アーカイブ記事
「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」という言葉があります。
ですが、この言葉が当てはまらないケースも、世の中にはたくさんあります。
誰もが知っている大きな会社が突然つぶれてしまったり、
大きな権力を持った人物が突然倒れて多くの人が右往左往し、立場が一変してしまったり、
といった出来事は枚挙に暇がありません。
そうした「破綻」ではなく、たとえば学校を卒業したり、仕事で独り立ちしたりする時、
私たちは「何を信じればいいのだろう」と不安になります。
それまで自分を守ってくれていたものからの離脱は、誰の人生にも何度かは、訪れるものです。
2019年下半期、乙女座の人々は「何を信じればいいのか、どこによって立つべきか」という問いを抱えるようです。
これは「何を信じられるというのか、何も信じられない!」といった反語表現ではありません。
文字通り「何か信じられるものがあるとして、それはなんなのか?」という、ストレートな疑問です。
すでにその疑問に答えを見出しつつある人もいるでしょうし、
この下半期のプロセスを通して答えを見つけ出す人もいるでしょう。
いずれにせよ、それは「大樹」や「長いもの」ではなく、むしろ「小さなもの」なのではないかと思います。
たとえば、大都会での成功を目指して旅立つ時、故郷は小さな田舎と感じられます。
海外に飛び立とうとする時、慣れ親しんだ母国の文化は、あまり価値のないものに思えることもあります。
大きなプロジェクトに挑戦しようとするとき、自分の過去の実績が取るに足りないもののように思われます。
ですが、実はそこで背を向けてきた「小さな、取るに足りないもの」が、
もっと先まで進むと、かけがえのない強い輝きを放ち始めます。
挑戦のプロセスを先に進めば進むほど、「拠って立つところ」は、あの小さな世界にあったのです。
2019年下半期、乙女座の人々の多くが、広く自由な世界に視野を広げるほどに、
自分の生きる「小さな世界」の意義を深く実感することになるでしょう。
たとえば、その責任感の強さから、どんなことでも「自分の努力が足りないのだ」と思いがちだった状況から、
「これは、自分のせいではない」と明確に切り離せるものが出てくるかもしれません。
そのことによって生活や人間関係に広がりや余裕が生まれ、喜びが増えていくはずです。
自分自身の感受性で捉えているものが「世の中」と直結していることを実感し、
そこからアクションを起こす人も少なくないだろうと思います。
2019年は乙女座にとって「自分の世界を創る・住処を築く」年です。
これはけっして「自分の世界に閉じこもる」「なんでも自分で引き受ける」ということではありません。
むしろ、より開かれた世界として「自分の世界」を再構築することこそが、2019年のテーマと言えます。
自分の世界がゆたかになればなるほど、人間関係にも新しい光が射し込みます。
さらに、外に出かけていけば行くほど、「家に持って帰りたいもの」が見つかるはずです。
・時期について
7月から8月は「過去」と向き合う場面が多いかもしれません。かつてやり残したことに再挑戦したり、懐かしい人に再会したりと、時間を逆戻りして忘れ物を取り戻すようなことができる時間となっています。
また、隠れた問題と向き合い、根本的に対処できる時期でもあります。慢性的な悩みに苦しんでいる人も、この8月までにその悩みが「底を打つ」のを感じるでしょう。
8月半ばから10月頭は「勝負」の時間帯です。新しいことにガンガンチャレンジする人もいれば、自分自身と闘って勝利を収める人もいるでしょう。これまで怖かったことが、何らかのキッカケを得て怖くなくなるかもしれません。疑心暗鬼を吹き飛ばし、新しい表情を身につけられるような時間となっています。
9月半ばから11月頭にかけて、経済活動が大きく動きそうです。収入の形が変わったり、より多くを手に入れるために新しいアクションを起こす人もいるでしょう。大きな買い物に挑戦する人もいるはずです。
10月から年末にかけて、懐かしい場所を再訪することになりそうです。あるいは、遠くから誰かが訪ねて来てくれるのかもしれません。
2018年の終わり頃から引越の準備をしてきて、この11月から年末で引越を実行する、といった展開になる人もいるでしょう。この引越は「懐かしい場所に帰る」という意味をもつことになるのかもしれません。
11月から12月は勉強に力がこもる時期でもあります。特に、過去に学んだことを再び「学びなおす・復習する」ような時間となるかもしれません。誰かに教えることで自分自身の知識を鍛え直すこともできそうです。
12月から2020年のテーマとなる「愛」が幕を開けます。2017年の終わり頃から愛に向き合ってきた人も少なくないはずですが、過去の、どちらかと言えば抑制的で、ストイックな努力が、ここからは大きく花開くように、逆の方向へとシフトします。ここからの愛の努力はゆるやかで、のびのびとして、おおらかで、豊かなものとなるでしょう。
・愛について
好きなものに思いきり情熱を注いだり、愛するものに愛を伝えたりすることで、世の中のたくさんの幸福が生まれます。でも、そうした行為の前でどれだけ多くの人がためらい、自分を抑え、踏み止まっていることでしょうか。好きなものを好きと言い、愛するものに愛を伝えることは、非常に勇気の要ることなのです。
私たちの人生の中では「勇気が要ること」がたくさんあります。生まれながらに勇敢な人もいますが、たいていの人は「勇気を振り絞る」ことや「勇気を育てる」ことを学びながら生きていくものではないかと思います。何かを好きになったり愛したりするには、おそらく、人間的な強さが必要なのです。
