2021年蟹座の上半期の占い

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新しい関係の中で、心の距離を創る

「ご自宅用ですか?」と、お店でしばしば訊かれます。
自分ではなく他人のための贈り物なら、それにふさわしい包み方があるからです。
自分自身にも同じことが言えます。すなわち「部屋着」「よそゆき」の存在です。
自分の世界にいるときなら必要ないものが、「他人の世界」にアクセスしようとすると、突然必要になるのです。
外で会って話をするなら、それほど気を遣いません。お店では、自分も相手も平等に「お客」だからです。
でも、自分個人の世界に相手を招き入れたり、逆に相手の世界に入り込んでいったりする時には、
「よそゆき」「客用」「特別」ななにかが必要になってきます。

2021年上半期、あなたは「よそゆき」「客用」をしばしば、意識することになるかもしれません。
なぜなら、他人の世界に足を踏み入れたり、逆に、他者があなたの世界に入ってきたりするからです。
2020年は、その点にひとつの「線引」がありました。いわば、喫茶店で会話をしているような状態でした。
2021年は、「お宅にお邪魔する」「家に招く」ような状態が、どんどん深まっていくのです。
最初は「客用」を出していたけれど、相手との関係が深くなると、「家族用」を出したりするようになります。
相手と自分のあいだにある距離が縮まった果てに、いつか相手が「身内」になっているかもしれません。

他者と自分のあいだのライン、境界線を、どのように捉えるか。これは、とても難しいテーマです。
というのも、どちらか一方だけのサイドから決められることではないからです。
懐いたな、と思ったネコがとつぜんひっかいてくるのに似て、他者の心は容易にはかれません。
また、自分の心も様々に変化します。心を許して招き入れたところ、想像以上に相手が傍若無人になったため、
再度外側に閉め出すにはどうしたらいいかと悩む、などということは、ごく普通にある悩みです。
こうした悩みから逃れるために、一切の人を自分の世界に入れない、と決めて、孤独に暮らす人もいます。
「自分は自分、人は人」とはよく言われますが、濃密な人間関係の中では、ことはそれほど簡単ではありません。
2021年上半期は特に、「他者をどこまで入れるか」「相手の世界にどこまで入り込むか」を、
その場その場の関係性の中で考え、自分で答えを出していかなければならない時間帯です。
この時期のあなたはその難問に、体当たりでぶつかってゆくでしょう。
試行錯誤し、時には少し軌道を踏み外しながらも、最終的には納得の答えを出せるはずです。

5月半ばから7月、一時的にその濃密な関係の「外側」に出ることができるようです。
この時期、年明けからの人間関係を「外側」から客観的に眺めてみて、方向性を軌道修正できます。
あるいは、人間的にも知的にも深く尊敬できる「師」のような人物から、大切な助言をもらえるかもしれません。
相手の役に立ちたいと思う気持ちと、相手という存在からいい意味でなにかを得たいと思う気持ち、
その両方があって初めて、対等な人間関係を築いてゆけます。
無私の心は素晴らしいものですが、「私」がなければ相手もない、とも言えます。
人間は、愛されるだけでも、愛するだけでも、どちらでも究極には、満足できないからです。
相手の人間的な「欲」に応えるには、自分自身の「欲」を自覚することが、どうしても必要なのです。

・時期について

1月から2月は「受けとるもの」がとても多い時期です。色々な方面からお誘いや打診、提案などの声がかかり、それを受けとって吟味し、返事をしていく、という流れが生じます。
中には一度のやりとりで終わらないものや、一度断ったけれど「やっぱりやります!」といった展開になるものもあるかもしれません。
この時期の流れは少し複雑に感じられるかもしれませんが、結果的には「ギフトのような、貴重なチャンス」を掴めるはずです。

2月はお金やものが「戻ってくる」時期です。貸していたものが返されたり、失ったと思ったものが実は失われていなかったと分かったりするかもしれません。なくしたものが出てくる気配も。

2月末から3月は、志を高くして、気持ちよく活動できる時期です。行動範囲が拡がり、尊敬できる人々の知己を得られそうです。

3月から4月は「隠れた敵と戦って倒す」ことができるような時です。内なる自分との闘い、目の上のたんこぶのような存在との闘いに、見事勝利を収められるでしょう。ここでの展開によって、心が解放され、とても動きやすくなるはずです。

4月末から6月頭にかけては、非常に忙しく、熱い時期となります。自分から手を挙げて何かを始めたり、自分を大きく変えたりすることができるでしょう。スポーツやエクササイズなど「身体を動かす」ことを始める人もいそうです。

6月はキラキラ光るような、とても楽しい時期となります。星座を問わず物事の進み方がゆっくりになる時期でもあり、「楽しむ」ことに集中して過ごせるでしょう。
このタイミングで「押入の整理」のような作業をする人もいそうです。あらゆるものを「後で片付けよう」と思って突っ込んでいた場所をひっくりかえしてみて、素晴らしい宝物を発見する人もいるはずです。

[テーマ別ひとことコメント]

