今年の占い

2025年

外国に出かけた時、現地の人と親しくなったり、地元の集まりに混ぜてもらったりすることがあります。長期滞在や長期の留学、移住をした人はさらに、現地の人たちの集団に溶け込むことになります。

溶け込み、馴染んで、現地の人々と変わらない生活を送りながらも、しかしどこかで、「自分は異文化圏からの人間である」「異邦人である」という感覚は、完全には消えません。むしろ、溶け込めば溶け込むほど「完全には同じになれない」という実感を強める、という話を聞いたことがあります。未知の世界にゆけば必ず、「その世界のことを完全には知ることができない」という思いを抱かされます。

ですがその思いこそが、「未知の世界にゆく」ことの最大の目的なのかもしれません。参加してすぐ同化できるような場所なら、わざわざ行く意味があるでしょうか。わからないからこそ、違っているからこそ、行ってみたくなるのではないでしょうか。

以前「日本の旅行業界のガラパゴス化」という議論を目にした時、私は思いました。「他のどことも違うガラパゴス島こそ、誰もが行ってみたいと思う場所ではないか」と。もし、どこに行っても同じような体験しかできないなら、旅行に行く喜びとは何なのだろう、と思ったのです。

2025年、獅子座の人々はもしかすると、ある種の疎外感や孤立感を抱くことになるかもしれません。それは、未知の世界に足を踏み入れたために湧いてくる思いです。「勉強しよう!」と思って教科書を開けば「難しい、わからない」と思える内容にぶつかります。

「友達が欲しい!」と思ってイベントやサークルに参加すれば、古参のメンバーの中で居心地の悪さを味わいます。新しいことを始めれば、わからないこと、馴染めないことだらけです。ですがそれこそが、そもそもあなたの求めていたことです。もしそうした馴染めなさ、居心地の悪さ、わからなさがないならば、そもそもそんな場所に身を置く必要はないはずなのです。

2025年のどこかで、もしあなたが寂しさや孤立感、「どこに身を置けば良いのだろう」というような思いを抱いたなら、このことを思い出していただきたいのです。別の星に降り立ったら、自分はその場所で、エトランゼです。

わからないことがたくさんあるからこそ、そこに行きたいと思ったのです。わかりきった世界の、飽き飽きするような空気から逃げ出して、そこに来たのです。それを思い出せば、また新しい意味で「ここにいていいのだ」と思えるはずです。


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