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「一人旅」が、この時期の蠍座の世界のキーワードです。
文字通り、一人旅に出る人もいると思いますし、
もう少し別の形で、「旅」を体験する人もいるはずです。
基本的に同道者のいない、たった一人の旅路ですが、
目的地もありますし、誰かがあなたを待っていてくれます。
あなたがこの旅によって見つける場所は、ゆくゆく
「もう一つの居場所」と言えるような、特別な場所になります。
ヨーロッパの古い小説などを読むと、しばしば
貴族や芸術家などが「毎年訪れる場所」が出てきます。
避暑地であったり、冬には必ず訪れる場所であったり、形はさまざまですが
人々は決まった街や田舎町、知人の家などを定期的に訪れ、
数週間から数ヶ月滞在し、また、元の居場所に戻っていきます。
自分がいるべき「もう一つの街」を作ることは
一日に夜と昼があることに似ています。
そこには、「リフレッシュ」「気分転換」以上の、
もっと重要な意味があるように思われます。
たとえば、もう一人の自分に会いに行く、といったようなこと。
あるいは、自分の別の顔を探しに行くようなことなのかもしれません。
2013年後半から一年にわたる期間の中で、
蠍座の人が有形無形の「一人旅」によって見つけるのは
そんな、自分の住むべき「もう一つの街」なのかもしれません。
それは、一回だけの観光旅行のように
「ただ通り過ぎるだけ」では終わりません。
その土地に、そこに住む人々に、ある程度以上に深く関わり、
時空全体に受け入れてもらう必要があります。
ここで言う「一人旅」は、物理的な旅行の他に、
たとえば、勉強や努力などがそれに当たるかもしれません。
勉強や努力は、その人を遠い場所に連れて行ってくれます。
いずれにせよ、この「旅」によって、今まで知らなかった場所が
新たな「自分のフィールド」となるわけです。
過去を少し振り返ると、2012年の秋頃から、
蠍座の人は、雨上がりのような、夢から覚めたような、
とても鮮やかな視界の中にいただろうと思います。
私たちは、人からの期待とか世間的な価値観とか、
いろいろな想念を現実に当てはめて、
「イメージの世界」を生きているところがありますが
この時期の蠍座の人は、そうした想念を障子紙のように破り
生々しい現実をありのまま、取り扱ってきています。
理想や憧れとは違うものがそこにあり、
目の前にあるものに果たして、価値があるのかないのか、
自分の力で決めなければならなかったはずです。
名前のないものに名前を与え、流れ着いたものに場を与える。
権威と責任を背負った孤独な王様のように、
自分の周りに「現実の王国」を作り続けて、今に至るはずです。
目の前の毎日をひたむきに昇り続けること。
手元や足元から、未来を創造し続けること。
このことが、去年の暮れから今年の前半にかけて
大きくクローズアップされてきています。
もちろん、側に大切な人がいる場合もあると思いますし、
誰かにサポートしてもらえることもあるでしょう。
でも、そこで歩いていくのはあくまで、
自分の現実に立った、たった一人の自分です。
こうしたことが毎日少しずつ積み重なっているのですが、
景色はちっとも変わらないように見えるかもしれません。
これこそが、「一人旅」のもう一つの側面です。
ずっと変わらないように思える景色の中で
ひたすら「今」を踏み飛ばさずに進んで行くとき、
私たちは不意に、まったく知らない場所にたどり着いてしまうのです。
時期的なことを少し申しますと、
まず7月、かつて行った場所に再訪することになるかもしれません。
あるいは、ゆるゆると「旅立つ準備」を始める人もいると思います。
この時期に旅の予定を立てていたのに、
予定がいろいろな事情で延期になったとしても、慌てる必要はありません。
7月下旬以降、一気に遅れを取り戻し、無事に旅立つことができます。
8月になると、勢いはさらに増し、
冒頭から述べた「一人旅」が進んでいくことになるでしょう。
あなたが「一人では大したことはできない」と思い込んでいても
今のあなたのパワーには目を見張るものがあり、
周囲の人もあなたに大いに期待し、あるいは頼ることになるはずです。
9月になると、少し大きめのチャンスが巡ってきそうです。
ここから10月半ばにかけて、ガツンと勝負を挑む人も多いでしょう。
10月下旬になると、ペースダウンを余儀なくされそうです。
調子を崩す人もいるかもしれませんが、
焦らずじっくり休養をとりたいところです。
やり直しや差し戻しがあったり、待ち時間が増えたりしても、
時間が解決してくれます。
この時期は「先を焦らず、過去と親しむ」ことが大事です。
失ったものが戻ってくる可能性もあります。
11月中旬から、雰囲気は一気に加速しはじめます。
活動の自由度が増しますし、アクティブな仲間にも恵まれます。
時には議論も発生するかもしれませんが
おおむね、前向きな結論に結びつくでしょう。
12月、再び大きなチャンスが巡ってくるかもしれません。
強い追い風が吹き、長い距離を越えて旅する人もいそうです。
ずっと長いこと悩んできたテーマや、ひそかに隠してきた傷について、
ここから2014年夏までの時間をかけて、
じっくり取り組むことになるだろうと思います。
「不可能」が面白いプロセスを経て「可能」になる時です。
愛情関係については、実に「雄大」な時期です。
刹那的な恋愛感情にとどまらない
深い精神的な支え合いが生まれる気配があります。
愛についての視野が広がるときで、
相手の人間性に対する深い理解とともに、
自分という人間の力や責任、弱さや悲しみについても
理解が深まるはずです。
この時期、あなたは大樹のような信頼関係を
幾人かとのあいだに育てることになるのですが、
その中に、あなたの愛する人との関係も
ちゃんと含まれているだろうと思います。
愛に追い風が吹くのは9月から10月にかけてですが、
11月から2014年3月頭にかけての少し長い間、
愛のコミュニケーションが大きく育つ期間となっています。
フリーの人も、大切な人と深く語り合う時間を得られるでしょう。
冴えない少女が、特別な魔法によって一瞬で変身する、
というストーリーは、少女マンガやアニメーションでおなじみです。
少女たちは主人公に自分を重ね、瞬間的に理想が叶うことを夢見ますが
現実には、そんな「変身」は起こり得ません。
でも、多くの人が以下のようなことなら経験しているはずです。
ささやかでも夢が叶ったり、目標に到達したりしたとき、
今この場所につながる道を一歩踏み出した、最初の瞬間を思い起こします。
その時点の自分と今の自分を比べると、
なんと大きな変身を遂げたことだろう!と、驚かされるのです。
魔法による変身を見たのと同じ「奇跡」を感じるわけです。
「今の自分」から到達可能な「次の自分」へのステップを
一つも踏み逃さずに歩ききったとき、
私たちはいつのまにか、気が遠くなるほどの長い道のりを
たやすく飛び越えてしまうのです。
蠍座の人はそんな「飛翔」を、この時期、生きることになると思います。