今年の占い

2025年

古代の遺跡は「そのまま」にしておくことが大切です。できるだけ風化しないように、余計な変化を加えないように、文化財として社会から大事に守られます。古代遺跡の石を勝手に動かして、自宅の土台にするなど、もってのほかです。

一方、歴史的価値のある建物に住んでいる人々がいます。この場合、壊れた部分を修繕したり、水回りを新しいものにリフォームしたりすることができます。

どんなに「昔のまま」の建物であっても、住む人がいる限り、変化が起こります。

修理があり、部材の入れ替えがあり、摩耗する部分があり、猫や犬がひっかく部分があります。住まれている家は、生き物のように変化し続けます。

人は生まれてから死ぬまでに、驚くほどの変化を遂げます。家もそれに合わせて、変化し続けます。生活を営むということは、変化し続けるということです。

家の中に生活があってはじめて、家は血の通った、温かい空間になります。暗い夜に、寒い冬に、オレンジ色の窓の明かりを見てホッとできるのは、その中に生活があるからです。

一般に「ホテルの部屋のようにスッキリした空間」という言い方があります。これを言い換えて「生活感のない空間」と表現したりします。「生活感」とは、様々なノイズを言うのだろうと思います。生きた生活を送っていると、片付かないところや雑然としたところ、一貫性のないところが出てきます。

そうしたノイズを排除すると、「生活感のない空間」ができあがります。雪の日に、深い夜に、オレンジ色の窓の明かりの中にあるものは多分、「生活感のない空間」ではありません。そこには整理できないもの、片付かないものがあります。

人の心も多分、そんなところがあります。理屈で片付かないもの、合理的に整理できないものがある心こそが、温かいのではないかと思うのです。水瓶座は論理と客観の星座ですが、2025年は、論理と客観では片付かないものの世界へと入り込む年です。計算できないもの、分類できないもの、分解できないものの中に入る年です。

生活の総体、人間の身体、日々のお金の使い方、様々な小さな習慣、原因不明の好調や不調、周囲の人のご機嫌、何より自分の気分など、全て謎と非合理のかたまりです。コントロールできそうでできないこれらのことに、半ば支配され、半ば「うまくつき合う」ことを余儀なくされながら私たちは生きています。

非合理、非論理、もしかすると不公平や不正義なども、生活のノイズに含まれます。小さな子供のついた嘘を罰するべきか否か、古今の親たちが悩み抜きます。それは悪いことだけれど、子供のしたことです。

そんな「割りきれぬこと」をガッチリ相手にしてはじめて、あの寒い暗い夜の、家のシルエットに輝くオレンジ色の光が温かみを帯びます。

2025年は水瓶座の人々にとって、温かな生活の年、愛の年、温かな心の年です。そこには割りきれぬこと、非合理なことがたくさんあります。

ですが、かつて苛立っていたことが、今のあなたにはもはや、気にならないかもしれません。小さな問題をより大きなテーマが包み込み、その問題を無効化していくのかもしれません。節約や規範意識、ルールより大切な何かが、あなたの生活に入り込み、少しずつ変化を起こします。

もう守らなくてもいいルールが枯葉のように削げ落ちて、代わりに、新しい生命力が芽吹きます。生活が新しい意義と熱量を帯びて、新しい力であなたを守るようになります。


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