2014年射手座の上半期の占い

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人に好かれるために、努力する。
私たちの多くは、子供の頃から無意識に、それを期待され、また、当然のこととして受け入れています。
マナーを学び、言葉遣いや文字を学び、美しい服を着たいと願い、お化粧するのも、「人に好かれるため」という目的が根深く含まれています。
人に好かれるためには色々なことをガマンしなければならない、というのも、まあ、常識と言っていいのではないかと思います。
シンデレラの物語で、ガラスの靴を履くためにお姉さんたちが踵や足指を切り落としたのは、現代で言えば「整形」にあたることと考えることもできるかもしれません。

その一方で、私たちは「ありのままの自分を理解し、受け入れてもらいたい」という望みを心の中に抱いています。
足指や踵を切り落とすことなく、自分の足にぴったり合うガラスの靴が、一足ではなくたくさんあったら、どんなにすてきなことか、と思います。
やりたいことや言いたいことをぐっとガマンし、自分の好きなものを手に取ることを諦めて「人に好かれる」なんて、思えば、ナンセンスなのかもしれません。

2014年上半期、射手座の人々は今まで「人の目」のために纏っていたマントを、ひらりと脱ぎ捨てるのではないかという気がします。
もちろん、自分を守るために必要な衣服はちゃんと身につけたままであろうと思いますが、それ以外の少々過剰な「覆い」を、ぱっととりのけて、そこから人間関係を拡げていくアクションを起こす人が多いだろうと思うのです。
多くの人が、ケンカや口論を避けるためにあたりさわりのない話をするような場で、敢えて本音で議論を始めるかもしれません。
仲間同士で旅行に行くことになったとき、ほぼ満場一致で決まりそうな行き先に自分一人で「ノー」と言ってみるのかもしれません。
どんな形でかはわからないのですが、「今までならガマンしてしまっていたかもしれない」という場面で、敢えて素の自分をぶつけてみる、という選択をする機会が、めぐってくるだろうと思います。

もとより、射手座の人はそうしたことが得意なのですが、この時期のそうした「一見ワガママなアクション」は、実は、本当に「自分のためだけ」ではないようにも見えます。
「一石を投じる」ことは誰にとっても勇気が要ることです。
「多くの人が納得していて、それでうまくいっているのだから、自分も従おう」という態度には、謙虚さや思いやりの他に、「思考停止の怠惰」という密かな悪が含まれている場合も少なくありません。
この時期の射手座の人の「ワガママの発動」は、そうした思考停止に対する反抗心の表れでもあるのです。
本来ならプライベートなものであるはずの願望を、敢えて周囲の人たちに示し、共有してもらうことで、新しい時間の渦を創り出そうとしているわけです。
こうしたアクションは、今までにない情熱的な「仲間」を引き寄せます。
思った通りのことを主張したとき、思いがけずそれに賛同し、一緒に動いてくれる人が現れるのです。
「物事を丸く収めようとする配慮や謙譲さ、ひかえめさ」によってではなく、「とんがった個性や欠点、独自性」によって人と関わり、信頼し合い、愛し合っていくことができます。
「自分」を抑えるのではなく外に出すことによって、人間関係や世界が広がっていく時期です。

また、この時期は「人がくれるもの」が、あなた自身の欲望を、鏡のように映し出しているかもしれません。
人は、見たこともないものを「欲しい」とは思えません。
何らかの形で情報を得、あるいはイメージを刺激されて「欲しい」という思いが湧いてきます。
この時期は、情報やイメージではなく、ギフトとして現物が手渡され、そこからあなたの欲望に不思議な火がつく、という展開になりそうです。
たとえば、あるブランドの小物をもらって、その小物が大好きになり、数年して気がつけば服の多くがそのブランドになっていた、などということがあります。
人から手渡されるものによって自分の中にある願いに出会う、そんな面白いストーリーをこの時期、体験できるのではないかと思います。

時期的なことを少し申しますと、まず1月、ものを修理したり復活させたりする作業をする人が多いかもしれません。
なくしたものを取り返す人もいるでしょう。
2月はコミュニケーションが復活する気配があります。
古い知人に連絡を取り、会いに行くところから始まる物語があるでしょう。
また、故郷に戻ったときに面白い宝物を発見する人もいるかもしれません。
家族や身近な人が、意外なチャンスをくれる可能性もあります。
3月はたくさん外に出かけ、たくさんの人と会える時期です。
旅行の気配もありますし、勉強に打ち込む人も少なくないでしょう。
行動範囲が軽やかに広がっていく時期で、自分から人に声をかけることで道が拓けていくはずです。
4月は星座を問わず、多くの人が転機を迎える時期です。
射手座の人にとっては特に、人から任されることや人から受け継ぐものが多くなりそうです。
スポーツ選手がチームからチームへと「移籍」するような、そんな出来事が起こる可能性もあると思います。
5月は力強いサポートが得られる時期です。
特に「自分ではできないこと」を、片腕のように担ってくれる人に恵まれそうです。
目立たないところで導いてくれる人にも出会えそうです。
6月は、人との再会の気配が濃厚です。
あなたの方から、誰かの助力を求めるために人に会いに行くことになるのかもしれません。
遠慮せず率直に意志を伝えることで、新しい仲間を増やすこともできるはずです。

愛情関係については、色々な意味で「深い」時期です。
どんなに知り合った仲でも相手の心を完全に知ることはできませんが、そうした「完全には知り得ないような、人の心の深さ」を、愛の場において実感できるような出来事が起こるでしょう。
期待しているような言葉ばかり探したり、やりとりの表面をなぞるようにしか理解できなかったりするうちは、愛に関する肝心なことが見えてこないかもしれません。
この時期は非常に官能的な雰囲気があり、誘惑も多い時期なので、「本物」を見通す眼差しがとても大切です。
どこかで見たような愛の言葉ではなく、お互いの間で必ず理解し合えるような、心の奥から紡ぎ出した言葉を用いることが必要になるでしょう。
愛について強い追い風が吹くのは5月です。