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たとえば、毎日使うヤカン。毎日手にするマグカップ。毎日持ち歩くカバンや財布、家のカギ。こうしたものは、日々自分と一緒に動いて、言わば「生きて」います。私たちの生きた身体の延長線上で、いきいきと動きまわっています。
たとえば、「死蔵する」という言葉があるとおり、戸棚や引き出しの奥でまったく使われず、忘れられたものたちは、「生きている」とは言えません。使われて動いているものは「生きているもの」で、止まったまま忘れられたものは「死んでいるもの」です。
私たちは生きている限り、心臓や脳が動き続けます。モノや環境や他者との関わりもまた、動いている時は、生きているのです。
特に故障があるわけではないのにあまり歩かずにいると、いつか、足が思うように動かなくなります。いつも側にいるのに目も合わせないなら、その関係はだんだん、精気を失っていきます。汚したくない、壊してしまったらこまる、という不安から、全く使わずにしまいこんだ食器は、それはもう、死んだも同然です。
あなたのまわりにもし、そんなものがあるなら、この下半期、次々にスイッチを「ON」にしていけるでしょう。命を呼び覚まし、蘇らせ、あなたの生活に参加させることができるのです。
SF映画などで、「古代の文明に放棄された大きなコンピュータにスイッチを入れたところ、全体が大きく光り輝きながら往年のままに動き出す」といったシーンがあります。2021年下半期、あなたの住む世界でももしかしたら、そんな出来事が起こるかもしれません。環境が、心が、生活が、新たな命を得て「復活」するのです。
また、この下半期は、「5月半ばから7月に起こったこと」を前提として、あなたの生活環境を作り替えることもできます。
たとえば、5月半ばから7月に「趣味として絵を描き始める」といった変化が起こり、8月以降「アトリエとして使えるスペースを、家の中に創る」という展開になるのかもしれません。あるいは、5月半ばから7月、自分の才能を活かせる仕事を見つけ、その仕事ではテレワークが必要なので、家の中に書斎スペースを設け、家族にも「仕事をする時間」を理解しサポートしてもらえるように調整する、といった展開もあり得ます。
自分自身の幸福の器としての、居場所。2021年下半期、蠍座の人々はそれを愛と創造性の観点から、再構築することができます。初夏に心に刻んだ「自分の人生では、これが一番大切だ!」という思いのもとに、美しいお城を建設できる時間に入ります。
住宅街を歩いていると、家にはそこに住む人々の個性や価値観が、ありありと表れているのに気づかされます。「住処を創る」「家庭を作る」ことは、一般に思われている以上に、人間の自己表現の手段なのかもしれません。居場所を自分の手で創ろうとするとき、私たちは「おまえが人生において大事にしているものは、何か?」と問われ続けるのです。
[時期について]
7月から8月中旬は、大いにチャレンジできる時です。チャンスが巡ってきますし、活躍の場を探している人は特に、好機を掴めそうです。また、7月下旬から9月中旬は「人に恵まれる」時期でもあります。新しい仲間に出会い、よりのびのびと動けるようになるでしょう。
9月から10月は、少し怠けたり、緩んだりできる時間となっています。過去を振り返ったり、気になっていたことに手をつけたりする人もいるでしょう。先に進むことをいったん棚上げして、立ち止まり、後ろを振り返ったとき、素晴らしい宝物を見つけられます。
10月末から12月頭は「独壇場」のような大活躍の時間となります。新しいことをどんどん始められますし、一皮も二皮も剥ける、とてもフレッシュなタイミングです。この時期は、少し大きめの人生のターニングポイントとなるかもしれません。自分から重要な選択肢を選び取り、「いまここ」から大きく一歩を踏み出すようなタイミングです。
自分の望みのために引越をしたり、生活環境をなんらかの形でガツンと変えたりする人もいるでしょう。
11月から2022年3月頭、精力的に学べる時期です。学ぶことが楽しく感じられるでしょう。また、発信活動や知的活動に取り組んでいる人には、素晴らしいチャンスが巡ってきそうです。
12月から年明け、経済活動に熱がこもります。欲しいものをガンガン手に入れられる、「欲望全開」のタイミングです。精力的に稼いで、お金の面で「レベルアップ」する人も少なくないはずです。
[愛について]
5月半ばから7月にかけて、愛が大きく前進したかもしれません。
愛を見つけた人もいれば、すでにいるパートナーとの間の愛が新しい力を得た、といった展開もあったでしょう。この初夏の「愛の季節」は、年末に再びスイッチが入り、2022年に向けて本格化していきます。