2017年の終わり頃から、乙女座の人々は思いきり何かを好きになったり愛したりするための人間的な力を育て続けてきました。そのプロセスはまさに「コツコツ努力する」という表現がぴったりで、いつになったらそうした力を使えるようになるのか、心許ない日々も長かったかもしれません。
でも、この2019年の下半期、あなたはそろそろこれまでに培った力を使える状態になっているようです。
今のところ愛する対象がないという人も、この下半期に愛の対象に出会えるかもしれません。あるいは、ここから2020年の中で、誰かに出会うことになるのかもしれません。
少々フライングになりますが、2020年は「愛の開花」の年です。過去数年にわたってあなたが懸命に育ててきた愛の苗が、ようやく大きく伸びて、花や実をつけるのが2020年なのです。その時間への入り口が、ちょうどこの2019年下半期に置かれています。
すでにパートナーがいる人も、片思い中の人も、あるいは、複雑な愛の中に身を置いている人も、2019年下半期はいくつかの「愛の契機」を経験し、物語の新しい展開のキッカケを掴めるでしょう。そして年末に「愛の世界」に足を踏み入れて、2020年に素晴らしい愛のドラマを生きることになるはずです。
この「愛の契機」は、チャンスであり、何らかの糸口であり、あるいは予感とか、兆しのようなものかもしれません。いつもとは少し違うことが起こっている、ということに気づいたとき、胸が高鳴るはずです。もっともビビッドなタイミングが7月、そして11月から12月です。
・住処、家族、人間関係について
2019年の「自分の世界を創る・住処を築く」というテーマはそのまま、家族や住処に当てはまります。2018年の終わり頃からいつもとは違う場所に居を移したり、新しい住処への移住を計画してきたりした人が少なくないはずです。家族が増えたり、地域コミュニティに関する活動に積極的に参加したりと、なんらかのかたちで「住処・家族」へのコミットが深く強くなりつつあるはずです。
この「住処」に深くコミットしていくプロセスは、2019年12月頭に一段落します。居場所を築き、世界を創って、そこで身近な人々と幸せに暮らす、という作業がこの下半期、一気に加速していくでしょう。特に8月から10月頭は「奮闘」の雰囲気があります。自分から積極的に動いて、美しい生活の風景を作れる時です。
人間関係についても、「身内」という考え方がポイントとなりそうです。「他人」として距離を置いていた相手と、家族ぐるみでつきあうようになるかもしれません。あるいは、「身内」の定義が大きく広がり、よりたくさんの人があなたの生活に参加するようになるのかもしれません。「内側」と「外側」の境界線が曖昧になり、その分、他者との交流が活発で「近い」ものとなるようです。
・仕事、勉強について
いつもよりも「仕事」を大きな枠組みで捉えられる時期です。たとえば「業務を割り振られ、タスクに切り分けて、期日までに確実に遂行する」といった観点だけで仕事を捉えていた人が、この時期からは仕事の社会的意義や将来性、広がりの可能性、関わっている人々の様々な考え方など、もう少し大きな切り口で仕事の事を考え始める、というようなイメージの変化が起こりやすい時なのです。
たとえば「何のために仕事をするのか」という問いについて、人生や道徳、経済的な側面、人間関係など、様々な方向から語ることが可能です。今までには当てたことのない光を、「仕事」に当てることができる時なのです。
知的活動に関しては、春頃から新しい学びの世界に飛び込んだ人も少なくないはずです。日々「学ぶということはこんなにも自由なことなのか!」という驚きの中にいる人もいるでしょう。新しい勉強のプロセスはどんどん勢いを増して行きますが、2019年下半期は特に「暮らしと宇宙」といった、スケールの全く違う世界同士を結びつけるような学びが展開していくかもしれません。たとえば海外旅行をしても、単に海外の文化について学んで満足するのに留まらず、普段の自分自身の生活と比較したり、結びつけたりして、その深奥にある「人間の生活」「生きていくことの意味」などにたどり着くような思考が展開して行くのです。取り入れた知識が様々な形で「我がこと」となり、そこから新しい自由が生まれます。
勉強に特に勢いが出てくるのは11月半ばから年明けです。年末は特に、熱い議論の中で多くを学べるでしょう。
・お金について
9月半ばから10月上旬は素晴らしい追い風が吹きます。欲しいものが手に入りますし、お金の「巡り」が良くなるでしょう。
10月半ばから11月中旬は、鉱山を掘り進むような「頑張る」時期となっています。欲しいものを手に入れるために、あるいは収入を拡大するために、果敢に勝負を挑む人が多そうです。
・健康について
8月から10月頭にかけて、身体を動かしたくなる時期です。自分を鍛えたいという思い、いい汗をかきたいという思い、美しくなりたいという思いなどが、あなたをフィジカルに動かすようです。
この時期のテーマである「環境」は、健康を考える上でも軸となります。私たちは自覚する以上に環境から多くの影響を受けています。家の中を掃除し、衛生的な状態を保つことはもちろん、古い時代には常識だった「転地療養」のような考え方も、この時期のあなたには役に立つかもしれません。
同居家族や身近にいる親族からの日常的なプレッシャーやストレスに悩まされている人は、そこから離れる算段をするのにぴったりの時期です。「生活」を一つの大きな環境と捉え、自分が心身共に健康に暮らしていくための条件を整えていける時期です。