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誰かから贈り物をもらったとき、
私たちはすぐに心のどこかで
「お返しをしたい」と感じます。
恩を受けてしまった、ということで、
バランスしていた天秤の、
自分の側のお皿が「下がった」ように感じられるのです。
そのため、相手の側に錘(おもり)を「うつす」ことによって、
天秤の左右のバランスを元通りにしたくなるわけです。
「お祝い返し」という習慣や、
ものを「贈り合う」という習慣は、
そういうしくみをもっています。
「もらったら、お返しをする」。
「借りたら、すぐ返す」。
これは、私たちの心を軽くしてくれます。
「お返し」はすなわち「精算」だからです。
ですがその一方で、「
精算」によって失われてしまうものもあります。
たとえば「二人の関係を清算する」という表現がありますが、
まさにこの通りです。
受けとったものをすぐに返して「精算」してしまうことは、
関係を消滅させることに繋がってしまうのです。
ですから、「お祝い返し」ももらった分より少し少なめにお返しをして、
受けた「恩」の一部を手元に残しておきます。
この分はいつかお返しをしますよ、という気持ちとともに、
関係を「精算しない」意志をそこで、表現しているのです。
2013年後半から2014年前半にかけて、
射手座の人は他者から様々な力やギフトを受けとります。
そこで受けとったものを「精算」せずに、
いかに未来につなげていくか、ということが、
この時期の最大のテーマとなっています。
自分の力だけでなく、敢えて人の力を集めて行うことに、
意味がある場合もあるでしょう。
人の力に「乗ってみる」ところから、
物事が動き始める場面もあると思います。
古い時代の読みでは、
この配置は「相続」を象徴するとされます。
遺産に限らず、誰かから仕事を受け継いだり、
大事な役割の後継者となったりすることも、
この時期に起こりそうなことの一つです。
肩書きをはなれた「個人」として他者と関わり、
そこで受けとったものを結びつきの中でどう活かすべきか。
それを、2014年前半、模索していくことになるのです。
誰かの胸の中に、あなたが確かに存在していて、
その存在が想像以上の重みを持っていることに、
不意に気づかされるかもしれません。
あなたの中にいつの間にか根を張り力を持つようになっていた「誰か」の存在に、
気づかされることもあるかもしれません。
たとえば、親子や親族のあいだでは「遺伝」という結びつきが存在しますが、
それにも似た、切り離すことも逃げることもできないような結びつきが、
他人同士のあいだに育つこともあるのだと思います。
これは、恋愛のようなごく個人的な人間関係にももちろん、当てはまりますが、
もっと広い範囲にわたる人間関係にも、起こり得ることです。
年の前半は、交友関係が活発に広がっていきますし、
刺激的な出会いも多いでしょう。
その一方で、「関わるべきではない相手」のことも、
炙り出されてくるかもしれません。
交友関係は様々な形で「鍛え上げられ」ます。
真に信頼に足る友であるかどうか、相手を見定めると同時に、
自分自身も又相手にとっての真の友としてふさわしい人間か、
自問する場面もあるかもしれません。
友達が自分を鍛えてくれるような出来事も起こるかもしれません。
長年感じていた精神的な重荷や漠然としたストレスから、
2014年に突然、解放される人もいるでしょう。
もしかすると、自覚的には
「なぜ、どうやって解放されたのか」がイマイチ解らないかもしれませんが、
おそらく、この時期に接する「他者」との関係が、
あなたを解放へと導いてくれるのだと思います。
自分とは異なる価値観に触れたことがきっかけで、
長期にわたる自縄自縛から解放される人もいるはずです。
2014年後半は、冒険の旅が始まります。
この「旅」は2015年前半にかけて続いていく、
少々長丁場のストーリーです。
未来に向かうと同時に、
過去をたずねて旅をする場面もあるかもしれません。
ここでは、明確な目的はほとんどなく、
直感に従って「そのとき行きたいところに行く」ような旅程を組む人も
少なくなさそうです。
まるで、無意識の中に目的地が設定されていて
、体内磁石に従って進む渡り鳥のように、
遠くまで飛んでいく人もいるはずです。
時には「愛」が羅針盤となる可能性もありそうです。
2014年前半まではどこか「他者」の動向に合わせる形で動いていたのが、
2014年後半になると徐々に
「自分」のリズムで動けるようになっていきます。
そのとき、年の前半には超えがたいと思われた壁を、
易々と越えていくことができるかもしれません。
どうしても湧いてこなかった気力が、
年の後半に俄然、みなぎってくる気配もあります。
年の前半までに受けとった力を、
年の後半に、外の世界に向かって「出力」していく人もいるはずです。
「出力」としての旅のプロセスでは、
ここまでに培った深い人間関係がいつも、
あなたを守り、あなたに味方してくれるだろうと思います。