蟹座の今年の占い

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たとえば
大きな、干上がってしまった池があるとします。
あらわになった池の底面のまんなかあたりに
ちいさな丸い穴があいています。
その穴を覗き込むと、かなり深い穴で、
穴の底の方には、まだわずかに水が溜まっています。
その穴の底の水たまりをよくよく見ると、
小さな魚が何匹か、静かに泳いでいるのが見えます。
その下には、カエルやカメなんかも、
もぞもぞ動いているようです。

この池は、一見、乾ききって失われたように見えるのですが
この穴の底を見る限り、
まだまだ、命が残っています。
穴がどのくらい深いのかは解りませんし、
穴の底は、もしかすると、地下水脈などにつながっていて
すぐに干上がってしまうことはないのかもしれません。

この様子は、2011年の終わり頃の蟹座の世界の
ほんの一面を表すために、私が考えた架空の風景です。
思うに、過去数年間、
激しい風や強い太陽光に照らされて、
生き生きと活動を続けてきた人が多いと思うのですが
その一方で、こんなふうに
風や熱にさらわれて、乾いてしまった部分が
あるのではないかと思ったのです。
とはいえ、その水場は完全に失われてしまったわけではなく、
まだこのように、小さな命や潤いが生きています。

2012年、蟹座の人たちは
この、瀕死の池に、なみなみと大量の水を
注ぎ込み始めることになるのではないかと思います。
水が池にたっぷりと波打つようになれば、
小さな穴の底に閉じこもっていた魚たちも
新鮮な水に満ちた広い世界に
どんどん、浮かび上がってくるはずなのです。
自分の中に失われてしまったかもしれない、と思えたその力が
また、いきいきとよみがえり、光を跳ね返し始めるのです。

過去数年にわたって続けて来た変革の道を、
蟹座の人たちは2012年も
勇ましく歩き続けるだろうと思います。
この道は短期間に終了するような道ではなく、
長く続く、シルクロードのような道なのです。
ですから、このことは既にあなたの日常に取り込まれてしまって
あまり肩に力を入れるような
「変革!前進!」
という意識は、最早湧かなくなっているだろうと思います。
2012年はそれとは別に、
新しい風が吹き始める年なのです。
これは、あなたがこれまで続けて来たフレッシュな変革とは全く別の、
人から見えにくい、心の奥底で起こる出来事です。


心で学ぶ。
心で考える。
蟹座の人は決して、何かを学ぶときにも
頭だけで処理するようなことはありません。
心とは何か、といえば
これは、感情の住処です。
喜怒哀楽が躍動する場所が心、とするなら
頭は、論理や客観的でクールな知性が動く場所です。
蟹座の世界では、この2つの器官に
明確な壁が存在しません。
感情が動かなければ何も覚えることが出来なかったり、
計算でさえも、個人的な喜びや悲しみと結びついていたりします。
この「心の知的活動」が、
2012年はどんどん活性する時期となっているのです。
外に向かって動いて行くためにも
蟹座は、フレッシュな感情を必要とします。
それも、一時的な感動ではなく、
常に溢れ続ける湧き水のような、
決して枯れない、内側からの力です。

2011年までの激しい展開の中で
この「内側からの力」が
疲労していたり、弱くなっていたりした感じがあるでしょうか。
この疲労感、無力感から、
2012年は、着々と回復していける年にあたっています。
夏の強い日差しにしおれた花が、
激しいスコールに生気を取り戻すように、
2012年の蟹座の内側には
潤いある知的エネルギーが湧いてくるだろうと思うのです。
とはいえこれは、自然発生的にわき上がってくる、というよりは
自分の手で、まずは水脈を探し出し
冒頭に述べた「池」にしっかり水路をつなげて水を流し込むような、
そんな力強い工事のような作業によるものであるはずです。