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建築の「匠(たくみ)」が、様々な問題のある家をリフォームする、
というテレビ番組があります。
普段は、リフォーム前から作業のプロセスを詳しく見せ、
最期に完成後の住人の反応を紹介して終わるのですが、
ある時「スペシャル番組」として、だいぶ時間が経ってから、
家族がリフォーム後の家にどのように住み暮らしているかをインタビューする、
という企画が放送されました。
リフォームの「匠」達は、住人の抱える問題をよく考え、
細部まで工夫を凝らして住みよい家をデザインしました。
ですが、実際にそこで家族が暮らしていくに連れて、
いくつかの工夫を「ほとんど使っていない」ケースが、結構あったのです。
「匠」のリフォームに限らず、こういうことは、よくあることです。
賃貸物件でも、「これは素晴らしい条件だ」と思って入ったのに、
思いがけず西日がキツイとか、この棚は不要だとか、便が悪いとかいうことは、
多くの人の経験するところです。
一方、「住んでみて初めてわかった、その家のいいところ」もあります。
ベランダから時々富士山が見えるとか、風通しがとてもよいとか、
近隣の住人が皆親切で暮らしやすいとか、そういうことは、
時間をかけてその場所に「居る」ことをしないと、気がつきません。
2020年上半期の天秤座の人々の多くは、
おそらくそんなプロセスを経験するのではないかと思います。
2017年の終わり頃から、住処を作ったり、仕事場で居場所を作ろうとしたり、
家族を持とうとしたり、何らかの形で「自分のある世界」を構築しようと、
苦労してきた人が多いはずなのです。
2020年上半期は、これまでに作ってきた環境の中に「自分」を投入し、
そこで、環境と自分を相互に作用させ、融合させながら、
「馴染んでいく」ことに注力するのです。
環境とは外部にあるスタティックなもので、
人間はそれを選択したり、改造したりすることができる、と考える人もいます。
一方「環境が人を作る」という考え方もあります。
今ではあまり使われないフレーズ「孟母三遷」は、
孟子の母親が子どもの教育環境を考えて、三度も引っ越しをした、
という故事成語です。
現実には、私たちは環境に変化を加えることもできますし、
逆に、環境によって変えられることもあります。
むしろ、相互に「変えあう」ような現象が起こっていくものなのでしょう。
2020年上半期は、環境に働きかけ、あるいは環境から吸収して、
あなた独自の「住む世界」を育てて行ける時期となっています。
新しい人間関係を得る人もいるでしょうし、
新たな「通う場所」を見つける人もいるはずです。
それらはどれも、広い意味で「居場所」であり、あなたの生きる世界です。
天秤座の人々は、自分で思う以上に「自分がある場所」に支えられています。
ルーツを大切にし、変えるべき場所を必要とし、
心の置き場所を探し求めています。
そうした思いを包むような「世界」が力強く育つのが、この上半期なのです。
・時期について
1月?2月半ばは、フットワーク良くガンガン動く時期となっています。2019年の中でかなりいろいろな「ルートの開拓」をしてきた人も少なくないはずですが、それらのルートを積極的に「使っていく」ような時間となるようです。開拓した道、発見した道を使って、対話できる人々、仲間になってくれそうな人々の間を飛び回ることになるでしょう。旅に出る人もいるはずですが、この旅は、単に遠出して見聞を広めるということに留まらず、「自分の世界」に色々なものを持ち帰るための旅であるようです。年明けは来客も多いかもしれません。いつもは誰も入らせないような場所にも「この人なら」と招き入れる場面がありそうです。
2月半ばから3月は、家族のために時間を使ったり、引っ越しや模様替えに取り組んだりと、物理的な「環境の変更」を進める人が多いでしょう。あるいは逆に、家にじっとしている暇もないほど色々な場所を飛び回り、そうした「動き」の中で、変えるべき場所の意義や価値を再認識させられるのかもしれません。家の中が「バタバタする」感じもありそうです。
4月から8月にかけて、さらに遠出することになるかもしれません。この時期の旅は学びに溢れていて、あなた自身を変えていくような力を持っています。また、遠出した先で人の好意や愛に触れ、心を大きく開かれるでしょう。精力的に勉強に打ち込む人も多そうです。短期留学などを通して、新しい自分を発見できます。
さらに、4月から5月半ばは、とても創造的な時期で、大きな波に乗れる感じがあるはずです。伸び伸びと、物事や人に情熱を注げるでしょう。自分の意志とは関係のないところで、自分の望む方向に「運ばれていく」ような感じがするかもしれません。
6月は、「昔取った杵柄」で、過去の経験が役に立つ場面があるかもしれません。特に仕事や対外的な活動の場で、懐かしいシチュエーションに向き合うことになるようです。
・愛について
