2024年
「コーリング(calling)」には、「天職」という意味があります。ある役割、ミッション、仕事、任務に「呼ばれる」、天の声に「呼ばれる」ということなのだと思います。
世の中には、報酬をもらってする仕事以外にも、たくさんの「役割」「任務」があります。周囲からはそれが「仕事」と見なされていないようなことでも、本人は「仕事」だと捉えていることもあります。
あるいは逆に、本人は「仕事」だと思っていなくても、周囲はその人の活動を「立派な仕事だ」と考えるケースもあるでしょう。
たとえば、趣味で描き続けていた絵画が死後、世に認められて高額で取引されるようになったら、この人は「画家だった」と言えるでしょうか、言えないでしょうか。
当人がどう思ったにせよ、他人がどう評価するにせよ、この人の人生を全体的に捉えた時、やはりこの人の画業は「天に呼ばれて」なされたと言える気がします。
ある任務に人を呼ぶ「声」は、「天」だけのものではありません。赤ん坊の声に呼ばれ、弟子の声に呼ばれ、生徒の声に呼ばれる人がいます。困っている人の声に呼ばれる人がいて、美や快を求める人に呼ばれる人がいます。才能ある人を発掘し、呼びかけることを業とする人もいます。呼ぶ声に応え、他者のために何かをなした時、相手を助けたり、満たしたり、後押ししたりすることができたなら、使命を果たしたということになります。報酬の有無や社会的地位、肩書きは、ここでは関係ありません。
子供たちは大人から「自分がなりたいもの、何にでもなれるよ」と言われ続けます。でも、実際に色々なことにトライしてみると、「何にでもなれる」どころか、自分にできることや合っているものを見つけるのが、どんなに難しいかに気づかされます。
適性や才能があっても、「呼ばれる」ことがなければ、それは役割として成立しません。また、長く続けていて評価もされているのに「自分はこの仕事に向いていない」と思い続けている人もいます。
自分自身で選べるものだ、と考えれば考えるほど、「これは向いているか、向いていないか」を自分自身でジャッジしなければならなくなります。でも、仕事や役割、他者に対する任務には常に、「コーリング」の部分が含まれています。
呼ばれたからこそ、任務になったのです。そこは、自分自身ではジャッジできません。たとえ褒められなくても、感謝されなくても、呼ばれて、その声に応えているなら、それが「コーリング」なのかもしれません。
2024年、乙女座の人々は「今、自分はこれをやるのだ」「今、自分はこれを引き受けているのだ」という実感を、強く抱くことになります。
そこに納得と確信があります。ライフワークに取り組む人がいる一方で、「あと少し」「半年」「1年半」「3年」など、期間の限られたミッションに打ち込む人もいるでしょう。
どちらも、諦めでもなく、シニカルに構えるのでもなく、「少なくとも今は、これなのだ」という信念を持つことができます。それはおそらく、「呼ぶ声」に応えているあなたがいるからです。
「未来には、何が待っているかわからない」というのが、希望です。希望は、未来の偶然に心を開く態度をいうのだと思います。
この時期あなたが引き受けている任務・役割は、そうした希望と、矛盾しません。いつかまた、別の声に呼ばれることになるかもしれない、その余白を残して、今はあなたを呼ぶ声に、全力で応えることができます。
もし一時的にその声を見失うことがあっても、耳を澄ましてしばらく立ち止まれば、きっとまた、その声をキャッチできるはずです。