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以前ある人が、こんな話をしてくれました。
「私はほんの数年前まで、生まれ故郷に住んでいました。家族とはあまり仲がよくなかったし、地元の世間は窮屈に思えて、漠然と『どこかに出たいなあ』と考えてはいたのですが、思い切って県外に出るまでの理由が見つからず、地元で就職して、違和感を抱きながら暮らしていたのです。それがあるとき、あるアーティストに出会い、大ファンになりました。ライブに通い始めたものの、家からライブ会場まではいつもとても遠く、交通費や宿泊費、なにより時間がかかりすぎるので、へとへとになりました。それで一念発起して、都会に引っ越すことにしたのです。1年かけて資金をためて、転職もしました。色々ありましたが、今は出会いにも恵まれ、仕事も生活も満足しています。もしあのアーティストにハマらなかったら、ずっと地元にいたのかなと思うと、少し怖くなります」。
2022年上半期の蠍座の星回りを見たとき、不意にこのエピソードが思い浮かびました。違和感を感じ続けた生活、突然の出会い、好きなことに夢中になる体験、そして、新しい道。もちろん、この上半期の蠍座の人々がみんなこうした選択をするというわけではありませんが、少なくとも何かを、あるいは誰かを「好きだ」と思う気持ちがきっかけとなって、人生が新たな展開を見せる可能性は低くないと思います。
「出会いによって人生が変わる」。たくさんの人が、そうした経験をしています。2019年頃から蠍座の人々は、特別な「出会いによって人生が変わる」時間の中に入っています。特に2021年から2022年前半は、誰かとの出会いが根の生えたような日常を変えるきっかけになりやすい時間と言えます。自分を取り巻いているもの、当たり前のようにそこにあるもの、絶対に振りほどけないと思ったもの。そうしたものを完全に切り離すわけではなくとも、ある程度以上に「関わり方を変える」可能性が、この時期、見えてきているのではないでしょうか。たとえば、信用のおけない友達との友達づきあいや、自分を傷つけてくる身内との関わりなど、本来なら遠ざけてもいいはずのものに、なぜかしがみついている、という人は少なくありません。「この関係を手放したら、ひとりぼっちになるのでは?」「相手の理不尽を許せないのは、自分の心が狭いからではないか?」といった恐れを抱えて、ガマンを続けている人がたくさんいます。2021年から2022年前半は、そうしたガマンを「もう必要ないよ」と教えてくれる「誰か」の存在に恵まれるタイミングです。さらに「自分を傷つける世界から離脱する」だけでなく、「自分が心から愛せるものの世界に飛び込む」ことが、2022年上半期のテーマとなっているはずなのです。
5月から6月は、非常に忙しい時間となっています。好きでやっていることが仕事に変わったり、才能を活かすための新たな場に出会えたりするかもしれません。人の期待やニーズが、あなたの方に熱く投げかけられてきます。
2022年、自分の才能や真の個性に気づく人もいるでしょう。熱い恋愛に思い切って飛び込んでいく人もいるでしょう。内なる衝動があなたに「新しい世界」の存在を教えてくれます。純粋に何かを好きだという気持ち、夢中になる気持ち、誰に言われたのでもなく、自分自身で人生を選び取ろうとする気持ち。そうした気持ちがあなたに、真の自由な生き方への方角を教えてくれるタイミングです。
[時期について]
1月は経済活動における動きが大きい時です。入る方も出る方も勢いが増す時期なので、財布の紐はしっかりと握っておきたいところです。
また、1月後半から2月頭は「遠ざかっていたものが帰ってくる」「懐かしい場所に戻る」ような動きが生じやすい時です。「ただいま」「おかえり!」のやりとりに心を開かれる場面がありそうです。
1月から3月頭にかけては、コミュニケーションが熱く盛り上がる、賑やかな時期となっています。色々な方面から連絡が飛び込んで来ますし、自分からもあちこちコンタクトをとり、輪を拡げていけるでしょう。
勉強や取材、研究、発信などの知的活動にも熱がこもります。学びたいことがある人は、思い切って勉強をスタートすると、短期間で素晴らしい前進が叶うかもしれません。
3月から4月半ばは「居場所が動く」時です。引越や家族構成の変化など、「いつもの風景」が大きく変わるかもしれません。2021年の中で引越の準備を進めてきて、ここで晴れて移転する、といった展開になる人もいそうです。
4月半ばから5月は、熱い「愛と創造の季節」となっています。この上半期を通して「愛と創造の季節」ではあるのですが、特にこの春から初夏に、ぎゅっと濃い展開が待っているようです。クリエイティブな活動をしている人には、素晴らしいチャンスが巡ってきそうです。
5月半ば以降、「役割・任務」の季節に入ります。新たな仕事に就く人、日々請け負う任務の内容がガラッと変わる人も少なくないでしょう。「この人のために、役に立ちたい!」という思いから、自分で活動を創造する人もいるはずです。
[愛について]
上半期全体を通して、文句なしの「愛の季節」となっています。2021年5月から7月頃になんらかの愛のドラマが展開していたなら、この上半期、そのドラマが「本格化」していくでしょう。そして、2022年10月末から12月中旬に「大団円」で、愛が軌道に乗ります。
