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「全体を眺める総論」
まずは「お疲れ様でした!」と申し上げます。
というのも、2012年からあなたの星座に滞在していた土星が、2015年9月、次の星座の射手座へと抜けて行くからです。
土星が自分の星座に巡ってくる時間は、言わば、長い階段をじっくり時間をかけて上り続けるようなタイミングです。それだけ大きなチャンスが巡ってきている、ということでもあるのですが、人に替わってもらうことのできない責任を背負い、自分の足で上り続ける日々は、プレッシャーやストレス、孤独感を伴います。
特に2014年中ほどから2015年半ばにかけては、大きな目標を?むためにダイナミックに動くことが必要だったはずです。ごく具体的で現実的な緊張感を乗り越え、何事かを自力で成し遂げたあなたが今、ここにあるのではないでしょうか。
大きな山を越えた今、ここからはもう少しリラックスした気持ちで、未来や「手の中」を見つめられるようになります。
いわゆる「金の亡者」と言いたいような、お金にこだわる投資家がいました。この人に、なぜそんなにお金を儲けたいのか、と聞いてみたところ、意外な答えが返ってきました。
「親のない子どものための施設に、大金を寄付したい」
と言うのです。
この人は、自分自身の幸福を、「子どもたちを助けること」に置いていたのです。
もとより「幸福」の定義は人それぞれですが、自分にとっての幸福とはいったいどういうことなのか、それを本当におしまいまで考え尽くしたことのある人は、そう多くないかもしれません。私たちは生活の中で常に目の前に巡ってくる雑多な苦痛や快楽と格闘することで手一杯で、遠く未来にある、心から充実できる到達点のことなど、考える余裕が持てないのです。
「お金が儲かれば幸せだ」「結婚できれば幸せだ」「子どもが持てれば幸せだ」など、「これこれがあれば幸せ」というイメージを描く向きもありますが、その一方で「何もかも手に入ったのに、なぜか不満で仕方がない」という人も少なくありません。
「Aというものが欲しい。Aを手に入れたら、Bというテーマを実現できる。Bが叶えば、Cにたどり着く」というふうに、段階的に「欲しいもの」を未来に展開させて考えていくのは、なかなか難しいことなのだろうと思います。
思うに、仕事も恋愛も子育ても、基本的に、楽ではありません。「辛さのない恋愛」や「苦悩のない子育て」などは、非現実的と言えるでしょう。仕事も恋も子育ても、悩みの巣窟みたいなものです。にもかかわらず、その悩みの種が「ない」となると、私たちはとたんに、それが欲しくなるのです。私たちは一体、何のために「悩みのタネ」を欲しがるのでしょうか。
「生き物としての本能だから」と言ってしまえばそれまでですが、私たちの心の中には、「苦労の種を欲しがる理由」が、まさに寄付のために苦労して蓄財する件(くだん)の投資家のように、刻み込まれているのかもしれません。
2015年下半期、蠍座の人々は「自分は何が欲しいのか」「自分にとっての真の幸福とは何か」を、改めて追究するプロセスに入ります。
音楽家にフライパンを持たせ、料理人にバイオリンを持たせても意味がないように、「自分だからこそ持つべきもの」が存在するなら、それは何でしょうか。
このことを、蠍座の人はこの下半期以降、時間をかけて考えることになるはずです。
「自分自身のこと(心、身体、夢、成長)」
身体がふわっと軽くなったり、気持ちが自由に解放されたりする時期です。体調不良に悩んできた人も、この秋を境に悩みが消えていくかもしれません。
ムリを続けていた人は、思い切ってその「ムリ」をリリースできます。自分で自分に押しつけていた重荷を、みずからおろすことが可能な時期なのです。
「やらなければならない」「こうでなければならない」といった義務や価値観は、これまであなたを大きく成長させたかもしれません。でも、それはあくまで、トレーニングのメニューのような、ある期間に限定的に必要な課題だったのではないでしょうか。
すでにその訓練を終えたあなたは、もう訓練に縛られることなく、今までよりずっと自由に活動することができます。これはたとえば、筋肉や体力がついた、ということにも喩えられます。かつては苦痛でしかなかったことも、力をつければ軽々とやってのけられます。重荷がなくなるというより、あなたに力がついて、それを重いと感じなくなる、ということなのかもしれません。
「他者のこと(人間関係、役割、ギフト」
私たちは心のどこかで「束縛を離れ、自由になりたい」と願います。でも、この「自由」を追求するほどに、私たちはかえって「関係性」の渦に飲み込まれていく生き物なのかもしれません。
