2014年天秤座の上半期の占い

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私たちは誰でも、人からの影響を受けて暮らしています。
時には、非常に強い魅力を持つ人がいて、その人に強烈に惹きつけられ、何でもその人の言うことなら正しいような気がする、というような状態になることもあります。
恋愛などもそうした現象のひとつかもしれませんが、恋愛に限らず、アーティストや「師」と呼べる人などに「心酔」し、時には「相手になれたらいいのに」と思うことさえあります。
もっとも、天秤座の人は、客観的な目を持つことを大切にしているので、そうした状態には陥りにくいかもしれません。
とはいえ、誰の影響も受けずに生きている人がいない以上、天秤座の人とて完全に例外ではありません。

ですが、「完全な人間」というものは存在しない以上、完全に自分以外の誰かの影響下に置かれる、ということは、好ましいことではありません。
中には、まるで他者に吸い込まれてしまったように、自分を誰かに「委ねて」生きている人もいますが、そうした状態はあまり幸福なことではないのではないかと思います。
ある人の存在に囚われてしまい、身動きがとれなくなっている人もいます。
そうした場合、自分とその人をどこかで「切り分ける」ことが必要になります。

この時期、天秤座の人は誰か強い力を持つ相手と関わり、その人から強い影響を受けることになるのではないか、と思います。
この関係が恋愛なのか、社会的なものなのか、それとも友人関係なのか、それはわからないのですが、誰かと強烈に向き合い、関わり、そこで自分を変えていく作業をすることになると思います。
その際、大切なのは、「受けとっても良い影響」と「切り離しておかなければならないもの」とを、ひとつひとつ分けていくことです。
受けとるものと受けとらないものを「分ける」ことは、一種の「自分との戦い」かもしれません。
というのも、すべて信用できると思ってしまう方が、基本的には、ラクだからです。
あるいは、相手に1つ2つ欠点を見つけた瞬間、その人を「信頼に値しない」と切り捨ててしまうのもまた、ラクです。
これをせずに、尊敬すべき点とそうでない点をしっかり見つめ、その上で切り捨てることも服従することもせずに関わっていく、ということが、一番大変なことであるわけです。
この「一番大変なこと」に、2014年上半期の天秤座の人は、真剣に取り組んでいくことになるわけです。

なぜそんなことをするのか、というと、この時期の天秤座の人々は、「自分が生きていく世界」を形作っている最中だからです。
「生きていく世界を作る」というのはたとえば、自分が活躍する場を持ち、自分の住処を持ち、人との関わりを作り、物理的にも心情的にも自分のいる場所を作る、ということです。
そこでは、合理的論理的判断もとても大切ですが、同時に、「切り捨てない」という絶対的な判断も必要になります。
「信頼関係」は、相手が完全な人間だからこそ結べる、というものではありません。
誰もが弱点や欠点を持ち、失敗した過去を持ちながらも、人と信頼関係を結び、受け入れ受け入れられて暮らしています。
人は誰でも「自分が生きていく世界」を持っています。
その中に誰かを招き入れれば、当然、「自分」は相手から強い影響を受けることになります。
でも、自分の世界に招き入れたからといって、相手の影響力をそのまま全部受けとってしまう必要はありません。
また、出会った相手をその中に招き入れ、居場所を作ってあげるかどうか、という判断の根拠は、人それぞれです。

この時期、天秤座の人はこうした、かなり厄介な作業に取り組みます。
それはおそらく、そうした作業をしなければならないほど、あなたと関わりたいという人が増えているからだろうと思います。
あるいはあなた自身、自分を変えるために出会いを求め、さらに、その出会いを「自分の世界のもの」としたい、という思いが強まっているからかもしれません。
人と関わることは、天秤座の人の得意技ですが、この時期はその力を何倍にも増強することが可能です。
今までとは違った形で人と関わることを学び、既にある人間関係をもっと創造的なものに変化させていくこともできるでしょう。

時期的なことを少し申しますと、まず1月は「足元」に目が行くのではないかと思います。
といっても靴のことではなく、自分を支える土台となっているような、ごく身近な環境のことです。
身近な人や家族との関係、あるいは心の中でごく近くにいる人との関係について、取り組まなければならないテーマが浮上するかもしれません。
また、物理的な環境を変えるきっかけを掴む人もいるでしょう。
2月になると、調子が良くなってくる感じがあるかもしれません。
星座を問わず、物事の進み具合はペースダウンするのですが、1月よりも空気があたたかくあかるく感じられるのではないかと思います。
魅力的な人物があなたのテリトリーに入ってくる気配もあります。
4月は星座を問わず、大きな転換点となりそうなタイミングなのですが、天秤座の人にとっては特にそのインパクトが強く感じられるでしょう。
大きなチャンスがめぐってきたり、全く新しい世界に飛び込んだり、自己変革を断行したりと、何らかの形で突き抜けるようなアクションを起こす人が多いはずです。
5月は魅力的な出会いの多い時期です。
自分から誰かに会うために遠く旅する人もいるかもしれません。
6月は少しもたつく感じもあるかもしれませんが、遠くから懐かしい人がやってくる気配があります。
4月にやりきれなかったことをここで「やりきる」ような場面もめぐってきそうです。

愛情関係については、この時期のキーワードは「意外性」と「勇気」です。
フリーの人はかなり意外性のある出会いが期待できますし、片思い中の人にも、思いがけないチャンスがめぐってくるかもしれません。
カップルは、相手を取り巻く状況が一変したり、相手が人生の転機に立ったりするところで、あなたの人生にも変化が生じる可能性があります。
パートナーであれば、一方が転機にさしかかると、もう一方も自分の人生全体を見渡して、生活を変えたり、考え方を転換したりする必要が出てきます。
そうした変化の中で、お互いの大切さを再確認させられるかもしれません。
時には意見の違いからぶつかることがあるかもしれませんが、そこで関係を新たに再構築することができるでしょう。
今まで見たことのない相手の姿を見ると同時に、今まで見せたことのない顔を相手に見せる、という場面もありそうです。

自分でも望ましくないと思える関係に縛られてきた人にとっては、ここでガツンと断ち切ることもできると思います。
腐れ縁や依存的な関係に苦しんできた人は、相手を断ち切るというよりはむしろ、自分の中にある厄介な鎖を断つ勇気を得るのだろうと思います。

愛に強い追い風が吹くのは3月と5月です。