2012年獅子座の下半期の占い

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5つになるお子さんを育てている女性から、こんな話を聞きました。
「子供にそろそろ『お手伝い』を頼みはじめています。
今はまだ、遊び感覚で楽しそうにやってくれるんですがそのうち嫌がって『なんでやらなければならないの?』と聞かれたらどう応えればいいかなって、ちょっと悩んでいるんです」。
これは、なかなか難しい問題です。
「家事を何もできないと、あなたが大人になってから困るからだよ」「家族の一員ならば、家事を手伝うのは当然だよ」など、言い方は色々あると思うのですが、完全に客観的・論理的に「正しい、受け入れざるを得ない」という答えはどうも、私には、思いつけませんでした。

家族は、ビジネスで結びついているわけではありません。
愛情や親愛の情という、よくわからない絆と、「血」というもの、あるいは習慣や様々な「事情」によって何となく集まっている集団、と言えなくもありません。
企業への就職などと違って、子供は産まれる家を選べません。
結婚は、ある程度相手を選ぶことができますが、親も、産まれてくる子供を選ぶことは、ほぼ、できません。
そうした集まりの中で「食べさせてもらってるんだから手伝いなさい」という取引のような言い方を提示されたとしても、それは一見正しいようでいて、心の奥底では、なんとなく納得しきれない部分が残ります。

「家族」もそうですが、仲間の集まりや会社などの組織、地域コミュニティや「国」のレベルに至るまで、私たちは最初から「人々の集まり」に放り込まれていて、年齢に従って相応の責任や義務を背負うことになります。
そこには、ほとんど抵抗できないような「お手伝いしなさい!」という指令もあれば「料理は奥さんがするもの」「男は稼ぐもの」というような、社会的な慣習による圧力もあります。
こうした役割分担には、ほとんど客観的合理性はありませんし、法的な根拠もありません。
ですから、そうした役割を拒否する、という自由の道を選ぶことも可能です。
でも、人間は「集団に属していたい」という根強い願いを心の中深くに、隠しているものではないかと思います。
どんなに独立独歩の精神の持ち主でも人との関わりの中に自分を置き、そこに役割を得ていたいという願いを、無意識に抱えているものだと思います。

2012年下半期の獅子座は、そんな「人の集まりの中にいること」と「人の集まりの中に、自分の役割を引き受けること」というテーマに、踏み込んでいくことになると思います。
人に縛られたりせずに、自由に羽ばたいていきたいという気持ちと、人々の集まりの中に、自分の生活をどこかで、結びつけておきたいという深い望みとのあいだであるべき形を模索していくことになるのです。
この下半期以降、身近な人々の集まりの中において、あなたの存在感や責任は、重みを増していきます。
一家の大黒柱のような立場に立ったり、周囲の人から大人として扱われるようになったり、地域や自分が属する集団において、重要な役割を任されることになったりするかもしれません。
子供ができたり、親の老いを感じたり、自分の力が大きくなったことを実感する人も多いでしょう。
そうしたものとの結びつきに焦がれつつ、自分の生き方をあくまでも自由に花開かせたい、と思うことはどちらも、あなたに取って必要なことだと思うのです。
両者の板挟みになったり、両方から自分を責めたりしないで済む、自由で豊かな「自分だけの道」を、この時期以降、自分の手で作り上げていくことになるはずです。

時期的なことをすこし申しますと、まず、6月は経済的な状況を一気に片付けていく時期です。
今までとっちらかっていた人は、ここで収入の途や所有のかたちをきちんと整理できます。
7月から8月は、外出や旅行など、移動が多くなります。
コミュニケーションも賑やかになり、学習意欲も上がります。
この時期、未来を見据えて資格を取得するなど、短期的に集中して何かを身につける人もいると思います。
9月から10月は、環境や身近な人々、家族などに意識が向かう時期となっています。
引っ越しやリフォームなど、物理的な環境を変える人もいるでしょうし、今までなんとなく後回しにしていた問題点を解決すべく、一気に行動に出る人もいると思います。
生活の仕方を見直したり、家族との関わり方を変えたりする時期ですし、自分の「ルーツ」を意識させられる時期でもあると思います。10月はやりたいことも増えてくるときで、責任と意欲の間で悩まされることもあるかもしれませんがこの「悩み」の中から、今までの自分の思い込みを解消したり、抱え込みすぎていたものを整理したり、回りの人とよく話し合って、状況を変えたりするきっかけが得られます。
11月から12月は、とても忙しくなっていきます。
この時期、転職や役割の変更を考える人もいるかもしれません。
人との関わりの中にある自分の生活を、徐々に、変えていくことができるでしょう。

愛情関係については、「軌道に乗せていく」時期に入っていきます。
過去数年のあいだで得た関わりを育て、大地にしっかり根を張らせていくようなタイミングです。
フリーの人は、9月から10月くらいに、出会いや恋愛の進展が期待できます。
この時期に生まれた愛もまた、長い時間をともに過ごす、ということを視野に入れてしっかりじっくり、育てていくことになると思います。
恋愛が始まる時は、相手の「未知の部分」が魅力的ですが関わりが深まるにつれて「知ってしまった部分」とのつきあい方に焦点が移ります。
このことを「愛が消えた」というふうに感じてしまう人も世の中には、少なくないのですが、愛は相手を知ったところから始まるものです。
この時期は、未知の部分を既知の部分に変えたときにどう「根付かせていくか」ということを、考えて行く人が多いだろうと思うのです。
前述の9月から10月は、カップルにとっても素敵な季節ですし、12月半ば以降にも、追い風が吹きます。

人と人との結びつきには、論理的にきちんと切り分けられる部分と、そうでない部分とが混在しています。
きちんと切り分けなければ、理不尽に飲み込まれてしまいますし、徹底的に切り分けてしまったら、結びつきが失われ、孤独の中に閉じこもることになってしまいます。
これは、「両者のバランスをうまくとる」というようなことではちょっと、解決できないような気もするのです。
人が「必要とするもの」は、決して、みんな同じではありません。
生きるためのニーズには、千差万別十人十色の個性が刻み込まれています。
自分にとってどうしても必要なものを確保し、かつ、切ってはいけないものを、断ち切らないこと。
そんな理想的な状態を、この時期の獅子座は目指していくことになるのだろうと思います。