2021年天秤座の下半期の占い

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大人気の漫画『鬼滅の刃』、私も大好きなのですが、2021年下半期の天秤座の星回りを見ていて、かの作品の中のセリフが思い浮かびました。「なぜ自分が人よりも強く生まれたのか わかりますか」「弱き人を助けるためです」というセリフです。

人間は互いにとてもよく似ていますが、さまざまに違っています。自分と完全に一致する人、というのはおそらく、存在しないはずです。人と人との違いの中のいくつかは、「長所」「才能」などと呼ばれます。そんな「長所」「才能」に、目的はあるのか。その才能があることに、理由は存在するのか。それは誰にもわかりませんが、少なくとも『鬼滅の刃』の中では上記のように、才能の目的が語られていたのでした。

誰かに「あなたの才能はこれで、その才能はこういう目的のためにあるのですよ」と教えてもらえたら、どんなにいいだろう! と思います。フィクションの中ではごく普通にそうしたことが起こりますが、現実世界で「あなたの才能はこれで、この方向に活かしなさい」と断言してもらえることは、そう一般的ではありません。また、仮にそんな指導や指摘を受けたとしても、それが「正解」かどうかは、なかなかわかりません。

「音楽で食べていこう!」「マンガ家になるぞ!」などの決断は、非常に勇気が要りますし、たいていは周囲から大反対されます。周囲が心配するのは「がんばりがムダになったらどうする?」ということです。投下した時間、お金、労力、かけがえのない若さなどを、後になって取り戻そうとしても、取り戻せない、ということが大問題なのです。
「ミュージシャンになる」といった大きな夢でなくとも、たとえば「編み物を始めようとして、毛糸や道具を揃える」といった程度のことさえ、私たちは躊躇します。「道具を買っても結局、続けられなくてムダになってしまうのではないか」と考えるからです。

恋愛や子育てに至っては、もっと深刻です。恋に失敗したら深く傷つきますし、子育ては、途中で投げ出すことが少なくとも今の時代では、ほとんどできません。動物園などでは「子育てを放棄してしまう親」はしばしば見かけますが、人間はいまのところ、なかなかそれができません。

 それでも、「自分の望みや愛を生きる」「自分の才能を生きようとする」ことには、意義があります。多くの人がリスクを引き受けて、夢を追い、恋をし、子供を育てています。そのことによって、人生の価値が左右されます。もちろんこれは、他人から見た「価値」ではなく、自分自身にとっての「価値」です。
2021年下半期、天秤座の人の多くが、「自分の才能を生きる」「自分の望みを生きる」「愛を生きる」ことを選択していくでしょう。そこには、リスクへの不安や「もし、できなかったらどうしよう」という、当たり前の恐れがつきまといます。そんな不安と恐れを乗り越えていくための、強い勇気を自分の中に見いだせるでしょう。そして、勇気をふるって望みの方に足を踏み出した、という経験自体が、人生を新しい光で照らし始めるでしょう。

「安心安全」だけを追求する生き方は、それ自体がひとつのリスクです。なぜなら、人はどうしても、自分の内なる輝きのようなものを、外界に向かって生きてみたい、というエネルギーを抱いているからです。そのエネルギーが完全に押さえ込まれてしまうと、やがてそれはその人の内側で混乱し、暴走を始めるのです。
 天秤座の人々は平和と調和を愛し、考え抜かれた洗練を愛します。ですが時々、雷に打たれたように、非常に大胆な選択をすることがあります。2021年の下半期、あなたの人生を打つ雷があるとするなら、それはあなたの内なるエネルギー、才能、そして愛なのだろうと思います。

[時期について]

7月から8月中旬は、とても忙しく賑やかな時期となっています。いろいろな人と協力しながら活動し、その協力体制がそのまま、継続的な「仲間」「チーム」として育っていくかもしれません。夢をシェアし、希望を分かち合う喜びがある時です。

8月から9月前半は、隠れた問題や慢性的な悩みに、徹底的に向き合える時です。第三者からはよく見えないような部分で、自分なりに問題解決を試み、ひとつひとつ、問題を解いていけます。

また、8月後半から11月頭にかけては、「自分」と深く対峙できるでしょう。普段人の世話や周囲の都合に意識を集中しがちな人も、立ち止まって「自分は何を考えているのだろう」「自分には今、何が必要なのだろう」「自分自身の望みを叶えるには、どうしたらいいのだろう」といった問いを生活の中心に置くことができそうです。「自分」を自分の手に取り戻すような体験をする人もいるはずです。

