天秤座の今年の占い

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過保護はよくない
ということになっています。
でも、ある心理学者に寄れば
そうでもない、ようです。
どんなに過保護にしても、
そこに本当の愛情があれば
子供は自然に、その保護の手の中から逃れていくものなんだそうです。
でも、そうではなく、
愛情ではない別のモノの裏返しのようにして過保護が行われるとき、
子供の心はその「愛がない」という現実を察知し、
ぽっかりと穴を抱えてしまうようなことになる、のだそうです。

失敗してもワガママを言っても、
少々おバカでもマヌケでも
うしろまえにうらおもてに着ていても
とにかくかわいいかわいいって大事にしてもらえる経験、
子供の時と、幸運な恋愛ができた時くらいしか味わえません。
そんな経験のなかで、
心がなみなみとハチミツと牛乳のように滋養に満ちたものに満たされると、
その「ストック」は生涯使い果たされることなく、
枯れない泉のように他者に向かって流れ出していきます。

子供の時、こんな経験を
運悪く味わえなかった人も少なくありません。
あるいは、
こういう経験をしていても、
それが「完全に一点の曇もない」ということは
マレなのではないかと思います。
誰もが喪失したり、傷ついたりした経験をし、
その中でちょっと、疑心暗鬼になったり、ネガティブな発想を持っていたりします。
冷たさや皮肉っぽさ、おかしな誤解癖や間違った反応パターンを
ある程度は、身につけてしまっているモノではないかと思います。

人間関係を大切にし、
バランスを重んじ、
常に公平かつ客観的であろうとがんばる天秤座には、
単純に感情的に反応したり、
ワガママ勝手を自分に簡単に許したりするひとは少ないようです。
常にポジティブでありたいと願い、
カンペキでない自分を強く非難したりすることも多いのです。
ですから、
心の中の傷に無防備に引きずり回されて
人をないがしろにしたり傷つけたり、ということは
あまり、考えにくいかもしれません。
でも、愛の星である金星に守られたあなたであっても、
心の中に小さな空洞やすきま、
あるいは、痛みや不器用なやりかたを抱えて
それを無意識にかばっているようなところが
たぶん、少しはあるのではないでしょうか。

2008年は、
あなたのそんな、心の中の空洞の部分に
ハチミツと牛乳が注ぎ足されます。
子供の頃にしか味わえないはずの、
あの、あたたかく守られて思う存分甘えて心を満たすという、
特別な、素晴らしい経験を
どういうわけか、味わうチャンスに恵まれるようなのです。
安全に守られたあたたかい場所を手に入れて、
そこで、隠し続けていた傷口を
そっと開いて出すことができます。
そこに薬を塗ってもらって
安心して休むことができると思います。

このチャンスは、あなたが2008年に構築する「環境」によってもたらされます。
人間関係を大切にする天秤座ですが、
人に依存したり癒着したりすることはむしろ、少ないと思います。
関係を重んじる一方で、わりと個人主義的なのです。
ですが、2008年は、
「人付き合い」というよりももっと深く本質的な形で
幾人かの人と、あなたが結びつくことになります。
これは、直線的な糸電話のようなイメージの結びつきではなく、
庭のような、広場のような、部屋のような
そんな平面や空間をイメージさせる結びつきなのです。
環境、すなわち「場」としての関係性を、
2008年の天秤座はダイナミックに再構築します。
新たに家族を得たり、仲間を得たり、
家を持ったりすることができるかもしれません。
そのなかで、あなたは
自分の中の最も弱い部分、あるいはぽっかりと開いた空虚な部分を
つながりある誰かと、共有することになりそうなのです。


2008年、あなたの居場所には
たくさんの人がいるように見えます。
あるいは、あなたに「合った」場所が
あなたの手で見事に形作られていく様が見えるようです。
そしてそこで、あなたは
あるあなたの深い一面に、自分で触れます。
寒風の吹く「外」では、それができなかったのです。
今までいた「場」では、それが不可能だったのです。
でも、いまや、あなたは自分の中にあった不思議な空洞を
静かに満たしていく可能性を手に入れます。
それが、2008年のあなたの場の機能であり、人間関係の特色です。
そこから新たに、あなたの世界が形成されていきます。
「世界の形成」
というとき、
新しいことを学んだり、
素晴らしい人に知遇を得たりする、というイメージが浮かびますが、
2008年、この「自分の世界を広げる」ことのメインの動力は
あなたの中にある満たされない何かであり、
それを満たす方向にあなたが動く時、
単に「傷を癒す」というような小さな個人的なことではおさまらない、
もっとたくさんの人に影響を与える、
スケールの大きな出来事が「始動」するのです。