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ミュージシャンや芸人の方が、街で
「大ファンです!いつもyoutubeで見ています!」
と声をかけられて、
嬉しいけれど、少し複雑な気持ちになる、
という記事を読んだことがあります。
どんな形でも作品や活動に触れてもらえるのは
クリエイターやアーティストにとって
何より嬉しいことではあります。
ですが、音楽CDやライブ映像のパッケージが売れなければ
活動自体を継続していくことが難しくなりますし
なにより
「あなたの仕事に対して、お金を払ったことはありません」
と表明されたようで「複雑」な気持ちになるのは
納得のゆくことです。
まずはどんな形でも知ってもらうことが一番ですが
できれば「その先」までつきあってもらえれば、というのが、
クリエイター、アーティストの切なる願いでしょう。
ただ、その一方で、
自分自身が中高生だった時のことを思い出すと
「youtubeで見ています!」
と言った若い人の気持ちも、よくわかる気がするのです。
若いときは自分で稼いだお金がほとんどなく、
絶対的に「支払える額」が少ないのです。
その上、そもそも世の中の経済がどのような仕組みになっているのか、
あまりよくわかっていません。
もちろん、中にはとても賢かったり、
周囲の大人達によく教えてもらったりして
「仕事をして、対価をもらって皆が生きているし、
音楽活動やライブなどを創り上げるのにも
とてもたくさんの費用がかかる。
それをまかなうのは、お客さんの出すお金である」
ということが見えている人もいるでしょう。
とはいえ、そういう仕組みを理解した上でさらに、
「これはお金を出してまで見たいとは思わないな」
という価値判断により、無料の手段を選ぶ、という人もいます。
それもひとつの見識です。
おそらく、世の中の大きな経済の流れの中では
どんな立場も「間違い」とは言えないだろうと思います。
だれでも、自分のお金をどう使うか、
自分で決定する権利を持っています。
「この使い方が正しく、この使い方は間違い」
などとは、誰にも言えません。
でも、その一方で私たちの生活と経済活動は常に、
他者のそれと結びついています。
ひとりひとりの活動はちいさなものですが
そのちいさな活動が集まって、
大きな大河のような経済の流れが生まれます。
その大きな流れの中に自分もちゃんと、含まれています。
どこか遠くの国で起こった経済危機が
巡り巡って自分のお財布の中に「響いて」いるのを
私たちは意識にのぼらせることはありません。
でも、好きだったお店が経営難でつぶれかけたとき初めて
「そういえば最近ずっと行っていなかったな」
と気づいて後悔する、といったことは、
日常の中でしばしば起こります。
2017年、乙女座の人々は、ごく広い意味で
自分の手の中にある力をどう使い、
他者の手の中にある力とどう関わっていくか
を考えてゆくことになるでしょう。
乙女座の2017年は平たく言えば
「経済活動が活性化し、膨らむタイミング」
なのですが、
ただ単に「金運が良い・金回りが良い」といった
自分の手の中だけを見つめてホクホクできる、
というイメージとは
この時期のリアリティはかなり、ちがっているはずです。
私たちは自分一人の経済活動に責任を持っていると同時に、
自分を取り巻いている経済的な流れと深く結びあっています。
特に収入を得る活動をしていない人や
自分では何も生産していない、という人も
日々、生活の中で消費行動と、それに伴う選択を重ねているだけで
充分以上に「経済活動」を営んでおり、
さらに、世界と繋がっていることになります。
何がほしいと思い、何を要らないと感じるか。
何を選び、何に背を向けるか。
経済力を強化したい人も
普段の消費行動に問題を抱えている人も
2017年は非常に積極的で現実的なアクションを起こすことができますし
それに対する周囲のリアクションも、
変化を後押しするような、際立ったものとなるでしょう。
たとえば、経済的な依存関係から脱却したいと願っていた人は
そのチャンスを掴めるかもしれません。
あるいは、人から援助を受けることで夢を叶えたい
というのぞみを抱いている人も
少々意外な形で、それが叶えられるかもしれません。
実際、私たちが自分の人生の中で
「自分の力だけで立っていられる時期」は
ほんの一瞬です。
若い間はまわりの大人の経済力に頼るしかありませんし
ある年代を超えればまた、下の世代に頼ることになります。
純粋に自分だけの力で生まれてから死ぬまでを全うすることは
誰にもできないことです。
あくまで、そうした過去と未来に跨がる「関係性」のなかにあって、
「今、このような経済基盤の上に生活していきたい」
という理想を実現するためのチャンスが
2017年には随所に転がっているはずです。
ただガマンや遠慮だけに終始する生き方も、
自分の欲望にだけ忠実に生きる生き方も、
どちらも「本当の満足」には
つながらないだろうと思います。
自分の「本当の満足」がどこにあるのか、
それを人と関わりながら探していく旅を
2017年、乙女座の人々は辿っていくのかもしれません。
2015年頃から、あなたの日常生活のあらゆる局面において
「この活動は、誰のためなのか」
ということがずっと、
隠れたテーマとして鳴り続けていたのではないかと思います。
おそらく経済的な活動に関しても
「身近な人のため」「家族のため」「守るべき人のため」
といった意識が強かったはずです。
自分のことは棚に上げても周囲のために尽くすのが当たり前
という心の風景が
あなたを強くした場面もあれば
あなたを少し苦しめていたところもあったのではないかと思います。
2017年も「守るべきもののため」という意識は
まだ続いていくことになりますが
2015年頃の、スタート当初の感覚とは
少し違っているかもしれません。
2015年頃には、
背中にのしかかってくる大岩のようだった「責任」が、
2017年には、言わば
自分の生活をもしっかり支えてくれる「インフラ」のように
ごく自然なものとして
あなたの目に映っているだろうと思うのです。
最初は「大切な人のため」「家族のため」に始めたことが
2年ほど経ってみて「自分のためにもなっている」と
わかり始めます。
2017年の経済活動の盛り上がりは、おそらく
こうした意識変化を土台としているのだろうと思います。