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あちこちで何度も書いていて恥ずかしいのですが
私は児童文学の『ドリトル先生』シリーズが大好きです。
動物語の話せる獣医であり、精力的な博物学者でもあるドリトル先生は
作中、よく旅行に出かけます。
といっても、飛行機に乗ってびゅんと飛んでいく、
というような旅ではありません。
ドリトル先生はまず船をチャーターし、
そこに食料や実験道具を積み込んで、
家族の動物たちを乗せて、旅に出るのです。
目的地も、よく知られた場所ではなく、
病気に困っている動物たちに招かれて行く「秘境」であったり、
遭難してたどり着いた海のど真ん中だったりします。
ドリトル先生は、旅に出るにあたり
その目的地を決めるのに、あるゲームをしました。
それは、地図帳をもってきて、自分は目隠しをし、
ランダムにばらばらとめくって、その上にエンピツの先を突き立てて
そこがどこだろうと、その場所に向かう、というゲームです。
私などは商売柄、ゲームと言うよりは、占いに近いな、と思います。
タロットやおみくじなどと、基本的には同じ発想です。
「ランダムに引いたものの中に、為すべきことが書かれている」わけです。
どこにでも行けるとき、
私たちは容易に目的地を決められません。
一方、ドリトル先生のように
完全な偶然に身をゆだねてみよう
という、勇敢な覚悟を決めることも
結構難しいものです。
レストランのメニューを見ながら
「どれも美味しそうで、全然決められないなあ、どれでもいいや」
という気分の時でも
「じゃあ、デタラメに決めてあげるね!」と言われて
「あなたはこのメニューね」と決められたとたん
「待って、やっぱり自分で決める」と言いたくなります。
2017年の水瓶座の世界は、まさに
「どこにでも行ける」状態になっています。
すでに遠い冒険の途上にある人もいるでしょうし、
年明け以降、遠征を企画中の人もいるはずです。
「どこに行くか」がすでに決まっている人は
それでいいのですが、
どこかに行きたい気持ちはあっても、
どこに行けばいいかがわからず、動けない
という状態の人も、もしかしたら、いるかもしれません。
ですがおそらく、
ドリトル先生の「地図帳ゲーム」のように
最初に目指す目的地は「どこだっていい」のかもしれません。
どこに向かって行こうと、最終的には
行くべき場所にたどり着いているのです。
絶対にたどり着こうと心に決めても、
たどり着けない場所もあります。
エベレストに登りながら、条件が悪くて山頂を諦める
という人はたくさんいます。
一方で、目指していたのとは全然別の
素晴らしい場所にたどり着いて
「こここそが自分の居るべき場所だ!」と
心に決める人もいます。
「目的地」は、まさに旅の目的のようであって
実際はそれほど「目的」ではないのです。
旅をすること自体が大きな目的なのであって
「どこに行くか」は、ちいさな問題だったりすることもあります。
おそらく、2015年から2017年という時間は、
水瓶座の人にとって
「目的地を目指す時間」というよりは
「目的地を探す時間」だったのではないかと思うのです。
「目的地を探す」といっても
机に座って旅行ガイドを眺めるようなプロセスではありません。
そうではなく、むしろ、
偶然と直感に頼りながら自由に旅を続け、
その旅を通して目的地を探し当てよう
というのが、
2015-2017年の水瓶座の世界なのではないかと思うのです。
2017年の年末から2018年にかけて、
水瓶座の人々の多くが
「ここだ!」
という、目的地を発見できるはずです。
更に言えば、2021年頃までの中で
「目的地を目指し、そこにたどり着く時間」を
経験することになるだろうと思います。
少々フライングになりましたが、水瓶座の人にとって
2017年ほど「旅」に適した時間も珍しいように思います。
かつて乗ったことのない乗り物に乗り、
見たことのない景色を見て、
大きなカルチャーショックに自ら身をゆだね、
考え方を果敢に変えていくことになるでしょう。
コミュニケーションの輪も驚くほど大きな広がりを見せますし
勉強や研究活動も、精力的に展開していけます。
この時期に貯えた知的なパワーは
すぐに、冒険を進める燃料に変わっていきます。