牡羊座の今年の占い

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「賢いね」と褒めるより
「よくがんばったね」と褒める方がよい
という話があります。
子育てをする上で、
持って生まれた能力や長所を褒めるのではなく、
その子が努力したという事実や、
成し遂げたことについて褒めると、
意欲が増すというのです。
これは、ほめ言葉をエサのようにした
「条件付け」ではないだろうと思います。

私たちは幼い頃から無意識に
「自分はこういう人間だ」
という「セルフイメージ」を抱きます。
これはいわば「アイデンティティ」に近いものです。
「アイデンティティ」は、たとえば
「日本人である」とか
「1990年代生まれである」など、
持って生まれた条件で創られることもあります。
更に
「元高校球児である」
「○○大学OB・OGである」
というふうに、
所属した集団や、
過去の体験によって創られる部分もあります。
そして何より、
「人からこう言われた」という記憶が
「セルフイメージ」の材料となります。
ほめ言葉も、けなす言葉も、
みんな「自分」のイメージに入り込みます。

もちろん、
時間の流れとたくさんの経験のなかで
忘れ去られる言葉もたくさんあります。
でも、ごく幼い頃に言われた言葉がそのまま
「自分はこういう人間なのだ」
という認識の土台として
死ぬまでのこり続けることは、
よくあることなのです。

もし、幼い頃から
土地や所属ではなく、
主に「頑張ったこと」「達成したこと」を評価されてきたなら、
「アイデンティティ」や「セルフイメージ」もまた、
「なしとげたこと」「がんばったこと」で
構成されていくのではないでしょうか。

年齢をかさねてからも、
大きな仕事をしたり、
長期間海外に滞在したり、
勲章やメダルをもらったりすると
それがすぐ、
「アイデンティティ」や「セルフイメージ」に組み込まれます。
受賞歴や滞在国などのわかりやすい固有名詞がなくとも
「フルマラソンを走れるようになった」
「20人のチームのマネジメントをこなせるようになった」
「苦手だった料理ができるようになった」
など、
達成したこと、経験したことが
自分のアイデンティティに入ってきたとき、
人生の方向性もまた、変化し始めます。
「出来たこと」が「自分」に流れ込むと、
そこに新しい可能性が生まれ、
スタートラインが引かれることになるのです。

「人生」のスタートラインには、
「自分」があります。
少なくとも星占いでは
「スタート」と「自分」は、
同じ場所に、重なり合っています。
「自分はこういう人間だ」という認識、
つまり「セルフイメージ」「アイデンティティ」は、
星占いでは「人生の出発点」なのです。
自分が何者か、ということが
未来を目指して一歩を踏み出すときの、
目に見えない原動力なのです。
あるいは、
「自分は何者なのか」
という謎が、
新しい世界に踏み出すきっかけとなることもあります。

2020年、牡羊座の世界では、
「自分自身」と
「なしとげたこと」とが、
両方、これでもか! というほど、
ぐりぐりに強調されています。
つまり、
「ここまでに成し遂げたこと」が、
どんどん「アイデンティティ」に流れこみ、
「自分」が強化・刷新されるのです。

ここで言う「なしとげたこと」の内容は、
昨日今日のことではありません。
2008年頃からの取り組みかもしれませんし、
2017年の終わり頃からの取り組みかもしれませんし、
2019年から2020年いっぱいに跨がる、
一連の活動なのかもしれません。
あるいは、それらが重なり合って、
2020年という時間でいちばん大きな高まりを見せ、
その高まりの膨大な輝きが、
ドカーンと「自分」に流れ込んでくる!
というようなことなのかもしれません。

海にマグマが盛り上がって、
新しい島が生まれるように、
「自分」という存在の明確な拡大を体験する人もいるでしょう。
この「自分」の感覚の拡大は、
決して「自意識過剰」といった、
幻影のようなモノではありません。
実質的な取り組み、野心に向かって進んできた実績、
ずっと歩き続けてたどり着いた場所、
というように、
かたちある、誰からも見えるものが、
あなたの生き方を新しい形で、
下から押し上げてくれることになるのです。

2020年はそういう意味で、
「ゴール」の年であると同時に、
「スタート」が準備される年でもあります。
「やってきたこと」の成果が
「自分」に流れ込んで、
新たな始まりの下地が整います。
「新たな始まり」がいつになるのか、
ということについては、おそらく、
2021年から2023年の中で訪れるはずです。