10月末から12月前半は、経済面で非常に強い追い風が吹きます。精力的に「稼ぐ」ことができますし、欲しいものを手に入れるためのアクションを起こせます。大きな買い物に臨む人もいるかもしれません。
お金に関する悩みを抱えている人は、勇気を出して思い切った行動に出られます。「このままではいけない」という思いを持っている人ほど、この時期は現状打開のためのパワーが湧いてくるでしょう。「使える手だては全て使ってやる!」というくらいの気合いが必要です。普段、お金に関して「恥ずかしい」「ワガママかもしれない」「人に頼るのはよくない」などとして選択肢から外していることがあれば、この時期がそうした手段こそが選択肢に入ってきそうです。

11月から2022年3月頭にかけて、「居場所」がとても温かくなるときです。家族や身内の愛情に守られます。これまでそうした愛に憧れつつも「一人でいる」ことを選び続けていた人は、この時期、新しい人生の可能性を肯定できるようになるかもしれません。

[愛について]

2021年は約12年に一度巡ってくる、「愛の1年」です。
特にこの下半期は、愛が勢いよく展開してゆくでしょう。5月半ばから7月は「一時停止」していたかもしれませんが、7月末から一気に進展に転じ、10月後半から年末にかけて、トントン拍子に話が進みそうです。

愛を探している人は、きっと、愛を見つけられるでしょう。愛についての考え方が大きく変わる時期でもあり、その考え方の変化が、出会いへの入り口になるのかもしれません。

既にパートナーがいる人も、「愛情表現をする」「愛する人との時間を楽しむ」「愛を生きる」ということがメインテーマとなります。7月末から12月まで、ずっとその状態が続いていきます。

愛が天に向かって大きく育っていくだけでなく、地の底に深く根を張る時期でもあります。愛についての責任、愛の義務、愛にまつわる様々な自己抑制や自己犠牲。そうしたことも、この下半期の大事なテーマです。
刹那的な愛の喜びを後回しにしてでも、愛の「支柱」「土台」となるようなものを優先したくなるでしょう。人間としての誠実さ、真剣さ、長い時間を共有する覚悟について。あるいは、過去に体験してきた様々な苦労、愛にまつわる問題意識。愛を語り合うときでも、たとえばそうしたことが話題に上りやすいかもしれません。

愛やパートナーシップをとりまく社会的な状況や価値観は、ここ数年で非常に大きな変化を見せています。かつてなら当たり前として受け入れさせられたことも、今なら痛みや苦悩として理解される、といったこともたくさん出てきています。愛についての意識を変えていくことや、愛の関係の立場性を変えることは、簡単なことではありませんが、この時期の天秤座の人々は、そうした取り組みにごく前向きになれるようです。また、そうした意識の変容の中で、新しく自由な愛の可能性を見いだせるはずです。

11月から2022年3月頭にかけては、「愛の家庭を作る」ことに意識が向かいます。普段なにかと「他者」を気にし、自他を比較しがちな人も、この時期の愛の世界では、ぐっと「自分の世界」に注目し、相対的にではなく絶対的に愛と生活を捉え直せるでしょう。

愛を探している人も、アットホームな雰囲気を感じられる相手や、心安らぐ相手に心惹かれるようになるでしょう。刺激よりも安心、落ち着きといった条件を大切にしたとき、ふと新しい人物が視野に入りそうです。「地元」や家族の紹介での出会いが有望です。


[目標・仕事について]

「才能を活かす」ことができるようになります。
これまでとは全く別の方向へ「方向転換」する人もいるでしょう。クリエイティブな仕事、兼ねてから憧れていた仕事を自分の手で始める人も少なくないはずです。

あるいは、それほどだいそれた試みでなくとも、より身近で現実的な形で「才能への道」を選んでいく人もいるだろうと思います。たとえば、趣味でやっていたことを少しずつ収益化するとか、すでに長く続けている仕事の中で、少し新しい要素を取り入れてみるとか、そういった、一見「マイナーチェンジ」とおぼしきことが、その後の活動を大きく変えていくことになるかもしれません。

