アーカイブ記事
「交渉」は得意でしょうか。
たとえば、
美容院で髪型をオーダーしたり、
旅先の土産物屋で値段交渉をしたり、
レストランでアレルギー対応の可否をたずねたり、
仕事の〆切を伸ばせないかとお願いしたり(!)、
といったことは、
得意な人もいれば、
そうでない人もいます。
さらに、
就職活動での面接や、
結婚に向けたプロポーズなども、
ある意味で「交渉」の要素をはらんでいます。
お互いに条件を提示し、
確認したいことを尋ね、
合意の糸口を探っていくことに、
本質的には、かわりはありません。
自分の要望を相手に伝え、
相手がそれをどう考えるかを聞き、
答えが否定的であった場合には、
さらに着地点を探していく、
というラリーは、
どんな場でも起こりえます。
こうした「交渉」を、
「ワガママだ」と感じてしまう人もいます。
特に、こちらの要望を伝えることに、
引け目を感じてしまう人が少なくありません。
「そんなことを言われても困る」と
「言ってくれれば対応できるのに」とのあいだは、
言ってみるまでは、わからないからです。
本来「言ってみる」こと自体は、
迷惑でも何でもないはずなのですが、
「言われた」ことへのストレスやプレッシャーへの気遣いが、
「言ってみる」こと自体をブロックしてしまう、
そういう心象もあるようです。
相手に言葉を投げかける前に、
相手の気持ちを先回りして考えて、
自分の行動を制限する。
これは「思いやり」なのか、
「思い込み」なのか、
非常に判断のむずかしいところです。
一歩踏み出して問題が起こるリスクを引き受けるより、
なにもせずにノーリスクでガマンしよう
という判断が積み重なった果てに、
状況の大破綻が起こることもあります。
相手を信頼し、
自分の要望を投げかけること。
2020年の蟹座の世界では、
それが大きなテーマとなるようです。
様々な交渉が生まれ、
関わりが生まれ、
対話が重ねられて、
つながりが創られていきます。
先回りして相手の考えを予測することなく、
思い切って自分の思いをぶつける、
ということも必要になるはずです。
自分からの要望を、
相手が承認してくれても、
承認してくれなくとも、
お互いの中に
「交渉をした」
という記憶が残ります。
「関わった」という記憶は、
一つの意味を持ちます。
私たちは関わることで知り合い、
知り合うことでつながるからです。
「交渉」は、
別の価値を持つこともあります。
要望を投げかけて交渉したとき、
そのまわりに「波紋」が生じるのです。
二人の人間が真剣に話し合っているのを、
周りの人々が見ているのです。
たとえ交渉が決裂しても、
あとで、それを見ていた誰かが
「さっきのハナシですが、
私の方でなんとかできるかもしれません、
詳しくお話をうかがえませんか」
と言ってくるかもしれません。
あるいは、交渉相手が別の場所で
「こういう要望があったのですが…」
という話題を持ち出した結果、
めぐり巡って誰かから、
面白い連絡が寄せられるかもしれません。
このように、
一つの真剣な対話が
他の新鮮な対話を「呼ぶ」ことは
決して、珍しくないのです。
2020年、蟹座の人々は
様々な交渉を通して、
いくつもの特別なストーリーを
「起動」することになるでしょう。
一対一の対話が上手く行かなくても
「その先」にひろがるものが、
あなたを新たに導きます。
大事なのは、
他者と自分の間に、
「最初の橋を架ける」
ことです。
その橋がもし、通れなかったとしても
河の別の所に、
向こう側から橋が建設される可能性があります。
「この河を渡りたい」
という思いがあることを、
自分の心の中だけに収めておかないことが
2020年のあなたの世界を動かす力なのです。