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推理小説に出てくる「名探偵」は、手掛かりを一つ一つ手繰りながら、真実に近づいていきます。
そのルートは、「知っていることから、知っていることへ」、ステップ・バイ・ステップの道筋です。
一足飛びに目的地に飛び込んでいくようなことは、あり得ません。
もとい、最初の段階でほぼ、目星がついていても、多くの証拠を集めてしっかりとその論拠が固まるまでは、軽々に答えを口に出したりしません。
双子座は旅の星座であり、コミュニケーションの星座とされます。
双子座の人々の旅や対話、学び、生き方も、ちょうどそんな「名探偵」のようなところがあります。
手掛かりから手掛かりへ、すでに知っていることから次の知りたいことへと、点を線で結んでいくのです。
いきなり知らない場所にぽんと飛び込むような移動より、ある手掛かりをもとに次のステップに進む、という道行きの方が得意なのです。
行動範囲は「現在地」を中心に、じわじわと外に拡がります。「ワープ」はありません。
その点、2023年は少々特殊な時間と言えます。
なぜなら、あなたの世界に「ワープ」が起こりそうだからです。
いきなり、知らない場所に飛び込んでいくことになるかもしれません。
途中の「ステップ」を飛び越して、突然目的地にたどり着いてしまうかもしれません。
案内人なしで、手掛かりも事前情報もなしで、いきなり「その場所」に入り込むことは、あなたにとっては至難の業なのかもしれません。
それでも、この時期は「ワープ」に意義があるようなのです。
砂漠をゆく商人たちのキャラバンは、「ここにないもの」を求めて旅をします。
手近にないもの、よく知らないもの、見慣れないもの、遠くにあるもの。
そうしたものたちは、それだけで価値があります。
2023年の双子座の人々は、おそらくそうしたもので「勝負」することになります。
現代社会では何かわかないことがあっても、とにかくインターネットで検索すれば「わかる」
と思われているフシもあります。
でも、現実に起こっている物事の最前線、リアルな世界の事象は、「検索」では出てきません。
「検索」で出てくるのは、すべて過去のことです。
今現在から未来に起こる出来事は、自分自身でその出来事の中に飛び込んでみるしか、「わかる」手だてがないのです。
2023年、双子座の人々はおそらく、普段の自分とは少し違ったアプローチで「世界」と相対することになります。すなわち、全く手掛かりのないところから、その体験に挑むのです。
出会いも、挑戦も、新たな選択も、おそらくすべて「ワープ」の条件を含んでいます。
段階的に入り込むのではないからこそ見えるものがあります。
飛び越えてしまったからこそ、引き受けなければならないことがあります。
導き手のない状態で、初めて入り込んだ場所では、当然、孤独になります。
それでもあなたは、そうした「ワープ」を選択するのだろうと思うのです。
たとえば大きなチャンスが巡ってきた時。
たとえば長年の夢がイレギュラーなルートで叶おうとする時。
「自分はそこに至る正当な手順を踏んでいないから」と、断りたくなるかもしれません。
もちろん、そうした選択もあり得ます。
でも、この時期のあなたはおそらく、そうした心のハードルを越えることになると思います。
そこにある「ライン」「ステップ」を、飛び越えてゆくこと。
その選択自体が、人生をリフレッシュする力をくれるようです。