たとえば、「他者との関係」という重力のような力から解き放たれようと、飛行機や宇宙船を発明して外へ外へと飛び立ったはずなのに、しばらく飛んでいるといつの間にか、「もしかしたらわかり合えるかもしれない知的生命体」を探し求めていたりします。
2015年下半期から2016年前半にかけて、蠍座の人は多くの「仲間」「友人」を得ることになるでしょう。この人たちとの関わりは、利害やビジネスを超えて、個人としての社会的理想を分かち合えるネットワークです。
自分を縛るような人間関係や組織から抜け出したところに、そうしたひろやかな「友」に出会えるのかもしれません。
特に仲間との交流が活性化しそうなのは、9月末から11月前半です。
「外の世界(仕事、勉強、社会的な活動、目標)」
2014年の夏から、大きなチャンスを?んだ人が少なくないと思います。この流れは2015年秋まで続いていくプロセスです。
この間、肩書が変わったり、大舞台に立ったり、大いに注目されたりすることになるでしょう。目立つ立場に立たされ、大活躍できる時間帯なのです。
いつもなら慎重になってしまいそうな場面でも、不思議と大胆に、楽観的に行動できます。安全策よりも勇敢な策のほうが、結果的には安定した着地ができるでしょう。
6月から10月上旬まで、あなたの仕事や対外的な活動は活気に溢れ、誰からも見える大きな結果を出すことができます。
9月を境に、これまで密かに抱えていた不安条件も、きれいに消えていくでしょう。
「中の世界(居場所、身近な人々、所有、土台)」
2012年から今に至るまで、あなたはじっくりと時間をかけて、着実な成長を遂げてきました。
真の意味で「大人になる」ための時期を経験した人が多かっただろうと思います。
「大人になる」とはどういうことか、定義はさまざまあると思いますが、この時期は特に「他者に対する責任を背負う」「社会的役割をみずから引き受ける」ことにスポットライトが当たっていたと思います。そして、自分が引き受けたことに関して、多くを学び、あるいはさまざまな人とのコミュニケーションを展開することに努力してきた人も少なくないはずです。
この努力は、どこか孤独だったかもしれませんが、その一方で、かなり根の深い、強い人間関係を創り上げる意味を持っていました。自分自身の力で、「友人知己」よりもっと親しい、後天的な「身内」を得た人もいるだろうと思うのです。
学び、語りかけ、結びついてきた関係は、今後あなたの強力な「味方」となり、あなたを守ってくれるはずです。
経済的な面では、この下半期からじっくり「大樹を育てる」時期に入ります。最初は小さな苗から始めて、徐々にたくさんの花と実をつける木を育てることができます。刹那的な一攫千金ではなく、長いこと使っていける灌漑工事のような「経済力の強化」を試みる人が多いでしょう。
ここから2年半ほどのなかで、不動産を手に入れる人もいるはずです。大きな、持ち重りのする「財」を手に入れ、さらに育てていくことが可能です。
「恋愛について」
コンプレックスや自己否定的な感情がすうっと消えていき、新しい愛の理想が浮かび上がります。
過去2年ほど、あなたは「自分」を抑え、人を「立てる」ことを心がけたり、自分の感情を後ろに引っ込め、相手の感情を引き出すように振る舞ったりしてきたのではないでしょうか。
「自分」を抑えることで、その分周囲がよく見えるようになり、他者への理解が深まっただろうと思います。その力は維持したまま、2015年下半期以降、今度は抑えていた「自分」を少しずつ、解放することができるようになります。
2015年夏から秋にかけて、恋愛や結婚を一つの「目標」とする人もいるかもしれません。結婚や出産を通して、社会的立場が変わる人も少なくないでしょう。
過去2年ほどの中であなたが培った「大人としての力」は、愛を実現し育てる場でも大いに活かすことができます。
さらに、愛について深い後悔を抱えている人は、8月末から11月の間に、その後悔から解放されるかもしれません。過去の恋愛に縛られて身動きできずにいた人も、この下半期を境に、動き出せるようになるでしょう。
「タイミング」
6月から8月頭は、旅に出ることになるかもしれません。遠い世界から「招聘(しょうへい)」されるような気配があります。
8月から9月は星座を問わず、やるべきことがぎゅうっと集中するタイミングですが、特にあなたの場合、仕事や対外的な活動の場で、大きな飛躍を遂げることが可能です。
9月から10月前半にかけて、誰かがあなたに頼ってくるかもしれません。大いに必要とされ、あなたでなければできないようなサポートをしてあげるところから、新しい役割を引き受けることになる可能性もあります。
11月から12月にかけては、あなたの愛を必要とする人に、真の愛をもたらせる時期です。無心の情熱を傾けるところから愛が生まれます。12月は特に、愛に溢れる時間帯となっています。友達が恋人へと昇格する可能性もあります。