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かなり昔の作品で恐縮ですが
『エースをねらえ!』という
テニスの世界を描いた漫画が
一世を風靡した時代がありました。
若くしてケガによる引退を余儀なくされ、
自分の志を受け継ぐべき弟子を探し
全国を巡り歩いた宗方コーチと
彼に見いだされた高校生・岡ひろみの
師弟のドラマです。
宗方コーチが探し求めたのは
自分が注ぎ込もうとするものを
受け止めることのできるほどの器、
つまりテニスの才能でした。
でも、結果的に彼は、
自分の情熱をどこまでも注ぎ込める、
一人の人間を探していた
ということなのではないか、
と思うのです。
作品では、コーチが弟子を深く愛する姿が
感動的に描かれています。
テニスは確かに、
彼にとって最も大事なものでしたが、
彼の人生を満たしたものは
テニス自体ではなく
スポーツを通して得た人間関係と
そこに育った愛情だったのかもしれません。
愛せるものに出会うために、
どこまでも旅をする。
2018年の乙女座を巡る星を見て、
そんなテーマが思い浮かびました。
人に限らず、趣味や活動、
研究テーマや仕事などもそうですが
そもそも「出会う」ことがなければ、
好きになることもできません。
何らかの才能を秘めていても
その才能を活かす活動に出会えなければ、
その人も、周囲も
才能の存在にすら
気づけないかもしれません。
でも、私たちはどうしても
日常的な偶然に、
自分の人生をゆだねざるを得ません。
行動範囲も、資金も限られていますし
なかなか時間もとれません。
宗方コーチのように、
全国のテニスクラブを虱潰しに見て回り
自分の心に叶う対象を探す
などということは、思えば、
かなり贅沢なことなのかもしれません。
それでも、2018年は、
乙女座の人々の多くが、
何らかのかたちで
「愛するものを探す旅」に
出かけていくのではないかと思うのです。
この「旅」は、文字通り
物理的な旅行の可能性もありますが
たとえば、新しい分野の勉強をするとか
学校に入るとか
全く価値観の違う人々の中に身を置く、
などのことも当てはまると思います。
星占いの世界では
書物と旅は、同じ分野のものです。
本を読めば私たちは簡単に
別世界に「トリップ」できます。
新しい世界に出会える、という意味で
学ぶことと旅することは
同じことであるようです。
子どもたちの前に
たくさんのお菓子をならべて
「どれでも好きなのをひとつ、
とっていいよ!」
と言ったとき、
ひとり、何にも取らない子がいました。
その子に
「お菓子いらないの?」
と尋ねると、その子は
「食べたいけど、
好きなのがないから、要らない」
と言いました。
別に好きでもないものを手にとるくらいなら
いっそ、なにもとらないほうがいい。
2018年から、
こうした感覚があなたの胸に湧いたとしたら
それは、情熱が減ったのではなく
むしろ、情熱が強まっている
ということの証だと思います。
熱い思いがあるからこそ
中途半端なものでは、
許せなくなってくるのです。
ちょっといいな、と思うものでも
簡単には好きにならないぞ
と、身構えるような思いも
もしかしたら、湧いてくるかもしれません。
これも、人や物事が嫌いになったのではなく
もっと好きになりたい
もっと夢中になりたい
という思いが
尖ってきているためです。
とはいえ、これは
「何にでも細かくケチをつけて、
なかなか物事を受け入れない」
ということではないはずです。
マイナス採点で細かい注文を付け、
完璧なものが回ってくるまでは
絶対にウンと言わない
といった狭量な態度は、
この時期のあなたには当てはまりません。
そうではなく、
おそらくこの時期のあなたは
「好き、とは、どういうことか」
「自分が求めているのは、
本当はどういうものなのか」
を、あくまでストイックに
追求し始めるのだろうと思うのです。
もし、欠点だらけだったとしても
条件が全く合わなかったとしても
ちっとも理解できなかったとしても
「これでなければならない」
と思える、何か。
とてもシビアな、でも心から信じられる
たった一本の物差し。
それを目指して、
あなたはこの時期以降、
長い旅を辞さないのだろうと思います。
2018年は、
素晴らしいコミュニケーションの年です。
素晴らしい旅の年でもありますし、
素晴らしい学びの年でもあります。
あなたの持って生まれた知的才能や
優れた感受性が、
これでもか!というほど、
ぐんぐん伸びていくでしょう。
大切な人と深みのある対話ができますし、
自分から丁寧に発信して、
嬉しい反応を得られそうです。
このコミュニケーションもまた、
あなたの「愛するものを探す旅」の
一環なのかもしれません。
かつて愛したものを
もう一度愛するためのキッカケを
掴める場面もあるかもしれません。