今年の占い

2022年

2022年のテーマの一つに「救い」があります。

2022年の木星と海王星に示される獅子座の「救い」とは、どんなものでしょうか。
「救い」は「危難から逃れること」「希望や明るさを感じさせ、気持ちをホッとさせること」などを意味します。苦しみから逃れさせてもらえるのが「救い」ならば、獅子座の「苦しみ」とはなんでしょうか。

獅子座は自己表現の星座であり、自己主張の星座である、と言われます。自分の内なるものを外側に輝き出させること、自分の力を試し、自分の強さを自他に証明すること。そうしたことが、獅子座の人々の最も大きな願いなのだと思います。ゆえに、自分の力を発揮できない場にいたり、自己主張を封じられたり、「自分」という存在が隠されているように感じられたりする時、獅子座の人々は苦痛を感じるはずです。また、獅子座の世界観に「肯定」があります。自己を肯定し、他者を肯定することが、獅子座の大きな使命なのです。ゆえに、人々が互いに否定的な目で批判し合うような環境では、強い苦しみを感じるだろうと思います。

2022年の「救いの星」、魚座の木星と海王星は、実は獅子座から見て「隠された場所」に位置しています。光が遮られた、ブラックボックスのような場所。あるいは、外からは見えない、下着のようなもの。さらには、財布や金庫など、貴重なものを守るため、外から見えないように厳重に格納しておく世界。そんな場所に「救い」が置かれているのです。これはどういうことなのでしょうか。

獅子座は自己表現の星座であるがゆえに、しばしば演劇と関連付けられます。古代の演劇では、俳優達は皆、仮面を被っていたそうです。今でもたとえば日本の能では能面をつけて演じられますが、古い時代にはそれが一般的だったそうです。ゆえに、俳優の「優」という文字は、仮面を着けた人物を模しているといいます。仮面の下に、演技者の本当の顔が「隠されて」いるわけです。

仮面を被っていなくとも、演じる人、表現する人は、生身の人間である自分のなにごとかを「隠して」います。台詞はその人自身の言葉ではありませんし、演じている役柄も又、その人自身のものではありません。自己主張する人、自己表現する人は、自分が打ち出すものを確かに価値あるものと感じ、自分の一部としつつも、それとはべつに「素のままの、ほんとうの自分」を隠し持っています。もし、この「ほんとうの自分」が「表現」から深い浸食を受けたら、どうなるでしょうか。その心は、大きなダメージを被るだろうと思います。

獅子座の「獅子」は、ネメアの獅子という化け獅子の皮です。この硬い皮を、鎧としてかぶっているのが、ヘラクレスです。ヘラクレスはその素晴らしい力でたくさんの偉業を成し遂げますが、彼は自分を守るために、いくつもの功を引き受けていたのでした。身を守ることと、力を示すことは、表裏一体なのかもしれません。表現者であり主張する人であるあなたの「救い」は、時に身を隠す場所を持つこと、「本当の自分」を大切に守ることにあるのかもしれません。

さらにいえば、「表現しない」時に表に出てくる「本当の自分」を生きることこそが、ひとつの救いとなる可能性もあります。表現し、主張することから離れる時に現れる、不思議な力もこの世には存在します。「隠す」ことによって表現される価値もあるのです。たとえば性的な価値はその一つです。また「現れるべき人が現れない」時、かえってその人の存在が注目され、重みを増す、といったこともよく起こります。大切な想いを敢えて言葉にせずに行間に込める作家もいます。「表す」ことと「表さない」こともまた、作用と反作用のように結びついていて、そのことがあなたの救いになる、ということがあるのかもしれません。

表現を一時的にやめたとき、始めて自分が表現する意味を悟る、と言った人がいます。光は影に、影は光に、それぞれ存在を守られているものなのかもしれません。2022年、もし疲れたり、苦痛を感じたりしたなら、誰かの後ろに、あるいは誰にも見えないところに、少しだけひっこんでみるのも一案かもしれません。光の当たらない場所で、あなたは自分自身の本当の光について、新しいことを知るのかもしれません。