アーカイブ記事
「傷ついた野生動物を保護する」。この時期の蠍座の星回りを見て、たとえばそんなシチュエーションが思い浮かびました。野生動物を飼育することは禁止されていますが、たとえば人間による事故やトラブルによって傷ついた生き物は、傷が癒えて元気になるまで治療・保護されることもよくあります。野生の生き物は大自然に生きています。人間が勝手に飼育したり、愛玩したりしても、その生き物の本当の幸福にはつながりません。ケガをしたときなど、人間の手助けを必要としたとしても、それは一時的なことです。傷を手当てし、餌をやり、手篤く面倒を見たとしても、彼らはお礼を言ってくれるわけではありません。「鶴の恩返し」のようなことも、おそらく起こりません。ただ元気になって旅立ってしまうだけです。ケアしてくれた人の事をおぼえているかどうか、それも分かりません。きっと、忘れてしまうのかもしれません。それなのに、人間はしばしば、傷ついた生き物をなんとか助けようとするのです。
これはもちろん、比喩です。2022年下半期、蠍座の人々は身近な人や、日々関わる人、あるいはもっと別の立場の人を、心からサポートし、ケアすることになるようです。ですがそこには、一定の心の距離が置かれています。相手には相手の生きる世界があり、生き方があるのです。人間は、助けてもらったときよりも、助けてあげたときに、相手に強い親しみや愛着を抱くものだそうです。誰かをサポートし、ケアしたとき、相手に対する愛情が湧いてきます。相手から感謝されたくなりますし、できれば、助けた自分を好きになって欲しい、と感じるものだと思います。でも、それは強要できません。「好意であれこれお世話してあげたのに、お礼も言わない!」と憤慨している人も世の中には、決して少なくありませんが、この憤慨は本来、お門違いなのです。野生動物だけでなく、相手が人間であっても、「助けてあげた」ことによる返礼など、求めてはいけないのだと思います。
これは非常に切ないことです。相手の痛みや悲しみを思い、手を差し伸べ、手助けをして相手に愛しさを感じたのに、相手に対してどんな「おかえし」も求めてはいけない。こんな辛いことがあるでしょうか。でも、たとえば子育てでも、教育の場でも、仕事を教えるような場でも、介護の場でも、すべてそうなのです。相手には相手の世界があります。助けてあげたからといって、その世界にいきなり「参加」できるわけではないのです。不思議なことに、人間はそれでも、人を助けようとします。
2022年下半期の蠍座の人々が「人に優しくしなければならない上、誰からも感謝されない」ということを言いたいのではありません。むしろ、普段以上に感謝される場面が多いだろうと思います。必要とされ、頼られ、期待され、それらの思いに応える喜びを味わえるでしょう。他者との間に深いコミットが生じ、お互いの世界に踏み込み合うような特別な、人生の宝物のような時間に恵まれるでしょう。
そうしたことが可能になるのは、おそらく、あなたが「野生動物を保護するときのルール」と同じことを、人間に対しても守っているからなのだと思います。世の中には、相手を支配したい、相手から愛されたいという動機のもとに、人に優しくしようとする人がたくさんいるのです。たとえば子供に害になるような甘やかし方をする過保護な大人や、ひたすら「尽くしてしまう」ような恋人は、その典型です。こうした、言わば「愛とケアの取引」は、人を傷つけることはあっても、決して、人を本質的に守ることはありません。2022年下半期、蠍座の人々はこうしたワナに陥らずに済みます。人をケアするには、人に深くコミットするには、どのようなルールを守ればいいか。このことをこの下半期、愛の体験を通して深く学ぶ人もたくさんいるだろうと思います。
自分自身へのケア、いわゆる「セルフケア」も、この下半期の重要なテーマです。普段、自分のことは二の次にしてしまう人、自分にあまり「構わない」人ほど、この時期「自分自身のコンディションを高めること」を目標とすることになるかもしれません。ライフスタイルを変えること、健康を気遣うこと、日々の心身の調子を、自分に合ったやりかたで整えること。コンスタントに長く走り続けるための条件を、この時期しっかりと構築することができます。世の中には「これがいい」と言われる健康法がたくさんあります。また、常識的にこうだとか、平均的にはこうだといった情報が溢れています。そうした外部からの声はどんどんアタマに入っても、肝心の「心の発する声」が全くきこえずにいる人が少なくないように思われます。自分が疲れているかどうかわからなかったり、他人の都合に振り回されるばかりで自分のリズムを作れなかったり。こうした問題を抱えている人は、この下半期、自分の心身のやわらかさ、ゆたかさ、たくさんの感覚を再発見することになるかもしれません。
