2013年獅子座の下半期の占い

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「経済」と「救済」には、どちらも「済」という文字が入っています。
「決済」や「共済」といった言葉にも「済」が入っています。
この「済」という文字は、
「川を渡る」という意味を持っているそうです。
さらに言えば、この「川」は、人生の困難に擬えられ、
「済」という文字自体の中に
「困難や貧しさを渡り過ごさせて、人を救う」
という意味が含まれているのだそうです。
昔は、川に「渡し守」がいて、
川を「渡してもらう」ことが一般的でした。
有名な「大井川の渡し」や、歌にもある「矢切の渡し」など、
橋の多くない時代の「旅」では、大きな川を渡してもらうことは
境界線を越えるような意味を持っていたのでしょう。
ゆえに困難な場所を、人が他者を助けて「渡り越えさせる」イメージが、
人々の生活に深く根付いていたのだろうと思います。

人生は「旅」に喩えられますが、人生という旅の中でも、何度か、
そんな大きな川を渡ったり、渡したりする場面があると思います。
重要な局面で、自分が誰かを助けたり、
誰かに助けてもらったり、ということが否応なく発生しています。
もしかしたらそこには、「済」という漢字の持つもう一つの意味、
即ち、負債の「決済」という意味も込められているのかもしれません。
というのも、人生を旅に擬えたとき、
旅の始まりは「誕生」で、終わりは「死」です。
誕生や死は、私たちはそれを計画・管理することができません。
自分の人生で最も重要な出来事である誕生と死は、
どちらも、自分以外の人間である「他者」の手に
完全にゆだねられているのです。
これは「川を渡してもらう」ことに似ています。
ゆえに、私たちは生まれつき、他者に対して目に見えない負債を負っており、
随所で出会った人々を「川を渡してあげる」ことで
負債を決済している、というふうに考えることもできるかもしれません。

2013年後半から向こう一年の獅子座の世界では、
この「自分の人生を、全体を通して捉える」ということと
「川を渡してもらう・渡してあげる」ということが
二つながら、大きなテーマとなっているように思います。
私たちが持っている「時間」を計る物差しは
電車を待つ三分を「長い」と感じる物差しから、
星のなりたちを何億年も遡ろうとする物差しまで、実に伸縮自在です。
2013年後半から2014年前半にかけて、
人生を計る「時間の物差し」があなたの中で、最大限にまで拡張します。
そして、その物差しで計ったことを基準にして、
この2013年の夏から一年ほどをかけて、
誰かの人生に大きな影響を及ぼして「救い」出し、
あなた自身もまた、内なる何事かを「救われる」ことになると思うのです。
このことは、あなたの人生という旅の中で、
非常に大事な「渡河」となると思います。
すなわち、この川を渡った先に、
目指すべき新しい世界が広がっている、ということです。
その世界に入る前に、一つの川を渡らなければならないのですが、
それはたとえば、誰かが困難を渡り越えるのを
手助けすることなのかもしれません。
あるいは、誰かの手を借りて、自分自身が救われることなのかもしれません。
いずれにせよ、そこでは、
「人が一人では渡れない川を、誰かの手を借りて渡る」
というプロセスが発生し、それを成し遂げることになるはずです。

時期的なことを少し申しますと、
まず7月は、過去と現在の間に、神秘的な「橋」がかかりそうです。
過去にやり残したことをもう一度やることになったり、
ずっと気がかりだった問題を解消するために動き出したり、
あるいは、誰か身近な人のピンチを救うために
行動を起こしたりするのかもしれません。
この7月から8月に起こる出来事は、
前述の「川を渡る・渡す」というテーマを
ダイレクトに象徴しているはずです。
8月になると、爽やかな忙しさが出てきます。
また、経済的に嬉しい出来事も起こりそうです。
向学心を刺激されるような場面があったり、
楽しく学べる環境を得る人もいるでしょう。
遠い場所と関係のある、少々複雑なタスクを請け負う人もいそうですが、
そこにはかなり大きな「財宝」が隠されている気配があります。
9月から10月は、変革と勝負のタイミングです。
情熱を刺激されるようなことが起こったり、
あるいは、自分から変化を求めて動き出したりすることになるでしょう。
生活ががらりと変わるような、
かなりスケールの大きい決断を下す人も少なくないはずです。
身近な人や家族との関係が変わったり、
自分を取り巻く人々に対して、
大きな責任を負うことになったりするかもしれません。
今まで意識せずにきた「地元」と
太い結びつきが生まれる可能性もあります。
10月半ばから11月にかけて、ちょっとモタモタしつつも、
物理的な整理や調整に追われそうです。
特に、経済的にガツンとした動きがありそうです。
新たな収入の途を開拓したり、大きな買い物をしたり、
自分以外の人の未来のために投資をしたりすることになるかもしれません。
家族のために資金の調整をする人もいそうです。
モタつく感じは、11月半ばには収まります。
12月はフットワークが良くなっていきます。
ここから翌年にかけて、出張や旅行など「よく動く」時期となるでしょう。
年末は家族や身近な人々との結びつきが強まり、
自分がその人たちに対して「背負うべきこと」を
まっすぐに見つめることになりそうです。

愛情関係についても、非常に長期的な目で見つめることになりそうです。
恋愛をするとつい、相手のいいところを多く見積もり、
悪いところや欠点からは目を背けたくなるものですが、
この時期はそうした落とし穴に陥ることなく、
「ずっと一緒にいることができるかどうか」とか
「お互いのピンチを助け合う」など、
非常にシビアな前提を置いて、愛を見つめることができるでしょう。
この時期、結婚を決意する人もいると思いますが、
それは、「恋愛の最高潮・ゴール」という意味ではなく、
自分が人生において「背負っていけるもの」という、
冷静で重大な、長い時間を意識した結論であろうと思われます。
自分が相手を救い出したり、
あるいは、相手に自分を救ってもらったりする場面もあるかもしれません。
それは、不安や寂しさを埋めるような、
欠乏感を充たすという意味合いのことではなく、
もっと深い、あなたの個人史やアイデンティティに関わるようなことについて、
「救われる」のだろうと思います。
恋愛に強い追い風が吹くのは7月と10月です。

生まれ育った土地の人間関係に苦しめられ、息詰まって、
都会の雑踏の中で初めて心からの安らぎを感じる人もいれば、
都会に憧れて住んでみたけれども溶け込めず、
むしろ故郷の価値に気づいて、改めて地元に戻る人もいます。
人それぞれ、「何によって救われるか」は、違っています。
真に相手を救うものは何か。
真に自分を救ってくれるものは何か。
それは「目に見えない、大切なこと」の最たるものですが、
2013年下半期からの獅子座の人々は
それを発見することになるのではないかと思います。