カップルは特に、二人での「生活のあり方」を刷新できそうです。二人だからこそ生み出せる幸福の形を、もう一度見つめ直し、拡大していけるのです。「二人で幸福になる」ことの意義を再確認できますし、そのためにごく具体的な、新しい手だてを見つけられます。
「家族としてのパートナー」を、誠実かつ積極的に受け入れ合って、とても幸福になれるでしょう。幸福が「つくれるもの」だということを、互いに教えあえる場面もあるだろうと思います。
フリーの人は、この時期「愛の土台作り」をすることになるのかもしれません。たとえば初夏に出会った人と恋に落ちたものの、自分の部屋が「とても恋人を招待できる状態ではない」と気づき、半年かけて精力的に「相手を招待できる場所」または「二人で暮らせる世界」を創っていく、といった展開が考えられます。小鳥たちのなかにはパートナーを見つけるためにまず、巣をつくる種があるそうですが、この時期のあなたの世界でも、そんなことが起こっておかしくないだろうと思います。
12月末から2022年5月上旬にかけて、素晴らしい愛の季節がやってきます。「その前に準備しておきたいこと」をイメージしたとき、この下半期の活動が見えてくるかもしれません。
[目標・仕事について]
7月から8月は非常に忙しい時期となっています。重要なミッションを進めていける時です。
さらに10月末から12月前半は、大活躍できるタイミングです。自分から勝負に出て、大きなものを勝ち取れます。
夏と冬の「活躍」の違いは、その立ち位置です。夏の多忙期はどちらかと言えば「任される」「あるポジションを引き受ける」「一つのプロジェクトを成功させる」といったイメージです。一方、秋から冬にかけての「大活躍」は、自分から仕事を創る、自分から踏み出す、自分から周りを巻き込んでいく、といった、イニシアチブの気配が濃厚なのです。「自分はこれだ!」と言えるようなものに出会えるかもしれません。
11月から2022年3月頭は、たくさん吸収できる時期です。いわゆる「手に職をつける」というように、稼ぎにつながるスキルを身につけることもできるでしょう。楽しんで出来ること、比較的得意なことが身につく時期です。
[家族・人間関係について]
蠍座の2021年は「居場所・家族」の年です。家族に恵まれ、居場所を構築、あるいは拡張し、生活をより豊かにしていける時期となっています。
新たな家庭を1からつくる人もいるはずですし、生活の条件や家族構成などが、なんらかの形で2020年までのそれとは、大きく変化しつつある人も多いでしょう。
「いつもの環境」が変わっていく時には、緊張も伴います。
慣れ親しんだ生活の条件が変わるとき、「新しい環境になじめるだろうか」という不安は常につきまといます。家族構成が変われば、過去の関係を懐かしく感じるのは当然です。愛し合ってともに暮らし始めた仲でも、お互いの生活の細かいクセまでを擦り合わせるには、時間がかかります。そうした不都合や不具合を乗り越えていくプロセスが、この下半期に展開してゆくのかもしれません。
家族や身内のために「どこまで自分を犠牲にするか」ということは、人生の随所で大きな問題となります。「大切な人のケアをしたい、大切な人のために何かしてあげたい」という気持ちの一方で、「自分の時間を全部とられて苦しい」「自分の好きにできる時間や空間が欲しい」という思いを抱くのは、当然のことです。一切の犠牲を払いたくないわけではないし、全てを犠牲にしたいわけでもない、という思いの間で苦しんでいる人は、とてもたくさんいます。
2021年下半期、蠍座の人々はそうしたディレンマの中で、白か黒かではない「第三の道」「白でも黒でもグレーでもない、銀色や金色の道」を見つけ出せそうです。身近な人たちと愛ある相談を重ね、新しい生活のルールやシステムを創っていけるのです。誰か一人が責任を負うのではなく、「みんなで責任をシェアする」ことができる時なのです。
[お金について]
10月から11月頭、そして11月下旬から2022年1月いっぱい、お金に関する大きめの動きが起こりやすい時期です。精力的に稼ぐ人が多いでしょう。
年内は「家族や身内、居場所のため」にお金を使い、年明けは「自分自身の喜びや充足のため」にお金を使う、といったシフトが起こるかもしれません。
自分以外の人のためなら惜しみなくお金を使える、という人も少なくありません。愛は簡単に自己犠牲を払わせます。
でも、お金は人のプライドと(悲しいかな)直結しています。お互いの誇りを守りながらお金を稼いだり使ったりすることは、実はそれほど簡単なことではありません。
何が本当に「家族のため」になるのか、考えさせられる場面もあるかもしれません。
「家族のため」はその先に「自分の生活の幸福のため」というビジョンが続いていなければならないはずです。「それで自分は本当に幸福になれるのか?」と考えたとき、正しいお金の使い方や稼ぎ方が見えてくる可能性もあると思います。