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人間が必死に汗をかいてひいていた粉を、
水車の力を借りてひけるようになった時、
人々は、とても楽になりました。
小川の上につくった水車小屋では、
流れる水が、自然に水車を回し、
動力にかわるのです。
一人で必死にやっていたことを、
ある仕組みやシステムに乗せたとき、
とても自然に回っていくようになる、
というのは
理想的な「改革」です。
一人で頑張っていた仕事を皆に振り分けたり、
ちょっとプログラムを組んで自動化したりして、
それまでの苦悩が一気に解消することがあります。
「人間の仕事の多くがAIに取って代わられる」
というハナシもありますが、
そこまでではなくとも、
「これまで苦労してやっていたことを、
他の仕組みに乗せる」
ことが出来れば、
そこに、小さな自由が生まれます。
2019年までのあなたは、
一人で、
とても苦労してきたことがあるのではないでしょうか。
荒野を開拓するような苦労、
一人で多くを背負い続ける苦労、
自分にしか見えないものを見つめる孤独な苦労など、
様々な重荷を背負ってきたのではないかと思います。
2020年、その状態が徐々に変化し始めます。
「一人で頑張る」状態から、
別の状態へと移行していけるのです。
これは、
「一人でやっていたことを、皆で分担する」
というような変化とは、
少し違っていると思います。
たとえば冒頭の例のように、
「人力を水車にかえる」
ような形があり得ます。
もう一つは、
多くの人が自分も当事者であることを自覚し、
あるいはその活動に参加する事を決めて、
みんなで有るシステムを作って
「自然にまわっていくようにする」
ようなやりかたです。
参加者が変われば仕組みが変わり、
仕組みが変われば、
小川と水車のように
「自ずと動く」形が生まれることもあるわけです。
世の中には、
あるフロンティアが切りひらいたフィールドで、
多くの人が活動できるようになる、
という現象がたくさんあります。
フロンティアは伝説になり、
多くの人たちはそれを目指して活動することになります。
そんなにスケールの大きな話でなくとも、
ここまでにあなたがやってきたことに、
ここから、多くの人が関わってくるようになる、
という変化が、
2020年は起こりやすいのではないかと思うのです。
もちろんこれは
「手柄を横取りされる」
ようなことではありません。
そうではなく、
むしろ、これまで無視されていたことや、
「あたりまえ」のように思われていたことに、
ちゃんと目を向けてもらえる、
ということなのだと思います。
あなたの頑張りが正当に評価された上で、
あなた一人の重荷ではなく、
みんなで引き受けて動かす価値のあるものだ、
というふうに、
前向きに共有されていくことになるのだと思うのです。
人間は集団で生きていますが、
この「集団」には、
目立つ部分とそうでない部分があります。
目立たないから何の意味もないか、というと、
実はそんなことは決して、ありません。
非常に大きな意味を持っているのに、
何故かちっとも注目されないこと
というのは、多々あります。
多くの人がそのことで苦しみ、
孤独を感じているのも事実です。
こうしたことは、
ごく小さな人間関係の中でも起こります。
家庭内でも、
たった2人の恋人同士のあいだでも起こることです。
2020年、そうした苦しみが
「全て解消していく」というわけではないと思います。
でも、部分的には、
今まであなたが引き受けてきたものの価値や重みを、
「わかってもらえる」
場面がちゃんと、巡ってきます。
そして、わかってもらえるだけでなく、
「もっと大きなものに育ててもらえる」
可能性があるのです。
その変化の中で、
あなたはリーダーシップを取ることになるでしょう。
たとえば、これまでは
会社の中での1チームのリーダーだったのが、
今度は業界全体の取り組みにおいて、
指導者として動く、
といった変化が起こるかもしれません。
これはもちろん比喩ですが、
これまでよりも活動のフィールドや、
関わる人々の「範囲」が拡大していくことは、
確かだろうと思います。
これまでのあなたの孤独な苦労や頑張りが、
新しい、伸び伸びとした活動へと
「進化」していきます。
その変化の過程で、
これまでの経験の全てを活かすことができるでしょう。
新しい人々との関わりが生まれ、
世界が変わっていくはずです。