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ある飲食店の店主が、こんなことを言いました。
「自分は店で『いらっしゃいませ』と言ったことがない。
お客への礼は、すべて料理の味で返すように努力してきた」。
接客に力を入れているお店が多い中で、
このような主張は一見、特異に見えます。
でも、この理想を受け入れるお客さんは大勢いて、
この人のお店は繁盛しました。
同じことに取り組んでいても「優先されること」は様々です。
お客の「居心地」を重視するお店もあれば、
前述のように「中身」を最優先にするお店もあります。
量でいくところもあれば、質でいくところもあります。
人の育て方でも、懇切丁寧に指導する人もいれば、
自由放任を基本とする人もいます。
何にでも、その人の大切にするものがあって、
そこに、方針が生まれます。
こうした「方針」は、その人の経験が元になります。
さらに、その人の持って生まれた「個性」にも、
深く根を張っているのだろうという気がします。
たとえば、言葉を扱うことが得意な人がいる一方で、
絵や五感を使うことが得意な人がいます。
自分の中にあるそうした、最も得意な部分が
上記の「方針」の土台とも材料ともなるわけです。
2014年後半、蠍座の人は「挑戦と勝負」の世界にいます。
この「挑戦と勝負」は大きな目で見ると、
2014年後半から2015年半ばまでの物語ですが、
特にその中でもドラマティックで熱い部分が
2014年の夏から秋に置かれています。
「勝負」と言っても、一番大事なのは
勝ち負けや人との優劣ではないはずです。
ここでの最重要テーマはおそらく、
上記のような「自分はこれを優先する」という方法論を、
目の前の状況に向かって、現実的に投げ込んで、
火花の散るようなやりとりをしながら鍛え上げる体験です。
ここでは、大きなチャンスがめぐってきます。
まだ誰も手をつけていないまっさらな土地を
わくわくしながら開拓し始める人もいるでしょう。
あるいは、到底不可能に見えたことを、
大きな壁を打ち破るようにして可能にしていく人も
少なくないだろうと思います。
ここでめぐってくるチャンスは、あなたを引っ張り上げ、
磨き上げ、鋭い光で輝かせるチャンスであろうと思います。
過去2年ほど、苦労して自分を鍛えてきた人も多いはずですが
そこで培った底力を、大舞台で披露できるのが、
この2014年後半から2015年前半という時間帯なのです。
特に2014年後半は、自分自身との闘いが発生します。
これは、闘いというよりは、
「自分の中で火打ち石を打ち合わせるようなできごと」
という方がふさわしいかもしれません。
あなたの中でぶつかり合ったものから、周囲を照らす灯火が生まれ、
そこから、暖炉のような、かがり火のような大きな炎を育ち、
あなたの周囲にいる人々に、強い影響を及ぼすようになるのです。
時期的なことを少し申しますと、
7月はこれまでの「旅」の結果として、
美しい花が咲くときです。
2013年後半から2014年前半は、
広い意味で「旅」の季節だっただろうと思うのです。
この7月から8月にかけ、改めて旅に出て、
これまでの旅で得たものの意味を知ることができます。
さらに、7月下旬から9月半ばまでは、
前述の「挑戦と勝負」のドラマが展開します。
社会へ挑むこと、自分と戦うこと、
形ある確かな結果を出すこと。
これらのことに、あなた自身の意志で
最もシビアに取り組むことになるはずです。
とはいえ、この取り組みにはあなたにとって、
わくわくするアドベンチャーのような、
夢中になれる楽しさもたっぷり含まれているでしょう。
自分の一番いいところや持ち味を出し、
それによって注目を浴び、称賛され、
新たなステージに上がることができるのです。
9月半ば以降は、こうした緊張感はゆるみ、
もう少しリラックスして過ごせるようになるでしょう。
10月は特に、時間の進み方がゆっくりになり、
未来よりは過去をじっと見つめる時間が多くなります。
自分の心の奥底との対話や、
他者の内なる秘められた物語との対話が生まれ、
目に見えない世界を掘り下げることになります。
11月はスピード感に溢れる、忙しい時期です。
特に、上旬から中旬にかけて、
熱くナカミの濃い対話が生まれます。
このときだからこそ語り合えることがあり、
この対話があったからこそ?めるチャンスがあります。
たくさん話しながら、貪欲に目標に近づけます。
12月は引き続き、コミュニケーションが活発ですが
これまでのような抜き差しならない感じは薄れ、
楽しく爽やかな知的交流を楽しめそうです。
この時期、引っ越しや模様替え、リフォームなど
物理的な環境に変化が生じる気配もあります。
12月下旬、ふわりとした解放感を感じる人も
少なくないかもしれません。
今まで2年ほどをかけて進んできたトンネルの
出口に近づくタイミングです。
愛情関係については、2012年春から
とても本質的な愛の世界を体験しつつあるはずです。
愛の世界では、進めば進むほど「自分を律する」ことが
大きなテーマの一つとして浮上します。
愛の場では、私たちはつい、感情に流されて
理性的なつもりで極端なことを言ってしまったり、
あとで後悔するような行動を取ってしまったりするものです。
そうしたことに陥らない強さを、
過去2年ほど、蠍座の人は経験を通して学び続けていました。
最初の段階では「感情をぶつけるか・ガマンするか」のような
幼い二択に囚われやすく、不器用にしか振る舞えませんが、
経験と訓練を重ねるにつれ、
相手の感情を理解し、自分の感情も理解した上で
お互いにとって最も望ましい着地点を考える
という態度を獲得できていきます。
2014年後半から2015年にかけ、蠍座の人は
「ただガマンする一方ではない、
本来の意味での『愛のための知的行動』が
できるようになっている自分に気づくでしょう。
以前の自分と比べて、ずっと「成長した愛」を
味わい楽しんでいる自分を見つけることができると思います。
愛に追い風が吹くのは7月半ばから8月半ば、
10月下旬から11月半ばです。
私たちは、物事を人から習い覚え、それを訓練して自分のものとし、
さらに、自分自身の偏りに合った形にカスタマイズしていきます。
カスタマイズするだけでなく、
それをもとに新たな創造へと向かう人もいます。
この時期、あなたは「自分のやり方」をごく個性的に創り上げ、
それを即、現実の舞台で試すことができます。
この時期、社会的に大きな成功を収めたり、
新しい地位を獲得したりする人も多いはずですが
そこでは「他の人と違い、自分はこうするのだ」という確固たる信念が
大樹のように育っているだろうと思います。