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「科学の世界における公用語は英語ではない。
『へたな英語』です。」
ある学者が研究者同士の討論を促そうと発した、とされるこの言葉は、
多くの人の心を打ちました。
「英語が流暢だ」とか「英語がへただ」とかいう価値観は、
あくまで、英語を母国語とする集団にだけ通用する価値観です。
研究者たちの集まり、という集団においては
言葉の使い方がうまいとかへただとかいう価値観は
存在しない、と言っていいかもしれません。
全ての価値観は、ある閉じた集団の中においてのみ、通用します。
集団の中でどんなに価値のあるものでも
いったん外側に出てしまえば、無価値になってしまうのです。
2013年後半、乙女座の人は「安全な港」に入港します。
この「安全な港」は、いわば「中立地帯」のようなものです。
どの国の支配下にもない、全ての船のためにひらかれている、特別な港です。
そこにはおそらく、慣習に基づいた公用語がありますが
それがうまいとかへただとかいう価値観は、存在しないはずです。
お互いに価値観も世界観も違う者同士が、
必要に応じて意思疎通を図るための、純然たる手段として
言葉が用いられているからです。
2013年後半から乙女座の人々が学ぶのは、
たとえば、そうした言葉なのかもしれません。
子供に話すとき、大人に話すような言葉遣いでは、なかなか通じません。
目上の人に話すとき、いわゆる「タメ口」では
真剣に取り合ってもらえないだろうと思います。
もし、相手にどうしても「話を聞いて欲しい」と思ったなら
相手が受け取れる言葉で話すしかありません。
世代や業界、学校やクラスなど、
自分が日ごろ所属している集団の言葉を使うことをやめて、
目の前にいる人の用いる言葉を使おうとするとき、
その人は「集団から解き放たれた」状態になっています。
つまり、「自由になっている」状態、と言えるかもしれません。
2013年の前半まで、乙女座の人は「自分の所属している世界」に
真剣に意を用いてきたと思うのです。
社会的に自分が置かれている立場を意識し、
その立場に対して寄せられる期待に、
応えようとしてきたのではないでしょうか。
そして、2013年6月までに、何らかの形で結果を出し、
自らの社会的立場を強化したり、
その意味を新たにすることに成功してきたはずです。
あるいは、自ら出した結果によって、
新しい社会的地位を得た人もたくさんいるでしょう。
2013年の後半は、そんな「立場・地位」といった「所属」の感覚から
ぱっと解放され、自由を得ることになります。
この「自由」は、前述のような自由です。
たとえば、中立地帯にある「安全な港」のような自由。
たとえば、自分の所属する世界の言葉以外の言葉で人と関わる自由。
そうした自由を、手に入れることになるわけです。
時期的なことを少し申しますと、
まず7月、中旬まではもたつく感じがあるかもしれません。
嬉しいことの「予感」はするのですが、
なかなかそれが現実と結びつかない時期です。
でも、月の下旬になると、状況は一気に好転しそうです。
スピード感が出てきて、それまでの遅れを取り戻せますし、
何よりも、とても楽しくなってくるでしょう。
一方、7月前半から中旬にかけては、
「旧交を温める」流れが強くなっています。
同窓会があったり、昔の仲間と偶然再会するなど、
「久しぶり!」と言い合う場面が増えますし、
それだけでなく、ここで蘇った関係から、
新たに未来に育っていく芽がでる可能性もあります。
8月は素晴らしい時期です。
たくさんの力があなたの中に流れ込んできます。
これまでなぜか自分に禁じていたことを
ここから「許可」できるようになるかもしれません。
9月から10月は、フットワークが軽い時期です。
さらに、ずっと胸に引っかかっていたことについて、
その問題を解消すべく動き出すことができるタイミングです。
誰かとのあいだに生じた誤解を解いたり、
コンプレックスと真正面から向き合ったりと、
解決をあきらめていたような問題が氷解します。
10月半ばから11月にかけては、非常に情熱的な「勝負」の時期です。
迷いながらも新しい選択を重ねていった末に、
状況を一変させることができます。
特に、今までの自分の望みを過剰に抑えてきた人は
ここで、「自分」を解放する方向に踏み出すことになるかもしれません。
10月からの「熱い」流れが、12月に一段落します。
すうっと落ち着いた気持ちの中で、
今度は経済的な面に意識が向かいます。
新しい収入の途を切りひらく動きが始まりますが、
これは、2014年初夏まで続く長丁場です。
愛情関係については、
聞き取り、理解し、受け止め、感じ取る、という
受動的な動きが強化されています。
時には、受け止めるための積極的アクションを起こす、
という場面もあるかもしれません。
大切な人を深く理解しようとすればするほど、
自分の自分に対する理解が深まり、
さらに、相手もあなたを深く理解するようになるでしょう。
7月と12月は、そんな「理解しようとする動き」から生じる、
少々神秘的な愛のドラマが展開するかもしれません。
そこで、貴重な絆を手に入れる人も多いでしょう。
また、11月から2014年3月上旬までの期間は、
乙女座に、特別強い愛の追い風が吹く季節となっています。
この時期、乙女座の人が手に入れる「自由」を
もうひとつ、別の名前で呼ぶこともできると思います。
それは「幸運」です。
「幸運」というと、
「何もしなくても欲しいものが与えられる」
という状態を想像する人も少なくありません。
でも、この時期の乙女座の世界における「幸運」は、
そういうものとは少し、違っています。
たとえば、昨今よく耳にするこんなフレーズがあります。
「努力は必ず報われる、と言う人がいるが、
それは嘘だ。報われない努力もある」。
もしそうだとするなら、
2013年後半から乙女座に巡ってくる「幸運」とは、
「努力が報われる」という「幸運」と言っていいと思います。
あるいは、これまで投下してきた努力に対する
「報酬」と言うこともできます。
種を蒔き、懸命に育ててきた末に、
ざくざく収穫できる、そんな「幸運」です。
「それはあたりまえじゃないか」と言う人もいそうですが、
種を蒔いて懸命に育てても、
嵐で一瞬のうちにダメになってしまうようなことも、
人生の中では、しばしば起こります。
それでも希望を捨てずに積み重ねて来た努力が、
この2013年後半から一年ほどの中で
見事に「実る」ことになるのだろうと思うのです。