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「シンデレラ」のお話には
様々なバリエーションがあるそうですが
私たちに最もなじみ深いのは
カボチャの馬車と、ねずみの御者
の「シンデレラ」です。
シンデレラが
「お城の舞踏会に行きたい」
と願ったとき、
魔法使いは
「では、カボチャをひとつ、
それとねずみを捕まえておいで」
と言いつけます。
物語の結末を知っている私たちには
「ははあ、それは
魔法に必要な材料だな」
とわかりますが
命令されたシンデレラにとっては
実に奇妙な言いつけに思えたでしょう。
なぜそんなものが必要なのか?
と考えたでしょうし、
この魔法使いはデタラメを言って、
私を騙しているのかな?
と思ったかもしれません。
彼女は幸い、魔法使いを信じて、
ちゃんと材料を揃えましたが、
もし、彼女が疑り深いタイプであったなら
もしかすると、お話は
ここで終わっていたかもしれません(!)。
カボチャがあって、
ねずみがいそうな台所は
普段のシンデレラのテリトリーです。
彼女が「灰かぶり」なのは、毎晩
台所の竈の中で暖を取って眠るからです。
彼女の「いつもの住処」に、
魔法の材料がちゃんと、存在します。
魔法使いに言いつけられて、
彼女が向かうのは、
「いつもの住処」なのです。
難しい場所に探しに行くのではなく、
いつもの場所に、
ちゃんと魔法の欠片があるわけです。
これはなかなか、おもしろいことです。
少し遡って2016年から2017年、
射手座の人々は、
かなり大きな目標を掲げて、
すくなくともその一部分を、
叶えることができたのではないでしょうか。
2015年頃からひたむきに
険しい山を登り続け、
2017年の終わり頃には
「山を登り切った!」
という思いを抱いているでしょう。
さらに、2017年の終わり、
あなたはシンデレラが夢見た舞踏会のような
新しい大きな願いを抱いたかもしれません。
この夢を叶えるために、
どんな魔法が必要か。
私たちの人生にはなかなか、
魔法使いは表れてくれません。
そのかわり、
自分自身で自分に魔法をかけるか、
魔法を「おびき寄せる」必要があります。
「人事を尽くして天命を待つ」
というのがつまり、その方法です。
でも、2018年という時間には
前述の、シンデレラにとっての
「台所」のような場所に
あなたのカボチャとねずみが
どうも、あなたを待っているようなのです。
努力というものは
あくまで合理的になされます。
シンデレラがもし、
自力で舞踏会に行きたいと思ったら、
間違っても、
「台所でカボチャとねずみを探す」
という努力はしないでしょう。
伝手を探すとか、ドレスを縫うとか、
なにかもっと別の方法で
お城を目指していたはずです。
彼女は基本的には、
自力でゆくことを諦めていました。
そこに、魔法使いがやってきて
およそ非合理なことを宣ったわけです。
2018年のあなたの魔法、
あなたのカボチャとねずみは
具体的には、
どんなものなのでしょうか。
それは、人それぞれだと思いますが
おそらくそこには
ちょっと非合理だったり、
普通なら考えつかなかったりするものでしょう。
あるいは、あなたにとって
特に目新しいものではないのかもしれません。
いずれにせよ、あなたは
台所に戻ったシンデレラよろしく
「自分の場所」「自分のこれまでの生き方」
へと立ち戻って、
そこに「なにか」を見いだすのです。
少々フライングになりますが
2018年の年末から2019年、
あなたはシンデレラのような
「変身」を遂げることになります。
この「変身」は、
本来の自分とは違う姿になる
ということではなく、
やはりシンデレラにも似て
もともとの自分に最もふさわしい姿になる
ということなのだと思います。
まず大きな願いを抱き、
そのあとで「自分」に変身する。
その間にあるプロセスとして
「魔法と、台所と、
カボチャとねずみ」
があるのです。
ワケのわからない占いを書きやがって
と、苛立っている人も多いでしょう。
すみません。
でも、この2018年にあなたが手にするのは
おそらく、一見して
新しい未来のために役立つもの
変身の材料となるもの
ではないのだろうと思うのです。
たとえば、コンプレックスや辛い過去、
これまでは否定してきたもの、
価値を見いださなかったもの、
やり遂げたのに切り捨てた成果、
後悔のタネやごちゃまぜの押し入れ、
一人で過ごす時間、
自分自身との長い対話、
別れてしまった誰か、
懐かしい場所、失われた習慣、
だれにも見せない机の奥にあるもの、
弱っている人を助けに行くこと、
無償の行為、祈り、
無駄遣い、陶酔、深い眠り、等々
他にも挙げれば切りがありませんが
そんなものかもしれません。
いずれもあなたがよく知っている、
なじみ深いものたちの中に、
あなたをお城に連れて行ってくれる、
馬車と御者が隠れているのです。
私たちを「前に進ませるもの」は
決して、煌びやかなもの、
輝かしいものだけではありません。
私たちの内なる弱さや暗さが
ちゃんと「自分のもの」にならない限り
私たちは本当には成長も成熟も
できないのではないでしょうか。
2018年のあなたは、
今まで自分のなかに
「ない」
とおもっていたものが
「ある」
ということに、
卒然として気づくのではないかと思います。
それこそが、カボチャであり、
ねずみなのです。
射手座の人々はいつも、
冒険的で、挑戦的です。
でも、その一方で、
非常に思索的で
精神的な面も持っています。
外の世界に旅をするのと同じくらい
自分の内面に旅することもできる、
「旅の力」に恵まれています。
2017年の中で引っかかったこと、
だれに見せるともなく抱えてきたもの、
昇華されるべきもの、
救われるべきところ。
そうしたものが、
2018年のあなたを導いていきます。
2018年11月からは、
シンデレラの変身の時間がやってきます。
そこまでに、何を準備すべきか。
年明けには皆目検討が着かなくとも
おそらく3月頃までには
だいたい、目処が立っているはずです。