ここで言う「才能」とは、誰かから認められるとか、メダルや勲章を授かるとか、そういった外部からの評価とは少し違います。「才能」は、自分が喜びを感じること、納得できること、いくらやっても飽きないこと、その分野なら新しいことをどんどん思いつくぞ!というようなことを指します。誰かと競争して勝利できることというよりは、自分の中で一番得意なことが「才能」です。ほかの全ての教科が30点/100点満点で、英語だけが40点なら、それは「英語の才能がある」ということになるのです。人と比べての優劣ではなく、自分の中の「分野別」の力のことです。

足が速いとか絵がうまいといった、学生時代に容易に見つけられる才能もあれば、大人になって社会に出てみなければ見つける事のできない「才能」もあります。マネジメントの才能、コーディネートの才能、クレーム対応の才能、ピンチを落ち着いて切り抜ける才能などは、学校の教室では現れにくいものですし、友だち同士でもなかなか、見つけてはもらえません。
2021年下半期、あなたはそうした「今この場でなければ気がつかなかった才能」を、自ら発見するのかもしれません。あるいは、誰かがそれを見つけ、伸ばそうとしてくれるのかもしれません。
そして、2022年に入ると、その才能が想像よりずっと「役に立つ」ことがわかってきます。
この下半期に発見された自分の力の威力、波及力、影響力や存在感が、2022年にどんどん、現実の中で花開き、実を結ぶのです。

たとえば、この下半期に自分の才能に気づき、収益に拘らずとにかくアウトプットを続けていたところ、それを見つけてくれた人々が2022年に様々な仕事の依頼をくれるようになって、りっぱな「業務」に育っていく、といった展開も考えられます。

[家族・人間関係について]

11月から2022年3月頭にかけて、家族との関係はとても温かく、濃密なものになるでしょう。特に2008年頃から家族との関係、「身内」と呼べる人との関係において、なんらかの精神的喪失やカタストロフを体験したことがある人は、その「跡地」に、少しずつ緑の芽が萌え出て、花を咲かせ始めるのがわかるでしょう。

居場所、家族、地元、ルーツ。私たちには植物のような目に見える「根っこ」は存在しませんが、精神には、目に見えない根が生えていて、大地から常に養分と水分を吸い上げようとしています。2008年以降、一時的にその供給路が断たれたことがあったのではないかと思うのですが、いまやその供給路がより大きな力を得て、復活しつつあります。この下半期、そんな「復活の兆し」を生活のあらゆる所に発見できるでしょう。

人間関係については、「自己主張する」訓練ができる時となっています。人との関わりの中で、どうしても格好をつけてしまうクセや、周囲の気持ちを最優先して自己主張を控えてしまうクセがある、という人は、この時期、「本当の自分をストレートにぶつけ、自己主張し、自己表現する」ことを学べます。

「和をもって尊しとなす」ことは、とても大切です。みんな仲良くすること、出しゃばったりワガママしたりしないこと、人が人を尊重すること。これらはとてもすばらしいのです。でも、裏返せば「誰かがハンドルを握っているとみんなが思っていたのに、実は誰もハンドルを握っていなかった」「誰もリーダーシップをとらないまま、小さな忖度を重ねて全体として迷走しつづける」といった悲劇もまた、「和の論理」から生まれることがあるのです。
この時期、あなたは思い切ってリーダーシップをとろうとするかもしれません。それも「みんなの意見をまとめる」調整タイプのリーダーシップではなく、「こっちに進もう」と自ら大方針を打ち出すような、イニシアチブをとるタイプのリーダーシップです。周囲からそれを求められるのかもしれませんし、自分でも「こういうやりかたのほうが、向いている」と感じられるはずです。

[お金について]

9月から10月頭、10月下旬から12月前半に、前向きな動きが起こります。特に10月末以降の時間帯は、精力的に稼げますし、欲しいものを手に入れられる時期となるでしょう。
家族や居場所を創るために多くのお金を使う人もいそうです。

恋のためにお金を使いたくなる人もいるかもしれません。助けた側と助けられた側では、助けた側の方が思いが深くなり、助けられた側は重荷を背負うことになる、とも言われます。無意識に、相手の気持ちをお金で買おうとするような歪んだ発想に傾くと、その恋がうまく行く可能性は低くなるでしょう。もちろん、相手のキャラクターやお互いの関係性にもよりますが、自分が「本当は」なにを期待してお金を使おうとしているのか、そこは十分な自問自答が必要だろうと思います。