自分自身をケアすることも、直接には何の利益にもなりません。でも、それを「無償で」続けてゆくうちに、不思議な幸福感や充実感がじわじわと満ちてきます。自分がやるべきことをやっている、という満足感は、幸福の条件と言えるでしょう。決して感謝してくれない野生動物を助けたときに感じる喜びと、その満足感は、心の深いところでつながっているのかもしれません。
[時期について]
7月から8月中旬は、人間関係に熱がこもる時期です。突然の衝撃的な出会いや、関係性の激変など、かなりドラマティックなことが起こりそうです。
また、タフな交渉や契約に関する話し合いなど、熱い「対決」が起こる可能性もあります。変に遠慮することなく、自分の権利を堂々と主張して、得るものが多いはずです。あなたは元々こうした時の「戦闘力」が高い方ですが、この時期はその才能を十全に活かせそうです。
7月後半から9月頭は、かなり忙しい時期となりそうです。素敵なチャンスが巡ってきて、新たなポジションに立つ人もいるでしょう。仕事や対外的な活動において、大きな成果を挙げられそうです。
8月下旬から2023年3月にかけて、熱い「ギフト」の時間となっています。人から受け取れるものがたくさんありそうです。物質的・経済的なギフトはもちろん、提案やアドバイス、深い関わりなど、色々なものを受け取れます。
パートナーがいる人は、相手の経済活動が大きく変わる可能性があります。その影響を受けて、お金について新しいアプローチが必要になるかもしれません。
9月から10月上旬は、「古い夢が復活する」ことになるかもしれません。かつて一度諦めたことに、再挑戦する人が少なくなさそうです。
また、この時期は古い交友関係が復活する可能性もあります。懐かしい人からのメッセージを受けて、そこから何か新しい活動が始まるかもしれません。
10月下旬から11月中旬はとても楽しい時間となっています。忙しくもありますが、嬉しい出来事が多いでしょう。褒められたり誘われたり、何かと注目されそうです。
10月末から12月中旬は「愛と創造の季節」です。大恋愛をする人もいれば、趣味やクリエイティブな活動に打ち込む人もいるでしょう。心の奥底から湧き上がる思いを、熱く生きることができそうです。この時期の体験には、言葉にしづらい程の深みや厚みがあります。あなたはもともと、とても深い感情を生きている人ですが、そんなあなたの生き方が、この時期「花開く」「実を結ぶ」ことになるのかもしれません。
11月半ばから12月中旬は、欲しいものが手に入る時です。経済的に嬉しいことが多いでしょう。何か価値あるものを自分の手で「創り上げる・生産する」人もいそうです。
12月から年明けは、コミュニケーションが盛り上がる楽しい時間となっています。愛のこもったメッセージをたくさんやりとりできるでしょう。
[愛について]
2021年から断続的に「愛の季節」を生きている蠍座の人々ですが、この下半期にその「第三幕」が巡ってきます。10月末から12月中旬、素晴らしい「愛の季節」がやってくるでしょう。これまでなにも目立ったことはなかったという人も、この秋から冬にかけて、素敵な愛のドラマが待っているかもしれません。
愛を探している人には特に、「愛のミラクル」が起こりやすい時です。私はこの「愛のミラクル」という表現を使うのですが、「それはどういう意味ですか?」と質問されたことがあります。
私の中で「愛のミラクル」とは、いくつかの意味合いを含む表現です。
まず、想定外の経緯で愛が生まれる、というベタな展開が挙げられます。意外なシチュエーション、突発的な出来事の中で、突然恋に落ちる!といったことが「愛のミラクル」のひとつです。
