2019年蠍座の上半期の占い

アーカイブ記事

「簡単にわかったりしない」態度が、真の理解への扉をひらく。

インタビューや雑談などでよく「好きな食べものは?」という質問が出ます。
これは、本当に相手の好物に興味があって聞いているというよりは、
話の種に困って、苦し紛れに出てきている場合も多いだろうと思います。
ですが、生き物として最も原初的な「食べること」というテーマまで降りていき、
そこからなんとかして「共感」の糸口を掴もうとすることは、
立派なコミュニケーションの手段と言えなくもありません。
たとえ相手が「宇宙人」であっても、エネルギーは摂取するはずです。
冒険者や文化人類学者などが、未知なる人々に出会った時
「一緒にご飯を食べたら仲間として受け入れてもらえた」
というエピソードをよく目にします。
たとえ、文化が違いすぎて口に合わないものであったとしても、
無理をして「美味しい」と笑ってみせることで、相手が心を開いてくれる、
つまり「共感」が生まれ、お互いに理解しようとする姿勢が生まれるわけです。

2019年上半期、あなたは「宇宙人との遭遇」のような経験をするかもしれません。
これは勿論比喩ですが、ある種のコミュニケーションの「型」がまだない場で、
相手との新鮮な接触を重ねながら、お互いを学びあっていく
といったプロセスが生じるのではないかと思うのです。
そこでは、食べることや持っている道具、感覚、生活の土台のような要素が
かなり大きな意味を持つのかもしれません。
あるいは、経済的な合理性や利害の一致なども、糸口として役に立ちます。
相手を理解するということは、相手の欲しいものを理解することであり、
あなた自身を伝えるということは、あなたの欲しいものを相手に理解してもらう、
ということに通じているのではないでしょうか。
そうしたことはもちろん、教科書には書いてありませんし、簡単にはわかりません。
他人を簡単にわかったつもりになる人たちに対して、
「あなたに私の何が分かるのですか!」という怒りを、多くの人が抱きます。
2019年上半期のあなたは、むしろ「簡単には解らないぞ」という精神によって、
人からの信頼を得、学びの機会を獲得できるのだろうと思います。
権力者や著名人、社会的地位の高い人が語った言葉を鵜呑みにする人も多い中、
常に自分の頭で疑いを抱き、「簡単に納得したりはしないぞ」と踏み止まる力こそが、
今の時代には、必要であるはずです。
何かを本当に知るために踏み止まることは、「時間の無駄」ではありません。
「わからない」状態に誠実に踏み止まったという事実こそが、
開きがたかった誰かの心の扉を開くカギとなることもあるのです。

2019年、あなたは経済活動の面で、大いに潤うでしょう。
棚からぼた餅のように富が降り落ちてくる、ということではなく、
あくまであなた自身が耕した畑に、あなた自身が蒔いた種から、
大きな実りを収穫できる、ということです。
何の脈絡もなく得られる宝物より、自分の手で生み出したもののほうがずっと、
「信じられる」価値を持ちます。
そして、そのサイクルは今後、確かに繰り返され、成長していくでしょう。
2015年から2017年、大きな経済的不安を抱えた人も少なくないはずですが、
あの頃、悩みながら一つ一つ積んできた石が、
今や立派な石垣となって、あなたの耕すべきフィールドを支えています。

・時期について
1月から2月半ば、非常に忙しい時期となるでしょう。やらなければならないことが年明け早々山積みになり、てんてこ舞いの状態となるかもしれません。特に「人から頼まれたこと」が多く、自分の感性で動くというよりは、人のニーズに応えることを求められます。ただ不思議なことに、「人に合わせて動く」形になればなるほど、結果的にあなた自身の持ち味や才能を生かすことができるようなのです。人からの要請が、あなたの才能を引き出してくれるようなタイミングです。

