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政権が交代したり、大きな産業が興ったり、長い鉄道がつながったり、気候が変動したり。新聞の一面に大きな見出しで載るニュースに私達は声を上げて驚き、華やかにウワサします。
そんな中で、もちろん、そのことで生活が直接に大変化する人もいますが、それ以上にたくさんの人々が大してなにも変わらずに、同じように生活を続け、やがてそのニュースのことは忘れられてしまいます。
「社会が大きく変わった」と多くの人々が騒いでいても、個人の日常は、それほど変化はしていないというシチュエーションはめずらしくありません。
「遠い世界の大ニュース」に、私達の多くは、慣れています。
ですが、この時期の蟹座の世界では「遠い世界の大ニュース」であるはずの出来事がどうも、完全に「遠い世界」では、ないようなのです。
日常生活のスケールからはずっと遠くに感じられる出来事がこの時期、「一対一で関わる他者」を媒介としてぐっと自分に結びつき、そこから、個人としての未来のビジョンを描いていかなければならないようなのです。
この「ビジョン」は、あなたの手に馴染む、地に足の着いたスケールで描かれます。
でも、このビジョンを実現するための動力はやはり「遠い世界の大ニュース」につながった細く長いパイプから吸い上げられているのです。
時代が変わる時、人は「自分はどうしよう?」と考えます。
自然に自分の身の振り方が決まっていく人もいますが、必死に情報をえて、もがきながら自分の道を開拓する人もいます。
「時代が変わる」という大きな概念の前で、個人はあまりにも小さく、そこで自分にできることなど、時代の動きなどとはおよそ無関係なように思えます。
時代の方から自分の状況を左右されることはあっても、自分が時代に対して働きかけられることがあるなんて、思えません。
過去数年間にわたり、世界は大きく変化してきました。歴史の転換点、といえるような出来事が世界中で立て続けに起こったように思えます。そして今も、その変化は続いています。
そんな中で、蟹座の人がこの下半期に取り組むのは「未来のプラン」です。この「未来のプラン」は、あなたという個人の人生設計であり、同時に、あなたがこの時代の変化と渡り合っていくための青写真でもあります。
この「未来のプラン」が時代の変化と関わりを持つのは、あなたの意識が社会に向けられるから、ではないような気がします。
そうではなく、あなたに対して強い影響力をもつ誰かがあなたをそっちに引っ張っていくのです。あなたの人生における、強烈な存在である「その人」が、あなたと時代の大きな変化を、不思議な力で結びつけているのです。
「その人」は、あなたのパートナーなのかもしれませんし、仕事や何らかの活動を通して知り合う人かもしれませんし、恋人や友人、その他、どんな繋がりの相手でも、おかしくありません。その人はあなたの一対一で結びついている誰かであり、あなたはその人と、目に見えない繋がりで結びついているようです。
あるいは、それは一人の人ではなく、幾人かの人であったり、いずれにせよ、あなたにしっかり結ばれたその存在が「血管」のような役割を果たし、新しい時代があなたの未来に、血液のように流れ込んでくるのです。
時期的なことを少し申しますと、
6月は、すこしホッとするような気分かもしれません。年明けからかなり緊張感の強い状態で進んできており、それらが一段落する時期となっています。これまでは目の前の課題に対するプレッシャーで、未来のことなど視野に入れる余裕がなかったかもしれませんが、この6月以降、もう少し長い目で物事を見渡せるようになります。
7月は何か大切なことがスタートする気配があります。重要なターニングポイントが置かれています。
8月から9月中旬までは、非常に忙しい季節となっています。スピードが遅く、なんとなくもどかしい部分もあるかもしれませんが自分から手をあげて、率先してプロジェクトを進めるような、そんな熱い時期となっています。
9月中旬から11月上旬までは、夏に始めたことを軌道に乗せていく時期となっています。経済的な動きも大きく、しっかり投資したり、流路を確保したりする時期です。
11月中旬以降は、向学心が強くなりそうです。旅行や出張の機会も増えますし、知的にも物理的にも、機動力が増していきます。この時期に学ぶことは、あなたの未来のビジョンのスケールを底上げしてくれるでしょう。コミュニケーションもとても活発になっていきます。
愛情関係については、なにか強力な「磁力」のようなものを感じるかもしれません。恋愛に限らず、人間関係があなたを引っ張る力がとても強くなっている時期なのです。
ことによると、失ったと思った関係が蘇ったり、冷めてしまった情熱が再燃したりと、人間的絆の底力を実感させられるような出来事も起こりそうです。
特に6月から7月頭に、そのような出来事の気配が濃厚です。
恋愛に追い風が吹くのは、7月、10月、そして12月です。
いずれにせよ、「恋愛」という言葉の持っている、コマーシャルなピンク色のキラキラしたイメージはこの時期は、当てはまらないかもしれません。深い臙脂色や紺色など、「情」という言葉の持つ奥行きに重なる色がこの時期の愛情関係にふさわしいような気がします。簡単には失われない、命と命の結びつきのような感触をこの時期、誰かとのやりとりの中に実感する人が多いだろうという気がします。
「時代」「社会」に関わる、などと言うと、大上段に振りかぶった理想や正義を想像しがちです。
あなたは個人としての実感を大事にする人で、机上の空論を好みません。ですから、「新しい時代」などという言葉はなんとなく空疎に思えるかもしれません。
でも、この時期のあなたは非常に具体的な、誰かとの生身の関わりの中に時代が自分に寄せている生々しいニーズを感じます。このニーズの感触は、あくまで個人的で、あなたの心の芯を強く揺さぶります。
この時期の星の形は、まず、あなたの手が誰かの手としっかり結ばれていて、その手を通して流れ込んでくる時代の力を画材として、ここからの人生設計を大きく描けるということを示唆しています。
ちょっとちびた、使い慣れたクレヨンで描く未来の計画が、意外にも予期したよりずっとスケールの大きなものとなり、それを、たくさんの人とシェアしていくことになるのだろうと思います。