カップルは素晴らしい愛の時間を過ごせるでしょう。普段より愛情表現がしやすくなりますし、不思議と新鮮な感情が湧いてきて、愛の関係をより深く豊かなものに育てていくことができます。愛の世界では「創造性」がとても重要です。愛のやりとりには「正解」はなく、二人でルールや習慣、合い言葉などを創り上げていくしかありません。親密な関係の二人ほど、「お互いにしかわからない言葉・合図」がたくさんあるものです。お互いの知性や好み、二人で共有している記憶や体験がもとになって、様々な二人だけのコミュニケーション手段ができあがるわけですが、この時期は例えば、そうしたものがたくさん生まれるのかもしれません。
たとえば、一方が風邪をひいたときに、もう一方がどのようにサポートするか、とか、一方が仕事で失敗して落ち込んだとき、他方がどのようにフォローし慰めるか、とか、そういった「支え合い」の形にも、万人に当てはまる「正解」は存在しません。愛し合う二人でともに考え、作っていくしかないのです。自分が相手に期待することと、相手が自分にして欲しいと思っていることは、全く違う場合もよくあります。互いに互いのニーズを満たすには、両者が伝え合い、工夫し合ってゆくしかありません。この時期はそうした試みも、とてもスムーズに展開しそうです。
愛を探している人には、この上半期を通して「チャンス」です。特に2月下旬から5月半ばまで、たくさんの動きがあるでしょう。自分からもどんどん動いて、きっかけを掴みたいときです。「自然な出会い」とか「告白は男性からするもの」などの比較的古い価値観に縛られてしまうと、せっかくのチャンスの時期もなかなか、活かすことができないかもしれません。また、相手の中に長所や強みだけを探してしまうのも、この時期の愛の形にはあまり、当てはまらないかもしれません。愛は人の弱さに作用するものですが、海王星と木星が同座するこの時期は特に、お互いの弱さを支え合うことが愛の目標となりやすいのです。蠍座の人々はもともと、人の表面的なものに縛られず、あくまで内面を見つめる力に恵まれていますが、この時期は特にその力の「本領発揮」となりそうです。
上半期全体を通して愛に強い追い風が吹き続けます。いつも心に愛を。
[目標・仕事について]
5月から2023年前半に跨がって「任務・役割」の季節となっています。非常に忙しくなりますし、他者との関わりの中で「今の自分が果たすべき役割、使命はこれだ」と確信できるでしょう。「やるべきことをやっている」という手応えがやりがいにつながり、実力もおおいに鍛えられる時です。
さらに、この上半期の中で、自分の持ち味や才能をより活かしやすいポジションに就く人もいるはずです。「仕事だから、つまらなくても仕方がない」という状況にあるなら、この時期に「仕事だけれども、楽しさを感じられる」という状況にシフトできるかもしれません。異動や転職、昇進などでそれが叶うのかもしれませんし、今取り組んでいる仕事の内容自体を、自分の手でガラッと変えていく、といったこともできそうです。
この上半期は特に「自分の持ち味・才能に気づく」「本当にやりたかったことがわかる」傾向があります。その発見を、趣味や個人的な活動に振り向ける人もいれば、仕事の中で活かそうとする人もいるだろうと思います。クリエイティブな発想を仕事の中に活かす余地があれば、どんどんその流れを強化したいときです。普段、仕事の中であなたと関わる人もまた、新規性や斬新さ、変化を求めているところがあると思います。あなたにアイデアがあるなら、それを提示してみると、一気に状況が好転する可能性もあります。
[家族・人間関係について]
2021年に家族や身内との関係が大きく動いたのではないでしょうか。2021年に着手したことを、2022年上半期は「軌道に乗せる」タイミングとなっています。2021年の変化が大きかった分、それを「コツコツ頑張って少しずつ育ててゆく」プロセスは、ジミに感じられるかもしれませんし、周囲のために頑張っているにもかかわらず、なぜか孤独感がつのる場面もあるかもしれません。それでも、あなたが今ひとつひとつ積み上げているレンガはきっと、最終的に大きな、丈夫な居場所をかたちづくることになっています。
3月から4月半ばにかけて、「居場所が動く」時期です。たとえば家族の誰かが人生の転機に立ち、あなたがそれをサポートするために生活のあり方をがらりと変える、といった展開もあり得ます。また、居場所にじっとしている暇がないほど、「外を飛び回る」ことになるのかもしれません。日常の風景が普段と変わることで、逆に「普段の景色」「居場所」の大切さを再発見できるでしょう。この時期は「動き」も多いのですが、「愛」にも溢れています。身近な人との心の繋がり、あたたかな思いの交流こそが、もっとも重要なテーマです。
[お金について]
年明け1月、勢いよくお金が動きそうです。自分で商売やビジネスをしている人には特に、熱い流れが生じるはずです。ガンガン稼いでガンガン投資するような、アグレッシブなタイミングです。
この上半期を通して趣味や遊びが盛り上がる時期なので、「好きなこと」にお金を使いたくなるかもしれません。生活に支障がない程度に、「心を充たす」ためにお金を使うことは、いいことだろうと思います。
ただ、心の隙間を埋めるために依存的なお金の使い方をしているのか、それとも、そのお金で手に入れたものが本当に心を充たしてくれているのか、その区別は非常に難しいものです。「お金を使うこと」自体がストレス解消になることもありますが、それが過剰になって「お金がない」ことで苦しむ、という悪循環に陥らないよう、注意が必要です。
本物の幸福感、充足観というものについて、蠍座の人々は非常に敏感であり、詳しくもあります。この時期は、あなたが自分自身を充たすためにどんなことをしてきて、これからはどんな試みができるのかを、改めて深く考え、実践できる時間となるのかもしれません。