2012年天秤座の下半期の占い

アーカイブ記事

「お疲れ様でした!」と申し上げたいような季節です。
2010年頃から、孤独感を感じつつ、重い石を少しずつ動かすような努力を重ねてきた人が、多かったのではないかと思うのです。
手応えはあるものの飛躍感はなかったり、地道に足元だけを見つめて歩き続けたり。
どんな形でかはわからないのですが、長い時間のなかで、力を弱めずにずっと静かに押し続けてきた扉が、ここでようやく、向こう側へ行けるほどに開ききります。

周囲に人がたくさんいても、孤独なときは、孤独です。
心の中に、他人の入れない場所が大きくふくらみ、その閉ざされた空間の中で、一人思考し、一人進んでいく時間が、過去2年ほど続いていたのではないでしょうか。
その場所は、周囲から見ても「閉じて」いましたが、あなた自身から見ても、「閉じた」状態だったはずです。
この「閉じた」状態が、花のように開いていくのが、2012年10月なのです。

閉じた状態が開き始める少し前から、旅に出る計画を立てる人が多いと思います。
それも、長期出張や留学、遠くへの移住など、距離が遠く、時間的にも長い「旅」になりそうです。
あるいは、新しい専門知識や技術を身につけるべく、長めのカリキュラムに飛び込んでいく人も多いでしょう。
この動きは2013年中頃まで続いていきます。
孤独な世界から抜けだしたとき、軽やかな気流がそのまま、広い世界に向かってあなたを乗せていく!というようなイメージです。

そんなふうに、遠い世界に飛び立ったとき、新しい出会いと同時に、一時的にでも解消される関わりがあるかもしれません。
旅立つときは、友を後に残していくことになりますし、旅先では、未だかつて出会ったことのない誰かに、出会うことになるわけです。
長い旅は、人間関係を否応なく改編し、刷新します。
でも、そんなふうに物理的に切り離されたり、結びついたりする動きの奥底で、「決して変わり得ない結びつき」をも、あなたは発見することになると思うのです。

例えば、家族を深く愛している人ならば、遠い場所に旅しているときほど、その愛の揺るぎなさが身に染みるだろうと思います。
留学先で受けとる、幼なじみからの手紙に、心が蘇生するような気持ちを味わう人もいます。
遠距離恋愛を恐れる人も多いわけですが、距離が離れたからこそ、お互いの大切さがわかった、というケースもあります。
頭で考えれば「切り離すしかない」と思えても、心の奥では決して切り離すことのできない結びつきを、この時期、あなたは距離や一時的な分断を通して、確認することになるだろうと思います。

時期的なことを少し申しますと、まず、7月頭までは、古いものの整理や処分をするようなタイミングとなっています。
この作業は4月頃から本格化していたと思いますが、物理的な不要物もさることながら、心の中に巣くっていた怒りやコンプレックスなど、あなたの前進を邪魔するものと真っ向から対峙し、それを「昇華」することができるはずです。
7月から8月は、経済的な面で動きがあります。
どうしても欲しいものを手に入れるために貪欲に行動に出たり、収入の道を切りひらくために大胆な決断をしたりする人が少なくないでしょう。
下半期全体を通して、前述の通り「遠出」の気配が濃厚なのですが、この9月から10月は特に、何らかの形で移動する人が多そうです。
旅に出たり、出張に出たり、留学したりと、居場所を変え、環境や自分を取り巻く文化を変え、そこで、解放感とともに不思議な「世界との繋がり」の感覚が味わえると思います。
過去2年半ほど、自分と世界の間に隔たりを感じていた人にとっては、とても嬉しい出来事が起こりそうです。
10月は冒頭に述べたとおり「お疲れ様!」のタイミングです。
抱えていた重荷から解放されたり、緊張感やプレッシャー、ストレスが消滅したりするかもしれません。
とはいえ、この変化は、瞬間的に体験する人と、数ヶ月をかけて徐々に体験していく人とがいると思います。
11月から12月は、「居場所」「家族」などについて、強めの変化がありそうなタイミングです。
引っ越しやリフォーム、身近な人が人生の転機を迎えるなど、あなたを取り巻く「いつもどおり」のことが、ガツンと変化する気配があります。
年末は、とても楽しい雰囲気に満ちています。
好きなことや愛するもののために、たっぷり時間を使えそうです。

愛情関係については、「迷いが解けていく」という感じがあるかもしれません。
自分に厳しく強いていたルールや、他者の愛情に対する疑いなどが、この下半期全体を通して、徐々にほどけていくのです。
特に、過去に背負ってしまった痛みや傷、何らかのこだわりや思い込み、誤解などを、情熱的に解消できる可能性があります。
心の中にあった、自分を押しとどめていた大岩を、ガツンと砕くことができるはずです。
この動きは特に、7月頃までに完了すると思います。
恋愛に追い風が吹く季節は、すでに4月からはじまっており、8月頭まで続いていきます。
さらに10月末から11月にも、嬉しいことが多いでしょう。

「たくさんの人に好かれるより、少数の人に愛されるほうがよい」と、誰かが言っていました。
「好き」とか「知り合い」とかいうつきあいは、どこか、ほどよい無関心さが間に挟まっていて、本質的に傷つけ合うことはありません。
一方「愛される」ことは、もっと根っこが深くて、その愛を解消する時には、大地から木を引き抜くときのように、たくさんの根っこをぶちぶちと断ち切らなければなりません。
さらに、そうして根っこを断ち切った後にも、それらの根のかけらがいつか、また新しい芽を吹いて、命を繋いでいくことさえあります。
孤独な心の世界から解放され、外の世界に飛び出すとき、そうした「根の深さ」に気づかされることは、あなたにとって足を留めさせるしがらみにはならず、むしろ、冒険するための勇気や生命力として、この先長く作用し続けるのだろうと思います。