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普段は寺院の奥に深く隠され、外部の人の目には決して触れることのない「秘仏」が、特別な祭礼の日だけ、多くの人の礼拝を許されることがあります。普段は隠されているものが「今だけ、特別に見ることができる」イベントは、なぜこれほど人の心を引きつけるのでしょうか。
ピラミッドの奥深くに閉ざされ、まだ誰も入ったことのない部屋、立ち入ることの禁止された古墳、水底に手つかずのまま眠る何百年も前の沈没船など、「隠されたもの」は人を魅了し、幾人かの人生を変えさせてしまうことも珍しくありません。
人の心にもまた、そうした部分があります。私たちは一人一人、独立していて、心の中に神殿を持っています。この神殿は外部に対して固く閉ざされていて、自分以外の誰にも入ることは許されません。でも、私たちはたとえば恋に落ちたときや、誰かに強い興味を抱いたとき、「その心の神殿に、立ち入ってみたい」と思わずにいられません。
2021年下半期、蟹座の人々はそんな「普段は閉ざしている心の神殿」を、「今、このときだけ」開くことになるかもしれません。あるいは関わっている誰かがあなたに向けて特別に、心を開いてくれることになるのかもしれません。いずれにせよ、そこでは「どちらか一方だけが心の扉を開く」ということには、なりません。一方が開けば、もう一方もある程度以上に、開かねばならなくなるのです。
普段伝えられないことを、伝えられるのかもしれません。なんらかの事情で長らく距離を置いていた人に、コンタクトをとることになるのかもしれません。見て見ぬ振りをしていたことを、直視できるのかもしれません。自分の大切にしてきたものを、なんらかの事情で、誰かに手渡すことになるのかもしれません。あるいは逆に、誰かの命のカケラのような貴重なものを、あなたが受けとることになるのかもしれません。
長い間の借りを返すことができるのかもしれません。あるいは、誰かがあなたに、長い間の借りを返してくれるのかもしれません。このやりとりは、お金はもちろん、心情的なしこりや恩義、なんらかの精神的負担に関することなのかもしれません。
これらのことは、「取引」「ギブアンドテイク」ではありません。少なくともこの段階では、一方から他方へと、ひとつの膨大な流れが生じるだけです。与える方はとことん与え、受けとる方はとことん受けとることになります。ごくロングスパンで捉えれば、どこかで帳尻が合う可能性はありますが、リアルタイムで見れば、圧倒的なアンバランスが生じます。そして、その「アンバランス」にこそ、最も大きな意味があり、価値があります。なぜなら、バランスがとれない状態が新たに生まれるのですから、「関わり」がそのまま、強烈な形で残っていくことになるからです。バランスの悪いまま「精算」されない状態は、お互いが関わり続けて行く約束にも似ています。それは、深い深い心の結びつきです。
こうしたことを実行するには、たいてい、非常に勇気が要るものです。こちらに前向きな思いがあっても、相手がそれを前向きに受けとってくれるとは限りません。手渡した物を突き返される可能性もあります。複雑な経緯がある場合、よほど慎重にアプローチしないと、誤解されるかもしれません。そのプロセスでは、「閉ざされた神殿」が開かれる時と同じように、ごく慎重な扱いが必要になります。
2020年の終わりから2021年5月半ばにかけて、既にそうした試みの中に入った人もいるでしょう。「神殿を開く」作業は既に始まっていて、下半期に「本格化・具体化」していくということなのかもしれません。
最初は「価値あるものの授受」のほうに意識が向かいますが、秋以降はお互いの間に生まれる、ある種の前向きな感情に焦点が移るようです。人と人とを結びつける、契約書などを必要としない不思議な力が、秋以降、どんどん威力を増し、お互いの目にはっきり映るようになっていくはずです。
[時期について]
5月から7月にまたがって、広く「外界」とのやりとりが生じたかもしれません。7月下旬以降はこれを受けて、「更に遠くまで足を伸ばし、手を広げていくためには、何が必要か」を、内部で再検討し、準備してゆく期間に入ります。これはたとえば、「移住を検討している地域にちょっと旅行に行ってみて、移住にはどんな準備が必要か調べる」といった展開です。
8月から9月前半は多くを学べる時です。コミュニケーションが拡がり、たくさんの情報が自然に集まって来そうです。「武器が増えていく」手応えを感じられるでしょう。フットワーク良く動いて、テリトリーを拡大できます。
9月半ばから10月は「居場所が動く」時期です。引越や家族構成の変化などが起こりやすい時期となっています。身近な人のためにじっくり時間をとり、心を触れあわせることができます。
また、10月は「得意技を活かせる」タイミングでもあります。自分の得意分野で人の力になれる場面が多いでしょう。