一般に「恋愛運がいい時期」と言えば、理想的な人物が自分の全てを受け入れた上で積極的に求愛してくれる、といったイメージが浮かぶ人が多いのではないかと思います。
この上半期は「恋愛運がいいですか?」と聞かれれば「いいです」と答えたいのですが、上記のようなイメージとは全く違った時間帯となりそうです。
愛に対する責任、愛しているならば引き受けなければならないこと、愛に対する自分の積極性やリスクを負う情熱。こうした、「愛」という言葉の持つ甘く優しいイメージとはかけ離れたテーマが、2020年上半期の天秤座の世界では、フレッシュに展開してゆくことになっています。
この時期はいつになく「愛とは何か」という哲学的な問いを前にする人が多いでしょう。特に3月後半から7月頭にかけて、これまでとは違った態度で愛に向き合うことになるようです。フリーの人は、心惹かれる相手の姿も、大きく変わります。より成熟した人物、尊敬に値する人物、自分を成長させてくれるような存在を探してゆくことになるでしょう。また、そうした存在に出会いやすい時期、とも言えます。
パートナーがいる人もまた、より真剣で情熱的な、成熟した態度で愛に向き合うことになるでしょう。長く続いていく愛の関係の中では、お互いが抱える問題をどう受け止めるか、お互いのあいだで起こった問題をどう解決するか、といったことに、粘り強く取り組む必要があります。刹那的なラブ・アフェアならば「気に入らないところが見つかったら、気持ちが冷めて、すぐ別れる」という選択があり得ますが、そうした短絡的な判断を超えて、愛を時間に耐える「本物」にしていくための努力を、この時期は自ら選択していけるはずなのです。
1月から2月は爽やかな追い風が吹きます。3月末から5月前半は積極的に行動して結果が出やすいでしょう。
4月から8月頭は、遠出した先での出会いがあるかもしれません。カップルも二人で長めの旅行に出るなど、「旅」が有効です。また、学びの場にも愛を見つける・育てるための手掛かりがたくさん見つかりそうです。
・住処、家族、人間関係について
2020年は天秤座の人々にとって「居場所の年」「家族の年」です。新しい家族を得る人もいれば、新天地での生活の場を作っていく人もいるでしょう。家族は、一朝一夕に成るものではありません。結婚や独立、同居等の大きな変化から、子猫を飼うようなことにいたるまで、時間を重ね、一つの空間を共有しながら徐々に、家族に「なってゆく」ものだろうと思います。この時期はそんなふうに、家族に「なってゆく」プロセスをじっくり楽しめる時期と言えます。
人間関係は夏以降、非常に熱いものになります。ゆえにこの上半期は、自分自身の強さを鍛えたり、自分自身についてよく学んだり、といったことが必要になるかもしれません。たとえば、他国の人と議論をするときは、予め自他の歴史を良く学んでおく事が役に立つ場合があります。「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」という言葉がありますが、下半期に控える「百戦」に備えて、この上半期は「己を知る」「彼を知る」ことに注力できるはずです。
特に居場所や家族に対して真剣に取り組む必要が出てきそうなのは、2月半ばから3月です。
2月から3月頭は、一対一の関係において、他者から学ぶ事が多いでしょう。
・仕事、勉強について
1月半ばから2月上旬は、仕事がとても楽しく感じられるでしょう。5月半ばから6月は非常に忙しくなります。7月以降の「対決」に向けて、様々な準備が出来るときです。アスリートが大きな試合の準備をしていくようなイメージの時間帯です。
1月前半、6月後半にミラクルな転機が巡ってくる気配があります。驚きを伴う急展開の中で、念願だったポジションをゲットできるかもしれません。
勉強に関しては、年明けから2月半ばにかなり勢いよく前進できそうです。さらに4月から8月頭は、学ぶことを心から楽しめるでしょう。この先自分の専門分野となるような新たなテーマに出会う人もいるはずです。旅の中で学ぶ人も多そうです。留学に出る人もいるはずです。自分を変えるような学びが叶う時期です。
・お金について
お金の使い方や経済的な人間関係が2018年頃から変化し始めているはずですが、その変化が加速しそうなのが3月です。この時期は人からのサポートに恵まれますし、ギフトを受け取るような場面もあるでしょう。
契約書や借用書など、お金がらみで交わした書面はしっかり整理しておくことが大事です。年の後半に役立つ可能性があります。
・健康について
環境と健康は密接に結びついています。不愉快な環境や不衛生な状況は、この時期特に、あなたの心身の健康にダイレクトに響くようです。一方、これまで調子が悪かった人は、住環境を変えたり、大掃除・模様替えしたりすることで、一気に体調が好転する可能性もあります。
体調不良の原因が意外なところにあるのを発見する人もいるかもしれません。時には、原因と結果をあべこべに捉えていたためにずっと調子が悪いまま、という落とし穴に陥る人もいます。問題点の洗い出しには、専門家との対話も役に立つはずです。4月以降、いい「先生」に巡り会えるかもしれません。