い

アーカイブ記事

「三顧の礼」という故事成語があります。
これは、『三国志』の物語の中で、
劉備が諸葛亮のもとに三度足を運び、
自分の幕僚に加わるように頼んだ、というエピソードによるものです。
一軍の将である劉備が、使いを出すのではなく自ら足を運び、
さらに、二度断られても三度まで助力を請いに出かけたことが、
相手に対する強い思いや誠実さを示す「礼」の重みとして
後世に伝わったわけです。

私たちの生活においては、何かに思い切ってトライしても、
一度失敗したらすぐにあきらめてしまうことも、少なくないように思います。
失敗というのは、人の心を案外深く傷つけるもので、
「あれは私には向いていない」と否定してみたり、
「最初からやらなければよかった」と後悔することもあります。
それを、三度まで試してみるというのは、よほどのことです。

一方、一度うまくいったことについては、
何度でも繰り返しやってみたくなるのも、人情です。
「ビギナーズ・ラック」という言葉があるのは、おそらく
こうした心理にも起因しているのかもしれません。
つまり、一度やってみて大当たりしたことは、二度三度とやることになります。
それで失敗した場合、ビギナーズ・ラック、となるわけです。
二度、三度と繰り返さなければ、
そもそも、「最初の一歩」だけがクローズアップされることもありません。
もし、最初の一歩がうまく行かなくとも、三度目まで繰り返してみたら
三度目にやっと「ビギナーズ・ラック」的な成功が出ないとも限りません。

「自分に自信が持てない」と言う人がたくさんいます。
では、「自信」はどのようにして作られるのでしょうか。
ビギナーズ・ラックを一度当てても、
それは「自信」には結びつきそうもありません。
ある種の「自信」は、繰り返すことから生まれます。
何度も繰り返しているうち、五回中一回しかできなかったことが、
だんだん、百発百中になっていきます。
こうなると、もう「そのことには自信がある」と言わずにはいられません。
もしかすると、最初からうまくできたことよりも、
最初は失敗したけれど、試行錯誤の末にうまくなったことのほうが、
ずっと「自信を持てる」のではないでしょうか。
冒頭にご紹介した「三顧の礼」についても、
劉備が使いをやって一度招聘して、諸葛亮がすぐに応じて幕に入ったとしたら、
何となく、その関係は薄っぺらいような感じがします。
将自ら出向き、さらに二度の拒絶がなされたからこそ、
そのあとの両者の関係は、固い信頼によって結ばれていると思えます。

この下半期、双子座の人たちはおそらく、
何かを反復したり、繰り返し挑戦したりすることになります。
これは、たくさん失敗をするだろう、という意味ではありません。
思えば2012年の半ばから2013年の初夏までの一年間、
双子座の人はいろいろなチャンスに出会ってきたと思います。
とてもチャンスには見えず、
むしろ災難のように感じられたこともあったかもしれませんが、
とにかく、多くの「きっかけ」に触れてきたはずです。
それらのきっかけやチャンスは、一度触れただけでは、
自分のものにし、自信に変えることは難しいだろうと思うのです。
切りひらいた道を何度も歩いて踏み固めてこそ、長く使える道になります。
2013年下半期、双子座の人は、今までに掴んだチャンスやきっかけを、
信頼できる自分の血肉に変えるための挑戦を続けていくことになるのです。

時期的なことを少し申しますと、
まず7月、経済的な面で前向きな動きが生じます。
この動きはしかし、7月中旬まではどうにも、
ゆっくりしか進まないかもしれません。
7月下旬から歯車が噛み合うようになり、
ここから8月にかけて、盛大な「収穫」の時期となります。
あるいは、新しい収入の途を得る人も少なくないでしょう。
または、この時期に収穫してしまうのではなく、
ここから向こう一年のあいだに大きな果実を得るために、
この夏大規模な「仕込み」を行う、という人もいるはずです。
コミュニケーションにキラキラした光が射し込む時期でもあります。
9月から10月前半は、フットワークが勝負のタイミングです。
旅行や出張など、出かける機会が増えそうです。
向学心が刺激される時期でもあり、
何かしら勉強をスタートさせることになるかもしれません。
この時期の勉強は、具体的な必要に迫られての、
かなり「本気度」の高いものとなりそうです。
三日坊主に終わることができないような、現実的ニーズに基づいて学ぶため
ぐんぐん吸収できるでしょう。
10月半ばから11月は、環境に変化が生じやすい時期です。
家族の誰かが人生の転機を迎えたり、引っ越しやリフォームなど、
物理的な環境の変化が起こったりするかもしれません。
これは、あなた自身の経済状態の向上と連動しています。
10月下旬から11月上旬は、ちょっと雑務がごたつきそうです。
役割分担に問題が生じたり、誰かの尻拭いをさせられたり、
あるいは、一度完了したはずの作業がやり直しになったりと、
もどかしい場面も多いかもしれませんが、これは「時間の問題」で片付きます。
先を急がなければ、大きな問題になることはないでしょう。
健康について不安が出る人もいるかもしれませんが、
遠慮せずゆっくり休養をとり、日常生活を見直すことで、
むしろ生活に活気を取り戻すことができるはずです。
12月は爽やかな出会いが多いでしょう。
人との関わりを楽しめる年末となりそうです。
経済的な面で、ちょっと変わった動きが起こるかもしれませんが、
これは、手元の現実と大きな理想とをどう「折り合わせるか」というところに
ポイントが置かれているようです。
この12月から2014年7月まで、
双子座の人は大きな創造性のうねりの中に置かれます。
やりたいことに心から打ち込める季節です。

愛情関係については、「現実」がキーワードとなりそうです。
「現実の自分」や「現実の相手」は、
観念や理想の中のそれとは、大きく異なっています。
観念や理想に合わないから「私には合わない」「妥協したくない」として
関係を断念する人も、世の中には、決して少なくありません。
でも、この時期の双子座の人が体験することは
決して「妥協」ではなく、むしろ、愛の「本体」に
一歩も二歩も近づこうとする作業なのだろうと思うのです。
双子座の人は、高い理想を描き、
物語をつむぎ、価値を創造することができる力を持っています。
その一方で、生身の身体を扱ったり、五感を扱ったり、
論理的に整理できないものと向き合うことが苦手なところがあります。
ですが2013年下半期は、そうした「論理的に整理できにくいもの」と
愛の世界において、大いに向き合うことになるかもしれません。
食べものを食べ、トイレにも行き、
変なクセがあったり、バランスが悪かったりするのが、生身の人間です。
そうしたところを触れあわせて作っていく「生活」が
この時期の双子座の愛の世界に、根を下ろしていきます。
愛に追い風が吹くのは8月から9月、
さらに、12月から2014年7月まで、ずっと「情熱の季節」となっています。

愛も夢も、一朝一夕にできあがるものではありません。
くり返し、うっすらとした時空の経験を層状に積み重ね、
いつかそこに、揺るぎないたしかなものが生まれます。
2013年下半期に双子座が創り上げていくのは、
この先ずっと信じられる自信であり、愛であり、
誰かの人生との「融合面」なのだろうと思います。