2012年乙女座の下半期の占い

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「もっと欲を出せ」、という励ましの言葉がかけられているシーンを、時折、見かけます。
「欲」は、基本的には「悪いもの」とされているようで、逆に「無欲」な人は善人だと考えられています。
「欲」があるからこそ、「他者から奪う」行為が発生するわけで、「欲」さえなければ、人の権利や財を犯すことがない上、他人に自分のものを分け与えることもできます。
だから、「欲のない人は、善人」とされるのでしょう。

ただ、世の中には「悪」とされていない戦いもあります。
試験やスポーツ、ビジネスにおける競争など、それに勝つことが賞賛される場面も多々、あります。
こうした場面で「無欲」であることは、「無気力・無関心」「やる気のなさ」ということになり、決して美徳だとは評価されません。

とはいえ、一般には「貪欲でなければならない場」でも、欲を出さない人というのはいます。
あるいは、「このくらいでいいや」というふうに、ある程度の欲を充たしたところで、諦める人も多いようです。
こういう人は、無気力というよりはむしろ、「無欲が善である」という倫理観に従っているようなところもあります。
できる限り上を目指そう!という人を横目に見つつ、「多くを望みすぎることは貪欲でしかなく、つまり『悪』であり、あとでその報いをうけることになるのではないか」と思ってしまうのです。
これは、自分の中に潜む、モンスターのような「欲」の力が、無防備に外に出て行くことを、密かに怖れる態度なのかもしれません。

「欲」は誰の中にもあります。
それを制御しなければ、他者を傷つけたり、なにかへの依存に陥ったり、自分の生活が危うくなったり、人間関係が壊れたりする可能性があります。
「欲」が暴れ出すと、自分を傷つける事になる、と、人は無意識に悟っているのだと思います。
だからこそ、この「欲」を、ルールや理性で押さえ込もうとします。
「無欲は、善である」という道徳は、「欲」が暴れ出すことを抑制するために生まれたのかもしれません。

ただ、この「抑制」が強すぎてしまうと、そのこと自体が自分の命を開花させる上での「カベ」となることもあります。
この内なるカベは、「そんなものを求めるのは、いけないことなのではないだろうか」というメッセージを発して、ときどき、人を小さな世界に押し込めてしまうことがあります。
この「カベ」は、自ら創り出す人もいれば、親や周囲の人々から相続してしまう人もいるようです。
「あなたにはそんなことは無理よ」「高望みすると失敗しますよ」などと脅され、それらの言葉によって、越えがたい壁を心の中に宿してしまうのです。

2012年下半期から2013年上半期にかけて、乙女座の人はそんな心の中の「カベ」を、取り壊す作業を続けることになります。
「自分にはそんなことは無理だ」とか、「これ以上を望むのはワガママというものだ」など、自分で自分を押しとどめる力を、乗り越えるのです。
なぜなら、この時期、あなたの力と内なる欲求にふさわしい、大きなチャンスが巡ってくるからです。
このチャンスを目の前にしたとき、たとえば、今までの「第一志望」が、「第一志望」ではなくなります。
「自分にはこのくらいの目標がふさわしいだろう」という見積もりが、これまで低すぎたことに気づくのです。

時期的なことを少し申しますと、まず、7月頭までは、非常にアクティブな状態が続いています。
2011年の秋頃より取り組んでいるテーマについて、ここで、一気に仕上げていくことになるからです。
このテーマは、おそらく、あなたが自ら起ち上げたり引き受けたりしたものであり、自分が先頭に立って進めてきたものだと思います。
今年の1月から4月頃まで小休止モードだったかもしれませんが、5月くらいからスピードが上がってきていて、それが7月頭までに「ゴール」となるイメージです。
そんな勢いの良い動きと同時に、前述したような「大きなチャンス」が巡ってくる気配があります。
とはいえ、この「チャンス」は、6月以降1年ほどの間にどこかでやってくることになっているので、この時期になにもないからと焦る必要はありません。
7月から8月は経済的な変動の大きい時期です。
特に、2010年頃から経済面で閉塞感があった人は、この7月から9月のあいだに大きめのアクションを起こし、一気に突破口を切りひらける可能性が高いと思います。
10月から11月半ばは、居場所や環境、身近な人との関係について、熱い展開となりそうです。
引っ越しや模様替え、身近な人が人生の転機を迎えるなど、あなたを取り巻くものの様子が少なからず変化しそうです。
11月半ばから12月は、「やりたいことを徹底的にやる」季節です。
身の内に湧いてくる創造性や好奇心に従って、叶う限りワガママに動いてみることで、道が拓けます。
年末は居場所にあたたかな雰囲気が満ちてきます。
慌ただしさの中にも、大切な人と穏やかに過ごせる年の瀬となりそうです。
とはいえ、年末から年明けにかけて、転職や異動、役割の変更など、日常ルーティンをガツンと変えるべく、体勢を整える人も少なくないでしょう。

愛情関係についても、前述の「欲」ということが、非常に大きな意味をもつだろうと思います。
恋愛や結婚、子育てに関して、乙女座の人は「現実」をとても重んじます。
でも、同時に、「愛したい、愛されたい」という思いも心の奥に強く抱えていて、それをうまく表現できずに悩んでしまうことが少なくないようです。
この時期は、「欲」を認めて前に出してみることで、迷子の状態から抜け出せる場面もあると思います。
乙女座の人の心の中に潜む、完全に純粋でとことん激しい情熱は、ふだんなかなか表に現れませんが、ある瞬間に突然、前触れもなく噴出して、周囲のみならず、自分自身をも驚かせます。
ですがこの時期は、そんな突発的な激しいやり方ではなく、もっと日常的で段階的なやり方で、内なる情熱を「解放」し、人の手に手渡すことができるんじゃないかと思います。
愛に追い風が吹くのは、10月と11月半ばから12月です。

乙女座の人は、非常に慎重で現実的です。
その慎重さや現実感覚が、時に、自分自身への過小評価に繋がることがあります。
この下半期以降に起こる出来事は、そんな過小評価を打ち砕き、もっと広い世界へとあなたを誘っているのだと思います。
自分への過小評価は、努力を回避する気持ちから生まれることもあります。
確かにこの秋以降、あなたはハードな勉強を始めることになるので、そのことは少々、荷厄介に感じられるかもしれませんが、それは決して「無理な努力」ではないと思います。
乙女座は慎重で現実的で、そして、タフに努力することを引き受けて楽しめる星座でもあるのです。