11月から12月は、好きなことにガツンと注力できそうです。夢中になれることに出会えるかもしれません。大恋愛をする人も少なくないでしょう。パートナーを探している人には、素晴らしいチャンスが巡ってきます。
12月末、新年に向けてふわりとイイ風を感じられそうです。新しい理想を胸に、より高い場所を目指そうとする意志が固まるときです。周囲からの応援にも恵まれるはずです。
[愛について]
10月末から2022年3月頭にかけて、ずっと「愛と情熱の時間」が続いていきます。愛を探している人、パートナーに出会いたい人は、この時期具体的な行動を起こせばきっと、チャンスを掴めるでしょう。
すでにパートナーがいる人も、10月末から年明け3月頭は、素晴らしい愛の季節となりそうです。愛に新しい燃料が注がれ、お互いに向かう気持ちがより大きなものになるはずです。
性的な関係について、大きな人生の山場を迎える人もいるかもしれません。パートナーとの間に性的な問題を抱えていた人は、その問題に腰を据えて向き合う事になるでしょう。自分の中に、性的な結びつきへの複雑な感情のこじれを抱いていた人は、その向こう側に脱出する出口を見いだせるかもしれません。
性交に対する考え方やスタンスが変わったり、不安が強まって少し距離を置いたり、といったことも起こりやすい時期です。ただ、この時期なんらかの制限が起こったとしても、2023年の春以降、その制限は解除されるはずです。
経済的な問題が、愛の関係やパートナーシップを揺さぶる気配もあります。主にパートナーの経済状態の変化が心情的な問題につながっている場合は、これも2023年前半頃には解決していくはずです。お金の問題は、人の隠れたプライドに強く結びついています。「衣食足りて礼節を知る」の反対で、物質的・金銭的な不足感は、心情的な諍いにつながりやすいものです。お互いの誇りを大切にしながら、愛をもって助け合ってゆくにはどうすればいいか、多くを学べる時期でもあるようです。
[目標・仕事について]
交渉を通して決まっていくことが多い時期です。たとえば賃金交渉などはあまり経験がない人も多いわけですが、この時期は要望をしっかり伝え、関係者同士の状況や思いを確認し合っていくことが重要なのです。
そのためにもまずは、自分自身のニーズを明確にしていくことが必要になります。人に何を求め、何を期待しているのかを、自分の中でもはっきりと整理しておくことがポイントです。たとえば「どのくらいの収入が欲しいですか?」と聞かれたとき、「自分でもよくわからない」と戸惑う人は、少なくないのです。「これくらいあれば余裕があるけれど、このくらいでもまずはやっていける、また、お金以外にこういう条件があればありがたい」といったふうに、自分自身と「話がついている」ことが、対外的な信用にもつながるはずです。もちろん、自分の意見さえゴリオシすればいいというわけではありませんが、「話し合う姿勢を持つ」「必要な話し合いに応じてくれる人々といっしょに活動する」という方針は、この下半期、かなり役立つだろうと思います。
少々フライングですが、2022年から2023年にかけて、大きく飛躍できるタイミングとなっています。2021年はそれへの「準備期間」のような段階です。特に、経済的・物質的な面で、周囲との調整をしっかりやっておくことで、来年以降の活動の幅が拡がります。
[家族・人間関係について]
8月から11月頭にかけて、家族との関係が非常に密度の濃いものになるでしょう。家族のために多くの時間を割き、労力を注いで、生きていくために一番必要なものを育て守ることができます。
身近な人との関係では、コンスタントなケアもとても大事ですが、「いざというとき」の切り替えも、非常に重要です。「普段はあまり家にいないけれど、一番困っていたときに側にいてくれた」「ピンチの時には、必ずよりそってくれた」という記憶はそっくりそのまま、心の支えになり、心の結びつきになっていくからです。特にこの10月は、そうした「全力投球」が必要になる場面があるかもしれません。
11月から2022年3月頭は、人間関係全般に素晴らしい光が射し込みます。「人に恵まれる」時期で、あらゆる関係性に前向きな感情があふれ、気持ちよく過ごせるでしょう。ものごとを機械的に処理することなく、一人の人間としてのあたたかな心を注いで対応していく中で、いつのまにかあなたを中心とした、大きな「場」が生まれる、といったことも起こりそうです。
[お金について]
経済面では動きの大きい時期です。特に、自分を取り巻く経済的な人間関係、お金に関する役割分担が、大きく再構築されることになるかもしれません。今だけの短期的なことではなく、この先長い時間を見越して、ダイナミックなお金の流れを作れる時期と言えます。一時的に不安が生じても、長い目で見れば着実に育っていく、という形を作れるので、目先の損得に拘らないことが大事です。