・愛について

「深く踏み込む」時間です。愛する人との関係は、とても濃密なものになるでしょう。お互いに預け合う部分、受け止め合う部分が多いので、その分、傷つくリスクも伴います。人間は内側に入れば入るほど、デリケートになり、傷つきやすくなるものです。そうした場所まで相手を招き入れたり、あるいは、相手のそうしたデリケートな場所に入り込んだりすることは、一定のリスクを伴うのです。

たとえば「デートでどちらがお金を払うか」「家事の分担はどうするか」といったことは、今の時代、必ず盛り上がる話題です。多くの人が「一家言」持っていますし、一方で、実際に「その場」に立ったとき、必ず自分のポリシー通りのふるまいができるかというと、そうでもありません。
普段「絶対にワリカンでなければ!」と主張している人が、惚れ込んだ相手を前にしてつい「どうしても自分がおごる」と言ってしまったり、逆に相手に押し切られ、おごられてしまったりすることもあるものです。お金の問題は、プライドや育った環境から得た価値観、実際の生活の苦しさなどがからみあう、とてもデリケートな問題です。恋愛の世界で、お金の事で傷ついてしまう人は、決して少なくありません。「デリケートな問題」は他にも、身体的なこと、コンプレックス、生い立ち、過去の体験など、実に様々なものがあります。関係が深くなるほど、そうした部分に触れることを、避けて通れません。

この上半期、そうした「デリケートな部分」に触れあう場面が多くなるでしょう。痛みを感じたとき相手にそれを伝えられるか、自分が預けたいものがなんなのかを相手に分かってもらえるか。同じように、相手の痛みや要望を受けとってあげられるか。こうした問題に直面して、乗り越えていく力こそが「愛」なのだろうと思います。

出会いを探している人は、複雑な問題を一緒に解決するような場面で、愛を見つけられるかもしれません。経済的な価値観、フィジカルなものへの考え方などは、この時期の「出会い」では、非常に重要なファクターとなります。

2017年の終わり頃から、出会いや愛に関して消極的だった人は、2021年に入るとその気持ちが一変して、人と会ったり、愛し合ったりすることに、とても積極的になれるかもしれません。「人前で自分を出すことが恥ずかしい」という気持ちが消え去り、「いろいろな人と会ってみたい」という気持ちがわいてきそうです。

愛に追い風が吹くのは、1月、2月末から3月中旬、6月です。

・住処、家族、人間関係について

身近な人の思いを「受けとる」場面が多いでしょう。
思いだけではなく、たとえば家族の誰かのお金を管理する役目を引き受けるなど、かなり踏み込んだ対応が必要になるかもしれません。戸惑いや引け目、遠慮など、複雑な思いがわいてくるかもしれませんが、「それでも、やるべき事をやらなくては」という使命感が、あなたを強くしてくれるでしょう。人間理解の眼差しが、こうした体験を通して急激に成長します。
普段は語られないような深い感情が語られます。何気ない思い出話に、驚きの事実が含まれているかもしれません。人は人に、思いを繋いでいきたい、という願いを抱きます。そうした思いを受けとることで、相手を幸せにしてあげることができる時です。

1月から2月は外界で「人に恵まれる」時期です。特に、集団よりは一対一の関わりの方に妙味があるかもしれません。たとえば「集団での交流の場で、ある人に出会い、その後はその人だけと一対一で親密になっていく」といったことが起こりやすいタイミングです。
さらに人に恵まれるのは、4月半ばから5月頭です。ここではかなり斬新な「チーム」が結成されるかもしれません。
2017年終わり頃からの「他者への緊張感・距離感」が消えた分、2021年上半期は、人との距離が縮まり、より多くの人と関わっていこうと思える、とてもオープンでにぎやかな時間となりそうです。


・仕事・勉強について

2020年6月末からの多忙さが、年明け1月7日まで続いています。これを抜けると、ホッとひと息つけるでしょう。「これから」のことをフリーハンドで、のびのびと計画できるようになるはずです。

3月下旬から4月は、非常に忙しい時期となっています。この時期の多忙さは、「目立つ部分」と「水面下で進む部分」の2つが重なっているのが特徴的です。人から見えるところで大活躍しつつ、舞台裏ではもう少し先に「お披露目」できるようなものを必死で作っていくことになるのかもしれません。

4月末から6月は、自分から何か新しいことをスタートさせるために、必死で動き回ることになりそうです。あなたの「闘う姿」を目にして、頼れる人々が集まってきてくれる気配があります。

勉強に関しては、5月半ばから7月にかけて、素晴らしい機会が巡ってきそうです。「師」に出会えるかもしれません。ここでの展開は、2021年の終わりから2022年に跨がって続いていきます。
この「学びの季節」は、急成長のチャンスです。

・お金について

経済関係が大きく動く時です。自分の財布の中だけのことに留まらず、大きなお金の流れ・動きを考えて、自分のとるべき道を見つけていく、ということが必要になりそうです。
特に、パートナーの経済活動が大きく変わることで、自分自身の役割が変化する、といったことが起こりやすい時期です。
お金に関して「視野が拡がる」時期でもあります。初めてローンを組んだり、投資や保険について学んだり、といった機会もあるかもしれません。
経済活動における、かなりスケールの大きな「成長期」となりそうです。

6月から7月は、ガンガン稼げる時期です。欲しいものが手に入りそうです。