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剣豪・宮本武蔵を描いた漫画
『バガボンド』は、私にとって
続きがとても楽しみな作品の一つです。
剣に生きる武蔵は強敵を求め
各地を巡り歩きますが、
心から
「命のやりとり」
ができる相手に出会い、
夢中で勝負して
相手を見事、倒した後には必ず
限りない孤独やさびしさ、
喪失感を感じているように見えます。
全力から、それ以上の力を出し切って
ぶつけたものを受け止めてくれた
言わば、最愛の相手は、
勝利した瞬間
この世から消えてしまうからです。
多くの人が
「自分の全てを受け止めて欲しい」
「愛情のありったけをぶつけたい」
と願いますが
そうした瞬間、
相手がそれを受け止めきれずに
ある意味「倒れて」しまうことが
時々、起こります。
受け止めてもらい、
孤独から抜けだして、
心底幸福になりたかったのに、
なぜか、自分をぶつけた後で
相手がそこに、いなくなっている。
武蔵の場合は「倒して」いるのですから
それは当然なのですが、
剣の勝負を挑んだわけではなく、
単に好意や愛情をもって接しただけで
相手が
「受け止めきれない」
状態が発生するのは
不思議なようでもあり、
一方で、当たり前のようにも思われます。
いったい、私たちは他人をそれほどにも
「受け止める」
ことができるのでしょうか。
もちろん、限りなく大きな心で
だれでもどんと受け止められる
という人もいるかもしれません。
でも、多くの場合は
心から好きな相手なのに
受け止められない、とか、
心底同情しているけれど、
ずっとつきあっていたら
自分が生活できなくなる
といった
「キャパオーバー」の臨界点が
存在するものではないか
と思うのです。
2018年、蟹座の人々は
大きな愛の時間の中にあります。
愛し愛される相手がいて、
真剣に向き合うことができるでしょう。
あるいは、何か夢中になれるものに出会い、
とことん打ち込むことになるかもしれません。
非常に創造的で、情熱的な時期です。
でも、そこには
もう一つのテーマも置かれています。
それは、
「相手を去らせることなく、
ずっと関わり続けること」
「夢中になれたことに、
時間をかけてずっと、
取り組み続けること」
です。
全力でぶつかって、
相手がそれを受け止めきれずに
結果、さみしくなってしまう
というような展開を起こさない、
もっと継続的な愛し方・関わり方を
この時期、学ぶ事ができそうなのです。
実際、冒頭にご紹介した武蔵も
物語の中で、
「剣を抜かない」
ことに少しずつ、向かい始めています。
人々との豊かな関わりを得て、
「真剣勝負で相手を倒す」
という形以外の絆の作り方・生き方を
物語の中で徐々に、
学びつつあるようです。
もちろん
蟹座の人の全てが
「全てをぶつける」
ような関わり方をする、
というワケではありません。
むしろ、長期的に多くの人々と
あたたかな心の交流を作り、
育て続けて行くのが
蟹座の人々は、
上手な傾向があります。
ただ、蟹座の人々の心には、
満々と湛えられ、
時に「決壊」して
人の方にどーんと流れだす、
大量の水があります。
人の心の動きに敏感に反応し、
傷つきやすく、
ともすれば興奮しやすく、
人一倍の喜怒哀楽の大波に
自分自身、翻弄されてしまう。
そういう経験を
多くの蟹座の人が、
持っているのではないでしょうか。
そうした「感情のダムの決壊」が
人間関係を傷つけてきたことも
多分、あったのではないかと思うのです。
2018年から蟹座の人々が知るのは
たとえば、
人が少々不機嫌でも気にしない、とか
感情が爆発した後でも
けろっとして人と関わる、とか
他人の問題を自分のことのように思いすぎない、
あるいは、
人との心の距離を
ゼロか100か
というふうに設定しない
などのことかもしれません。
さらに、
ある時は受け止めきれなくても
他の時は受け止められるかもしれない
という前提で
諦めずに関わり続けること、
そして、長く続いている関わりにも
寄りかかりすぎず、
鉢植えの花のように、
定期的に水をやって育てること、
相手の喜びと同じくらい、
自分自身のよろこびを大切にすること
などもあるかもしれません。
人によって、
テーマとなることはそれぞれですが
その根底にあるのは
あなたの大ボリュームの愛と、
相手にそれを届けるための
丈夫な水車と水路の運用
ということだと思います。
相手を支配したり、
まるごと飲み込んだりするのではなく、
お互いに自由に、独立しながら、
温かく永続的な関係を作っていけます。
やり方を変える過程では
寂しさに耐えなければならない場面も
もしかしたら、あるかもしれません。
でも、そのことの意味がわかると
徐々に、真の関わりのゆたかさを
味わう余裕が出てくるはずです。
上記のことは、
恋愛関係や家族関係などに留まりません。
どんな立場性の関わりであっても
あなたの心には何らかの
「感情の動き」があるはずです。
その思いが、どのように伝われば、
相手と繋がり続けてゆけるのか。
自分以外の誰かと関わる、
およそ全ての場所で
そのことがあなたの胸に、
いつも「学ぶべきテーマ」として
この時期、光っているでしょう。
社会的な人間関係は
多くのルールや形式、
契約などに守られます。
雇用契約や売買契約、賃貸契約など
一般的な契約の他に、
婚約・結婚なども「契約」の一種です。
あらゆる契約によって守られているのは、
権利や義務、立場や利益など
様々なものがありますが
その中には「心」も
含まれているものだろうと思います。
この時期蟹座の人々は、
大きな愛のうねりの中で、
どんな形式やルールがあれば
お互いの「心」を守れるのか、
それを探り当ててゆくのかもしれません。