また、1月は経済活動に関して、前向きな動きの多い時期です。欲しいものが手に入りますし、自分の「欲」を全面的に肯定できる時です。

2月はコミュニケーションが温かく広がり、とても楽しい時間となりそうです。いろいろな人から誘われそうですし、対話の中に素敵なメッセージを見出しては、自分の糧とできるでしょう。褒められる場面が多いはずですが、お世辞と受け取ったり遠慮したりするのは、かえって相手に失礼です。素直に喜びを表明して、自信に変えたいところです。

2月半ばから3月は、人間関係に熱がこもります。刺激的な人に出会えますし、人と会う機会自体が増えるでしょう。
少し苦手だなと思える人と関わらなければならない場面もあるかもしれませんが、なぜその人が苦手なのか、と考えてみると、意外な原因が見つかるようです。たとえば、自分と似た欠点を持つ人を見つけると、強い嫌悪感を抱いてしまうことがあるものですが、この時期はそうした現象から学ぶことが多い時期なのです。
タフな交渉事に臨む人もいるでしょう。ここでの交渉は思い切ってぶつかって、確かな成果を得られます。

3月末から4月は非常に楽しい時期となっています。好きなことにどんどん打ち込めますし、遊ぶ機会も多く、愛にも恵まれるでしょう。
人から「受け取るもの」の多い時期でもあります。色々な提案を受けたり、熱くプッシュされたりするかもしれません。何を受け取るかはあなたの一存で決められるはずですが、「自分と関係がありそうなもの」を、ごくフラットな眼差しで探してみたいところです。

5月から6月上旬は出会いの多い時期です。好きな人に会うチャンスが巡ってきます。恋愛にも強い追い風が吹くでしょう。
また、5月から6月は遠出する機会も増えそうです。旅行や出張、留学など、思い切って長旅をすることで、素晴らしい「お土産」を持って帰れるはずです。

・愛について
たとえば「自転車の漕ぎ方を説明して下さい」「人間がどのように歩くか、言葉で説明して下さい」などと言われたとして、自分の動作を改めて確認して、説明したりしていると、だんだん歩き方がギクシャクしてきたり、どうやって歩いていいか一瞬、分からなくなったりします。
普段、ある行為や物事を一つのまとまりとして私たちは扱っていますが、そのまとまりを改めてよく見つめてみると、全体として「いつもどおり」に捉えることが、難しくなる場合があります。

この時期のあなたの「愛」も、ちょうどそんな所があるかもしれません。恋すること、愛すること、人を好きになることについて、「それって、どうやってやっているんだっけ?」と、少し分からなくなるのではないかと思うのです。
これは決して、悪いことではありません。それどころか、愛や恋についての自分の感覚、感性のようなものが、ごくフレッシュな状態に戻る、というイメージのことなのです。
若いときにした初恋のような感情を、私たちはどこかで見失います。でも、人生のある場面において、あのキラキラした感情を思い出すこともまた、起こり得るのです。たとえ20年も30年も連れ添った相手であっても、まるで今日出会ったばかりのように、新鮮な印象を持つ、ということが起こります。

この上半期、蠍座の人々は自分自身の「愛」を、ごくフレッシュな形で取り戻すことができるようです。よく知っているはずの相手が、まるで新しい人物のように見えてきます。愛を探している人も、「自分の恋愛はこのようなものだ」という諦念を吹き飛ばされるでしょう。

愛に変化が起こりそうなのは、2月半ばから4月中旬にかけてです。この長い期間の中で、あなたは愛に関して「いつもとは違うこと」が起こりつつあることに気づくでしょう。それは、あなたにとってごく前向きで、正しいことなのだと思います。
3月から4月にかけて、失った愛を取り戻す人も少なくないはずです。

