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私はずっと以前から
ドラゴンクエスト
というゲームシリーズが大好きなのですが
シリーズ中何作かで
「ゲームの冒頭では
主人公の実の親がわからない」
という設定があります。
拾われて育てられた、など、
複雑な出生のヒミツがあって
そこから物語が始まるのです。
ですが、ゲームのストーリー自体は
「出生のヒミツ」にこだわることなく
むしろ、その他に世界が抱えている問題や
人々が困っていることなどを
一つ一つ解決し、
最終的に世界を救うような大勝負に挑む
というところに主題が置かれています。
もちろん、ストーリーの中で
出生のヒミツは解明されるのですが、
主人公の主たる関心事はそこにはない、
という気がします。
あくまで、「世界を救う」戦いのほうに
価値観の軸足が置かれているのです。
小さな戦いから大きな戦いへと
話が展開して行くにつれて
最初の段階で主人公が背負っていた
「影」や「闇」は、
だんだんと薄らいでいきます。
「出生のヒミツ」を解明することで
「影」「闇」が消えるのではなく、
戦っていくほどに、影が消えていく
というイメージを、
私は個人的に、抱いています。
これは、私たちの日常でも、けっこう
起こっていることではないかと思います。
何か悲しみや痛みを抱えている人が
その悲しみや痛み自体に向き合うのではなく
全く関係なさそうな活動に取り組んで
そこで汗を流しているうちに、
悲しみや痛みがいつの間にか、
和らいでいるのです。
これは
「関係のない活動によって、
悲しみや痛みがごまかされた」
というわけではないはずです。
そうではなく、
一見関係のなさそうな活動に取り組む、
その動き自体が
心の奥の痛みや悲しみへの
何かしらの働きかけとなった
と考えることができるように思います。
たとえば、
大切なものを失って悲しいとき
私たちは
その悲しみが消えることを怖れます。
悲しむことを辞めたら
大切なものが本当に
自分の人生から消えてしまう
という気がするからです。
また、大切なものへの思いを忘れた
という罪悪感も生じます。
でも、悲しみをまるごと抱えたまま、
じっと座り込んでいるような生き方や
痛みのまわりをぐるぐる回り続けて
どこにも行けなくなるような生き方は
だれも望みはしません。
もちろん、悲しみの中に沈み込み
自分自身を悲しみに溶かしてしまうような
そんな人生を選ぶ人もいますし
それを責めることは、
誰にもできません。
でも、生きていこうとする限り、
悲しみや痛みに縛り付けられる時間は
いつかは、終わらせなければなりません。
2018年の水瓶座の人々が
悲しみと対峙する
というようなことが言いたいのではありません。
2018年、水瓶座の世界では
2つの戦いが同時並行的に起こってゆく
という感じがするのです。
それが、ゲームにおける
「世界を壊そうとする大きな敵との戦い」と
「個人の心の中の問題へのとりくみ」
という組み合わせに
よく似ている気がしたのです。
「戦い」と書きましたが、これも
それほど危険なことではなく、たとえば
「仕事を頑張る」「勉強を頑張る」
というほどの、
ごく現実的な「挑戦」だろうと思います。
だれもが心の中に、
悩みや迷い、コンプレックス、
様々なネガティブなものを
少しは抱えているものではないでしょうか。
直したい欠点や消したい過去、
傷つきやすいプライド、
突然激してしまう感情、
強いこだわりや怒り、
罪悪感や劣等感、嫉妬など
「この思いさえ無ければ
もっと自由に活動できるし、
伸び伸びと人とつきあえるのに!」
と思えるような厄介なものに
私たちは、
自ら縛られてしまっているところがあります。
もちろん、そうした問題を
一切抱えていない、
あくまで晴れやかな人もいるかもしれませんが
それはそれで、少し怖ろしいような気もします。
2018年、水瓶座の人々は
まさにゲームに出てくる「勇者」のように、
大活躍をすることになると思います。
大きな目標を掲げ、人々に応援され、
自らを鍛え、新しい立場を得て、
満足のゆくような結果を出せるでしょう。
社会的立場が大きく変わったり、
他者や世の中に対する責任が増したり、
あなたという存在の、社会的な重みが
飛躍的に増えていくだろうと思います。
そんなあなたの、
あくまで華やかで明るい「戦い」の裏側で、
あなたの抱えている何かしらの痛みが不思議と、
軽くなり、やわらかくなっていくだろう
という気がするのです。
これは
「社会的に大きなテーマに向き合って、
相対的に個人的なテーマが小さくなった」
ということではありません。
「あなたより、
もっと苦しんでいる人がいるんです!」
といわれて、
苦しみが軽くなることはありません。
そういう意味ではなく、
あなたの大きな勝負、挑戦が
あなたの内なる痛みにも、
不思議な形で
「はたらきかける」
のだろうと思うのです。
ある小説に、こんなエピソードがありました。
ケンカを嫌がる少年が、
ある日、友だちの名誉を守るために、
敢えてケンカを挑み、
見事に戦いました。
そのあとで彼は、
ずっと怖くて行けなかった歯の治療に
自分から行くことを決意したのです。
彼に、
自信がついた、勇気が生まれた
という考え方もできると思います。
でも、彼の心の中にあった何らかの障害物が
全く違う「勝負」によって砕かれた
というふうにも、
見ることができるかもしれない、と思います。
戦いに向かって行く勇気と、
歯の治療の痛みを耐える勇気とは、
少し、種類が違います。
でも、心の中のふしぎな仕組みが、
2つの「勇気」を重ね合わせた、
ということなのかもしれません。
2018年の水瓶座の世界でも
きっと、そんなことが起こって
あなたは、一つの勝負を通して、
2つの勝利をおさめることが
できるのだろうと思うのです。