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だれもが「自分の住む世界」を独自に、持っています。
自分の住む場所があり、そこで関わる人々がいて、
職場や学校に通い、友人と交わり、あるいは様々な経験を積み重ねて、
それら全体を「自分の住処」としています。
社会的に自分が属している「場」、
個人としての自分を取り巻く「場」。
この「場」は、物理的条件だけでなく、人間関係によってできているものでもあります。
私たちは「場」を選び取ったり、与えられたりして、
自分の手でそれらを組み合わせて
「自分の住む世界」を頭の中に、作り上げています。
これは言わば、自分の住む「天地」です。
たとえば、同じ家に住み、同じ場所に通って活動するような生活をしていても
役割が違い、人間関係も微妙に違い、過去や未来が違っているわけで
やはり「同じ世界に住んでいる」とは、言えません。
自分が住んでいる世界の全てを、他の誰かに理解してもらうのは
おそらく、不可能であるはずです。
その一部を共有したり見せたりすることはできても、
総体としての「自分の住む世界」を人に見せることはできないのです。
2008年頃から、あなたは自分の「天」にあたる部分を
静かに、ひそかに、あるいは大々的に、変容させてきました。
このプロセスは時間をかけて進んでいくものであるため、
大樹の「成長」をリアルタイムには体感できないように、
なかなか、実感としてはよくわかっていないかもしれません。
でも、2年前と今とを比較すると
今のほうが多少なりとも、
貪欲であったり、あるいは、自ら強い力をかけたりしているのではないかと思います。
さらに、2011年以降は、
自分自身のありかたを変えたり、人と自分の関係を組み替えたりすることにより
その変化を加速させてきたのではないかと思います。
そうした、じわじわと時間をかけて進むダイナミックな変容に、
2013年はもう一つの動きが加わります。
それは「天」に対する「地」の変容です。
「天」が外に向かっていく方向、社会や外の世界の方向ならば
「地」は、自分をごく身近にあってとりまくもの、
たとえば居場所や家族、自分が属しているコミュニティ、心の最も近くにあるもの、
ルーツや国です。
切っても切れないもの、身体や心情の一部が深く根をはって融合しているもの。
そうしたものが、「自分の住む世界」における「地」の部分と言えます。
この「地」が1年をかけた変容のプロセスに入るのが、
2013年の大きなテーマの1つなのです。
具体的には、引っ越したり、家族が増えたり、
今までよりも自分自身の生活に近い所にある条件に対して
重要な役割を担うようになったりするのかもしれません。
地域コミュニティの中で重要な役割を果たしたり
自分の「ルーツ」を強く意識したり、
親族の中で大黒柱的な役割を引き受けたりする人もいるでしょう。
あるいは、新しい家族を持ったり、
自分の手で「居場所」を創造したりする人もいるはずです。
人は、自分が生まれる場所や家庭を自分で選べるわけではないので、
自然、自分を取り巻く条件は、「与えられたもの」である部分が大きいわけですが
この時期はその「与えられたもの」のなかで、
それを取捨選択することをゆだねられます。
一見「逃げられない」ように見える条件の中でも、
もしそれを引き受けたくないならば、引き受けない決断をする
ということができるわけです。
あるいは、今まで無意識に「逃げられない」と思い込むことによって
敢えて選ぶ責任を負わずに来たことに気づき、
卒然として自分の内なる希望と恐怖に目を向けることになる人も
少なくないかもしれません。