次に「愛のミラクル」は、自分の生き方のイメージや枠組みを超えたところに起こる、というイメージを含んでいます。恋をして、人として大きく変化したり、成長したりする人は少なくありません。「これが自分の生き方」と無意識に選んできた枠組みを、恋愛という衝撃が大きく壊してくるような事があれば、それは「愛のミラクル」だと思うのです。
さらに、「縁」ということの不思議さが挙げられます。恋愛では、色々不思議なことが起こるものです。たとえば、出会った相手との間にびっくりするほどたくさん一致点があったとか、特に約束もしていないのに何度も偶然遭遇するとか、共通の知り合いがたくさんいたとか、例えばそんなことがあって、その驚きが恋のスイッチになったりします。こうした「不思議なこと」が、「愛のミラクル」の一環です。
2022年下半期、こうしたことがあなたの愛の世界に、なにかしら起こるだろうと思います。「ならば、待っていれば良い」かというと、そういうわけでもないかもしれません。もちろん、こうした「愛のミラクル」はあくまで「ミラクル」、奇跡的な出来事ですから、意図的に引き起こせるわけではありません。ただ、できることとしては、できるだけアクティブでいること、心をオープンにしておくこと、そして、ぴんときたらすぐにレスポンスすることなどがあります。反応すること、ぱっときっかけを掴むことが大切なのです。
既にパートナーがいる人は、かなり刺激的な時間帯となるかもしれません。官能的な時間ですし、お互いの自由度や個性も際立っていますし、愛が盛り上がる素晴らしい時間もたくさんあるでしょう。「おだやかなだけ、なんの波風もない」という雰囲気は微塵もありません。互いにして欲しいことがたくさんある一方で、外で体験してきたことを相手に語って刺激するような場面もあるだろうと思います。自由でありながら密着している、という、ある意味理想的な関わりの形を、この時期一気に作っていく二人も多いのではないかと思います。
フリーの人も、カップルも、愛する人間としての自分のスタンスや選択が、この時期少なからず変わるのを感じるかもしれません。かつての自分なら恋人に決して要求しなかったようなことを、ここでは求めたくなるかもしれません。あるいは逆に、これまでなら決して許せなかったことが、今はなぜか「いいよ!」となるかもしれません。これまで愛の問題を抱えていた人ほど、「なぜその問題が起こっていたのか」に気づき、その原因となっていた自分の心の深い場所にある「愛のルール」を変更できる時です。決めつけや思い込み、無意味な拘りや保身など、愛の世界には夥(おびただ)しい心理的トラップが存在します。そのトラップのいくつかを解消することによって、劇的に関係が改善するカップルも少なくないだろうと思います。
愛に強い追い風が吹くのは、7月後半から8月前半、10月下旬から12月中旬です。特に10月下旬から11月前半は「これでもか!」というほど、愛に強い勢いが感じられる時間帯です。「愛のミラクル」もこのあたりで発生するかもしれません。
8月下旬から2023年3月は、非常に官能的な時期でもあります。パートナーがいる人は、情熱的な素晴らしい時間を過ごせるでしょう。フリーの人も、性的な誘惑が多い時期となっています。自分が求めるものがなんなのかをしっかり確かめた上で、選択したいときです。
[目標・仕事について]
「役割」ができあがっていく時間に入ります。ここから2023年5月にかけて、ポジションが変わったり、新しい職に就いたり、新たな取引先との関係ができたりする人も少なくないでしょう。また、既にある仕事の内容がぐっと重みを増す可能性もあります。あなたが周囲に対して果たす役割が、大きく、広くなるのです。必要とされ、期待され、周囲からの声に大いに応える楽しさを感じられます。
調整、交渉、対応、引き受けたり任せたり。この時期の仕事の多くは、そうした「関わり」を前提としています。出動要請を受けて反応したり、相談を受けて仕事の内容を考えたり、提案をもらってそれに応えたり。「やりとり」の中で、いろいろなミッションが育っていく時なのです。周囲の言うことに唯々諾々(いいだくだく)と従うのではなく、自分の都合や考え、アイデアも、どんどん打ち出していく必要があります。相手のニーズと自分の考えをぶつけあって、そこから何か新しいものが生まれます。
