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少年マンガの中で、
ほとんどの主人公は「戦い」に明け暮れます。
凶悪な敵と戦ったり、強大なライバルと戦ったりすることで
物語が展開していきます。
戦えば戦うほど、主人公の潜在的な才能が目覚め、開花し、
さらに鍛え上げられていきます。
物語の始まりには子供っぽかった表情が、
次第に周囲の信頼をあつめ、
人間的な厚みを帯びたものへと変わっていきます。
そうした物語を読むとき、私たちは、
主人公が歩む物語の本質的ゴールが
「その敵を倒すこと」「その試合に勝利すること」
ではないことを、直観しています。
負けようが、勝とうが、本当は、どうでもいいのです。
問題は、そこで主人公がどんな才能を花開かせ、
どんな力を手に入れるか、ということなのです。
彼等の「戦い」は、敵との戦いから、
自分自身との戦いへと変化していきます。
2014年前半、牡羊座の人々の風景は、
ちょうどそんな少年マンガのような雰囲気を持っています。
すなわち、「誰か」と、熱く対峙することになるのです。
刺激的な出会いや情熱的な関わったり、
タフな交渉に挑んだりと、
冒頭から述べたような「戦い」がそこに、展開していきます。
他者と出会い、情熱をぶつけ、ときにぶつかり合う中で、
実際「他者」の中にあなたが見ているのは、
その人がいなければ気づくこともできなかった、
他ならぬあなた自身の姿です。
ここで相手という鏡に映し出されるあなたの姿は、
おそらく、かねてから「自分はこういう人間だ」と信じていた姿とは、
かなり違ったものとなっているはずです。
ライバルとの戦いも、ビジネスの交渉も、
恋愛のやりとりでさえ、
そこにはどこか「勝負」の意味が込められています。
こちらの意志が通れば、それは「勝利」ですし、
意志を通すことができなければ「負け」です。
ですが、この時期牡羊座の人が直面する「戦い」はおそらく、
「勝ち負け」は問題ではありません。
たとえばその目的は、
自分を今までにない形に変革することであったり、
何か大きな野心に到達することであったり、
人と深く結びつくことであったりするかもしれません。
生き物同士のあいだには、
しばしば、切っても切れない関係が結ばれます。
たとえば、樹木の実を小鳥がつつき、
小鳥のお腹に入った種子が遠くまで運ばれていって、
フンとして地に落ち、そこから樹木の新しい芽が出て育っていく、
というような関係です。
コバンザメや、寄生虫を食べる鳥と大型獣など、
善意や道徳ではない、命の緊密な「助け合い」が、
生き物の世界には広く存在します。
私たち人間同士のあいだにも、
そうした「もちつもたれつ」は随所にあります。
生活の必要や利害関係の上だけでなく、
心情的に支え合う「もちつもたれつ」もまた、そこら中に存在しています。
2014年前半、牡羊座の世界において、
新たな「もちつもたれつ」が、熱いぶつかり合いの中から生まれます。
出会い、関わり、対立し、さらに相対するところに、
密度の濃い、豊かな関係が、深く根を下ろすことになるのです。
こうしたプロセスは、
この時期出し抜けに始まるものではありません。
すでに2012年後半頃から着々と進んできたストーリーが
ようやく、このような形で実を結ぶ、ということだと思います。
この2014年は、そのストーリーにおける
「クライマックス」のような出来事が幾度か、起こりそうです。
クライマックスには、物事が強い緊張の中に置かれ、
予想外の出来事が起こり、
激しいぶつかり合いの中から強い光が生まれます。
2011年頃から2013年に至るまで、
様々なことが一変してきたと思います。
その「変化」は、これまで、
あなたの周囲にとどまるものだったかもしれませんし、
どこか「内側」で進んできた面があったかと思います。
2014年は、先に進めば進むほど、その「内なる変化」を、
徐々に他者にぶつけたり、
自ら表現したり、
遠い世界に出向いて成果を試したりすることになります。
自分の中に起こった変化を、
「外へ外へ」と出して行く段階に進んでゆくのです。
自分の中だけで起こっている段階では、
フィードバックを得られることがありません。
これを外の世界に「出して」いくと、反応が得られますし、
他者に対して影響を及ぼすこともできます。
そうしたフィードバックは、
変容の方向を、軌道修正してくれます。
2014年は、2011年以来の、あるいは2008年以来の変化の結果を
、他人に、外界に、「ぶつけ始める時期」です。
たとえば、今までは内輪ウケだったものを
外の世界に問うてみるのかもしれません。
または、今まではごく親しい人とだけやっていたことを、
全くの他人と組んでやることになるのかもしれません。
この「ぶつける」作業は、あくまで段階的に進展します。
最初は、誰かとの一対一の関係において行われ、
次に、自己表現というかたちで現れ、
2014年の年末から2015年にかけて、
たくさんの人々がいる遠い世界へ「発信」する、
といった段取りになるはずです。
前述の「熱い対峙」「戦い」は、
あなたに起こった2011年からの変化を
「顕現する」意味を持っています。
2014年後半から2015年前半は、
牡羊座にとって「愛と創造の季節」です。
この間、自分の内なるものを、
自分の弱さに傷つけられることなく、
のびのびと外の世界に打ち出していくことができます。
恋愛や子供との関係において素晴らしい成長を遂げられますし、
創造的な活動に携わっている人は、
「代表作」を作り上げることができるでしょう。
愛や創造という活動は、
外から眺めたり、夢見たりしているときには、
いかにも美しく、甘い世界に感じられます。
でも、その「中」に入ると、もしかすると、
そこは最も厳しい世界と言えるかもしれません。
恋愛において、創造活動において、子育てにおいて、
だれもが不安になり、切なさに耐え、
答えのない世界をさまよい歩く苦悩を体験します。
それでも、そこで得られるものはやはり、
誰もが心から欲しがるかけがえのない宝物であり、
「人生の意味」と呼べるものの1つなのです。