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関係、関わり、という言葉を、私は占いの中で、よく用います。
この「関」という文字は、「関所」という言葉があるように、もともとは、「門を開けたり閉じたりする」という意味を持っています。
「関係」という言葉の中には、「門を閉める」という状態、つまり、ある種の「距離・遮断」が組み込まれています。
2011年下半期から2012年初夏にかけて、蠍座の人は、誰かと真剣でゆたかな「関係」を築きます。
この「関係」は、元々は他人同士だっただれかとの結びつきで、そこには、門を開いて解り合える部分もあれば、門を閉ざしたように、解り合えない部分も存在します。
それでも、お互いに門を開けたり、閉じたりしながら、すこしずつ、そこに行き来する思いや物語を殖やしていくことができます。
人は、生まれた場所や育った環境など、だれもが独自のバックグラウンドを持っています。そこには、常識や習慣、文化や個性が刻み込まれています。
自分のバックグラウンドと他人のそれは、当然大きく異なっています。
ですが、そうしたバックグラウンドは、生まれながらに「自分のもの」であるため、故郷や実家にいるときは、自分には自分固有のバックグラウンドがあって、人とは違うのだということに、気づきません。
「他者」に出会い、そこで互いに、門を開いたり閉じたりしながら結びつきを育てていくとき、この「バックグラウンドの差」に、人はしばしば、驚かされます。
相手が持っている特徴への驚きもさることながら、自分はこのように個性的な存在だったのか!とか、自分の歩いてきた道には、こんな意味があったのではないか?など、「自分」についての発見が重なっていくのです。
自分自身、あるいは自分を作ってきた物語への「解釈」がそこに、生まれます。
他者と関わることは、まるで、自分の人生を「異国」として冒険する、旅のようなものとなります。
この下半期、あなたは「他者」と関わりますが、その関わりは、自分という一つの世界への旅となるでしょう。
相手を知れば知るほど、自分を知っていくことになるのです。
相手と自分のバックグラウンドの差を発見し、なぜ自分にこのような個性が生まれたのだろう?と、それを、探検していくことになります。
深い森に分け入るような、深海に潜水艦で潜ってゆくようなこの旅は、最初は、すこし怖く感じられるかもしれません。
ですが、そこで出会うのはおそらく、あなたが全く知らないあなたではなく、気づかなかったけれどもずっと側にいて一緒に育ってきた、兄弟姉妹のようなあなたの分身なのだろうと思います。
時期的なことを少し申しますと、まず6月から、前述のような「関わり」というテーマにぐっと力がこもります。
すでに知っているだれか、あるいはパートナーと真正面から向き合っていく人もいると思います。
さらに、新しく出会った誰かとの関わりを、一歩一歩、進めていく人もいると思います。
集団の人間関係ではなく、「一対一」の関わりが、この時期以降のメインテーマとなるのです。
6月中旬から7月は、さらに、その関わりが濃さを増します。
第三者にはわからないような、手応えのある交流が生まれ、無償の助力を提供したりされたりすることもあるでしょう。
人間関係に経済的な要素が絡んでくる可能性もあります。
8月から9月半ばは、遠出の気配が濃厚です。夏休みでもあり、旅行に出かける人も多いと思いますが、例年よりも遠くまで足を伸ばす事になるかもしれません。
8月中は、計画に変更があったり、なにかと遅延したりと、噛み合わなさを感じる場面もありそうですが、焦らずじっくり進むだけで、問題は自然に解決していきます。
9月下旬以降、11月上旬までは、仕事や対外的な活動におけるチャンスの多い時です。転職や異動など、思い切った決断をする人もいるでしょう。情熱を注げる目標に出会い、精力的に戦っていく時期です。
11月中旬から年をまたいで、あなたは「未来」に目を向けていくことになります。この「未来」にはもちろん、この時期全体のテーマである「一対一の関わり」「パートナーシップ」という要素がちゃんと組み込まれているはずです。
愛情関係については、冒頭から述べたことがそのままそっくり、当てはまります。
一対一の人間関係、パートナーシップは、恋愛もまさしくそのカテゴリに入ります。
この時期、婚約したり結婚したりする人も多いでしょうし、紹介やお見合いなどで相手を得る人もいるかもしれません。
あるいは、少し前に出会った人との距離が縮まったり、新たな相手に自然に巡り会う人もいると思います。
初夏から8月頭にかけては、「愛」について、固定観念を洗い流されるような出来事が起こるかもしれません。
「こんな気持ちがあったのか!」と驚かされるような、神秘的な体験をする人も、少なくないだろうと思います。
全体に力強い追い風の吹き続ける時期ですが、特に10月は、大いに支援を感じられるのではないかと思います。
悲しくても涙をこらえているとき、胸の中には、声をあげて泣いているもう一人の自分がいます。
怒りを抑えて冷静に振る舞うとき、誇り高くも激しく自己主張する、もう一人の自分がいます。
利己心を耐えて誰かに譲ったとき褒めてくれた、もう一人の自分がいます。
孤独の中で語り合った、もう一人の自分がいます。
私達は胸の中に、人に見せないもう一人の自分を生きている、という面があります。
その「もう一人の自分」の人生もまた、自分の人生そのものです。
この時期、あなたはそんな、気づかないままにずっと側にいた、双子の片割れのような存在に出会うのではないかと思います。
そしてこの出会いは、あなたと、リアルに存在する他者との関わりを通して、実現するものです。
パートナーとのしっかりした関わりや、この時期出会う誰かとのあたたかな関わりが、あなたに、もうひとつの出会いをもたらしてくれます。
このひそかな出会いは、あなたとその人のリアルな関係を、さらに強く大きくするための、偉大な力となるはずです。