「自分自身の目標をまっすぐおいかける!」「自分のキャリアを独自に設計する!」というような、自分を中心としてその周辺のことを考えるようなスタイルは、この時期にはあまりフィットしないかもしれません。「自分自身」を中心に置いたとしても、周囲との連携や調整はいつもよりずっと密度の濃いものとなるでしょう。そしてしばしば、最初に掲げた「自分自身の目指すところ」を、調整の中で軌道修正することになるかもしれません。
たとえば、進路を考えたり、スキルアップの方法を考えたりする時も、自分が置かれている環境や生活のありかた、社会情勢などからプランを起こしていくことになるかもしれません。「やりたいことをがむしゃらにやる」場合でも、それが可能な環境に身を置くことや、人から教えを受けることなどを視野に入れる人が多いでしょう。自分の生き方がどんな条件の下に置かれているか、ということが、この時期の仕事や目標を考える上では、とても大切なのです。周囲との調整ややりとりの中で、「何が自分に一番合っているのか」ということが、新しい形で見えてくるかもしれません。
特に忙しくなりそうなのは7月後半から9月頭、10月下旬から11月です。特に夏は、「いい汗をかける」時期となりそうです。
[家族・人間関係について]
2020年頃から、家族や身近な人との関係において、なんらかの課題や悩みを抱えてきている人も少なくないかもしれません。その問題がこの下半期、だんだんと「出口」に向かいます。完全に脱出できるのは2023年3月頃となるかもしれませんが、そろそろその脱出口が視野に入るのです。あなたがこれまで試行錯誤してきたその苦労が、周囲にも徐々に理解されるのかもしれません。働きかけてきた相手の心が、少しずつ拓き始めるかもしれません。あるいは、膠着状態を突破するための意外な打開策を、第三者が教えてくれる可能性もあります。
一緒に暮らしている人、始終顔をつきあわせているような相手とは、なかなか「距離」を調整できません。距離が近すぎるがゆえに、関係がこじれてもなかなか軌道修正できない、という現象はとても一般的です。少し距離を置いただけで、話ができるようになる、というケースもあります。この時期、もしあなたが身近な人との間に問題を抱えているなら、「距離」が非常に重要な条件となるでしょう。距離を置くこと、少し離れたところから相手のことを考えること、第三者の力をかりること。密着した心と心の間になんとか「風を入れる」ことで、コミュニケーションの余地が出てくるかもしれません。
人間関係において、それが他者でも、身内でも、「お世話をする・ケアする」ということがテーマになりやすい時です。誰が何を負担するのか、してもらうのか、してあげるのか。関係が近いほど、そうした役割分担は「自然に決まる」ことになりがちです。「出来る人が気がついたときにやる」などという一見最もらしいルールの下、誰か一人が徹底的に背負いこまされて、他の人はそれに気づかない、といった歪んだ現象も、よく発生します。この時期はそうしたアンバランスな役割分担を、根本的に変えていけます。必要な任務を意識化し、誰が何を担っているのか、誰がどんな苦労をしているのかを、ちゃんとみんなで解り合える流れを作れます。もしあなたが日々の暮らしにおいて、役割分担についての苦悩を抱えているなら、その苦悩はこの時期、解消に向かうでしょう。
8月下旬から2023年3月にかけては、経済的な関係性が大きく動く時でもあります。お金の貸し借りや、大きな買い物にあたって「誰が負担するのか」といったテーマで、しっかり話し合わなければならないかもしれません。
[お金について]
たとえば、パートナーが精力的に経済活動に打ち込み、そのサポートをする、といった展開になるかもしれません。あるいは、家族の誰かのお金を、相手のために管理・運用してあげることになるかもしれません。大きな仕事を引き継いで、今までとはケタの違うお金を扱うことになる人もいそうです。ローンを組んだり、投資をつのったりする人もいるかもしれません。これらはすべて、「他者のお金と自分」の関わりにおける動きです。この下半期から2023年3月にかけて、他人のお金と自分の手、自分のお金が、大きく交わることになるはずなのです。
いつもとは少し変わった出費があったり、面白い収入が入ったりすることになるかもしれません。お金について、あるいは物質的な価値について、新しい体験ができそうなタイミングです。