・住処、家族、人間関係について
人間関係も大きく変わり始めます。ご近所さんや会社の同僚など、ずっと同じだと思っていた「いつも顔を合わせる相手」が少しずつ、変化し始めるのです。とはいえ、「これで会えなくなる」といった悲壮なことではなく、ただ場所が少し移動するだけ、ということが多いだろうと思います。
会社や学校など、否応なく同じ場所に毎日集まっている場合、私たちは容易に交流を継続できます。でも、たとえば友だちが転校したり、同僚が転職したりしたとき、その関係が続くかどうかは、自分たちの意志にかかっています。この時期のあなたは、「その関係を維持するかどうか」を、自分の意志で決めなければならなくなるかもしれません。「近くにいて、何となく仲良し」から、「お互いに大切にして交流を続けている、友」になれるかどうか、その分岐点がこの2月から3月頃の時間に置かれているようです。

家族や身近な人々との関係においては「相手の話をよく聞く」ことに軸足が置かれます。伝えたいことがあると決然として迷い無く伝えることのできるあなたですが、「話を聞く」ほうは、けっこうさっくり諦めてしまう場合があります。「言いたいことがあるなら言ってくれるだろう」と考えてしまいがちな人も少なくありませんが、なかなかふさわしい言葉を思いつかない人や、話す機会を捉えるのがへたくそなひとも世の中にはたくさんいるのです。そうした人たちが「話し出すのを待つ」ことが、この時期のテーマとなるかもしれません。根掘り葉掘り聞き出したり、問い詰めたりするのではなく、相手のタイミングやリズムを「読み取る」ことが、この時期のあなたには、上手にできるようなのです。
特に1月から2月、そして5月から6月に、そうした「コミュニケーションのチャンス」が巡ってくるでしょう。

・仕事、勉強について
これまでなんとなく仕事が「地に足につかない」ような感じだったなら、この3月頃を境に、仕事が身体にすうっと入ってくるような、どっしりと落ち着くような感じがするかもしれません。自分一人で空回りしているような気分だった人も、周囲にちゃんと受け入れられ、必要とされている手応えを得られるでしょう。

年明け1月後半、キャリアに関して少々驚きを伴うような変化が起こるかもしれません。重要なポジションに大抜擢されたり、活動の場を取り巻く環境ががらっと変化したりする気配があります。
1月から2月、そして3月下旬から5月前半はかなり忙しい日々となります。精力的に活動して、実質的な成果を挙げられるでしょう。
今の仕事が自分にあっていないと思える人は、年明けから2月にかけて転職を成功させられるかもしれません。

勉強に関しては、2017年頃からの地道な努力が形になり始めます。「やっとここまで来られた!」という達成感とともに、「あとどのくらい頑張れば目標にたどりつけるか」という具体的な見通しがつくでしょう。
1月から2月は学ぶことを大いに楽しめますし、5月半ばから6月も、精力的に学べる時期です。特に初夏は、研究や取材活動など、スケールの大きな知的活動を展開できそうです。

・お金について
2019年は蠍座の人にとって、平たく言えば「金運の年」です。従って、この上半期にも前向きな展開が見られるはずです。特に1月は勢いよく経済環境が好転します。欲しいものをどんどん手に入れられますし、収入の拡大を実現するための端緒を切りひらけるでしょう。攻めの姿勢で臨みたいところです。

2月から4月は、経験をもとに経済活動の軌道修正ができる時期です。自分が欲しいものは何か、何を手に入れれば幸福になれるのか、といったことを検証し、その道筋をつけることができるでしょう。

・健康について
過去7年ほど、体調が不安定だった人も少なくないかもしれません。身体の事に極度に無頓着だった人もいれば、ワーカホリックになりすぎて常に体調不良だった、という人もいるでしょう。中にはストイックすぎるほどの健康法を試して、かえって健康を害した人もいるかもしれません。そうした、少し過剰な感じもある健康上の不安定さが、この3月を境にすうっとおさまるでしょう。
自分の今の身体に合った自然な、地に足のついた生活リズムを取り戻せます。自分の身体を受け入れたり、ゆるしたりすることが容易になります。リクツではなかなか扱えないものが「身体」だと思うのですが、その非合理的な面をこの時期は前向きに受け止め、身体とラクにつきあえるようになってくるはずです。